安価『ローション風呂』

「へー…結構広いのね」
「みたいだな。……でだ」
「……………本気でやるの?それ」
「当然!」
「………はぁ」

私は今、彼氏と休日のデートを謳歌している。え?真昼間からラブホに入っていて謳歌もクソもないだろうって?
確かにそうね。これじゃ只の発情した動物だもの。尤も、計画を練る当初はこんなはずではなかったと言い訳させて欲しい。

――二日前、私の部屋にて――

「それで、万年発情期のとーや君は珍妙な袋を取り出して何とおっしゃいましたか?」
「発情期はひでーな。それじゃいつも相手してくれるハルも同類だ」
「…………はぁ、否定はしない。(まぁ…惚れた弱みで拒否出来ないってのもあるけど)」
「そりゃ光栄だ」

溜息交じりに聞こえない様に呟いたはずなのに、この馬鹿はしっかりと耳に刻み込んだようだ。
どうして私の声に限って地獄耳なのか問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。

「で?もう一度言ってくれない?私の耳が聞き間違えたかもしれないからさ」
「だから何度も言ってるだろ?風呂だよ、風呂。ローション風呂!」
「…………何処で買ったのよ、ソレ」
「通販だ。知ってるよな」
「あったり前じゃない!!……だって私のPCで発注して、さっき私の家に送られてきたもの。どっちもアンタが居るときにね!」
「だったらわざわざ確認するなよな」
「戒めも兼ねてるの!いつも言ってるでしょ、お風呂に一緒に入るのだけは恥ずかしいからやめてって!」

冒頭のラブホに入った日より一週間前、普段は見向きもしない私のPCの前に座って『ちょっと買いたいもんがあるから貸してくれないか』
と、頼まれて何の気なしに許可したのが仇となった。
商品の搬送先もウチに指定したいと希望した時点で気がつけばこんな事には……どうせエロ本の類なんじゃないかって思っていたらコレだ。
エロ本より遥かに性質が悪い。

「いーじゃねぇか、初めてした時は一緒に入ってくれただろー?」
「………あの時は…私も異性化してから一ヶ月しか経ってなくて体に慣れてなかったし、おまけに処女だったもの。
 腰が抜けててとーやに勝手に連れていかれただけじゃない」

これは私の屁理屈だ。その時は拒否感よりも恍惚感が勝っていて、望んで彼に連れられていったのだ。
勿論、意識もはっきりしていた。そんな事は今では何度も肌と心を重ね合わせている彼に看破されないはずもなく……

「一ヶ月しか、ってまだ三ヶ月だろ?それにあの時嫌って言わなかったよな?」
「…………失神してて言えなかっただけだもん」
「嘘つけ、起きてた」
「………………もう。それで?ウチの浴槽で使う気?いくらなんでもふざけすぎよ。ごまかせるわけないじゃない。
 ……普通のお風呂なら入ってあげるから、良いでしょ?それで」

私(というよりは私達、か)は、いつもこうだ。
初めは彼の要求を私が拒絶するのだが、なんやかんやで言いくるめられてしまって、受け入れてしまうのだ。
いつも悪い気はしないのが憎らしいのよね。愛情の裏返しなんだろうけど。………まだ子供なのに何馬鹿言ってんだか、私。

「いや、折角買ったんだから使うぞ」
「ならアンタんちで使うの?」
「それもキツい」
「………じゃあどうするのよ……………(ちょっと楽しみになってきたのに)」

ぽろっと呟いた本音に全力で耳を傾けたこのサルは、にやにやと気色の悪い笑みを零してこう続けた。

「ホテルだ」

―――そして冒頭に戻る―――
言い訳と回想終了。ハイ、言い訳にもなっていませんでした。すいませんっしたー。
……ちくしょー。色んな意味でちくしょー。
ま、発症しなければこんな関係にもならずに、コイツのあんな顔も見られなかったわけで。
ある意味こんな病気を作った悪魔に感謝……ではなくて、えーと、その、なんでしょうね……。

「ん?お前も飲むか?」
「いらない。こういう所のドリンクは高いんだからやめておきなさいよ」

デートが始まってからずっと鼻の下を伸ばしっぱなしで、今も馬鹿面さげてルームの冷蔵庫を漁っている。
やめろやめろと再三注意しているのに、彼は全然聞き入れちゃくれない。
大体、こんな場所のものはどれも定価の1,3倍~1,5倍になるもの。下手すると倍以上だ。
それでもこういう場所だからこそ欲しくなる客の心理を突いた商売だ。別にソレ自体を咎めるつもりは無い。
けれども、それに嵌ってしまうのが自分自身だとか、恋人だとかなのが我慢にならないだけ。
高校生な私達は無駄な出費は避けないとロクに遊べないのだから。
……まぁ、バイトでもすればいいのだろうけど。

「いやー、浮かれてるわ、オレ」
「……見れば解る」
「ハルだって浮かれてるだろ?」
「………別に」
「そうか?服装と髪型、気合入れてるみたいだけど」
「どこが……」

普段の学校生活では長めの黒髪をツインテールに束ねている。
趣味ではないのだが、成り立ての頃に母に『折角だから可愛い髪形にしなくちゃね』などと強引にさせられてしまったのが始まりだ。
それでも今では割りと気にいっていて、学校の間はそれで通している。しかしながら、やはり本来の好みでもない。
こいつもこいつでツインテールが好み、ってわけでも無いのでデートの時やプライベート(高校生には大げさか)の時はほどいている。
勿論今も。曲がりなりにもデート形式なのだから当然。

「髪型はいつも通りでしょ、服装だって結構手抜いてるし」

そう、今の私の服装は女性用のジーンズと黒のタンクトップに、適当に薄手の上着を羽織っている。
多少首周りに花柄のレースが装飾されているものの、基本的に洒落た格好ではない。
今の服装は男だった時に好んで着ていた服装に似ている。コイツと付き合うようになったから意識するようになっただけ。
基本的に私は(悪い意味で)適当なのだ。

「そうか?お前さ、気合入れてる時に限って普段通りにしようとする癖あるだろ?」
「………え?」
「ハルさ、今じゃそうでもないけど、ちょっと前までスカートとかモロに女物避けてたよな」
「そりゃね。いくら頭では解ってても恥ずかしかったもの。………だから今は手を抜いてるってわかるでしょ?」
「違うな。今じゃすっかり逆になってるだろ?手抜きするなら、ぱぱっと女物着て来るだろ?」
「………さてどうだか」
「すっかり感覚が反対になってるんだろ?わざわざ男ものっぽい服装選ぶのは苦労しただろー」

はい、照れ隠しの嘘があっさりバレました。
……どうなってんの、私とスる前まで表向きは喜んでても、本当は女が苦手だったはずなのに。
どうして

「どうして解るのよ」
「何年付き合ってんだっけか?オレ達」
「友人だった時も含めると十年ね。……ホント、癪。女が苦手だったとはとても思えないわ」
「ソイツはちがうなー。今もまだ苦手だ」
「………アホな事言わないでよ。じゃあどうしてさっさと見抜いちゃったのよ。私の女心?みたいなものをさ」

イマイチ自信が無かったので疑問形。
友人の彼氏には『発症者のパターン』なんて偉そうに解説をした事があるものの、未だにさっき見抜かれた自分の中途半端さには辟易してたりする。
おとなしく可愛い服でも着てくればよかったかなぁ…

「ハルのだからだ」
「…………(ドキッ)」
「オレが女心なんて複雑なもん理解してるわけねーだろ、ハル限定だ、限定。良い意味でも悪い意味でも良く知ってるからな」
「女扱いされてなくて喜んでいいのやら、怒ればいいのやら」
「ハルはハルだ。どっちに偏った扱いしてもハルは満足しないだろう?」
「……そうかもしれないけどさ」
「かもじゃなくてそうなんだよ。オレが言ってんだから間違いない」

そりゃそーだ。そうじゃなきゃ私がここまで良いように扱われてないもの。
心の中でそう納得して惚れ直していると、彼に後ろに回りこまれてベルトに手をかけられていた。

「え、ちょ……いいけどさ。一言確認が欲しい。唐突だとびっくりする」
「拒否しないのな」
「するわけないじゃない。……ぁっ、ちょっ、首筋舐めないでッ!匂い嗅ぐなっ!」

彼は器用にもベルトを外しながら私のうなじに舌を這わす。
性欲旺盛な彼にすっかり開発されている私の体は、たったそれだけで否が応でも感じてしまう。

「お風呂入る前に一戦やらかすつもりなの……?」
「んー……それも勿体無いな。ほれ、バンザーイ」

ベルトを外され、上着を剥ぎ取られ、次にタンクトップの裾を掴まれる。両手を上にあげると、するりとそれを脱がされた。

「……あのさ、こういう時はいっつも脱がすけど、私を脱がすの好きなの?」
「好きだ」



588 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(西日本)[sage saga] 投稿日:2011/06/29(水) 23:46:15.04 ID:iYDU0jovo [4/5]

Q1.つづくんですか?
A1.つづきます

Q2.また寸止めですか?
A2.また寸止めです

Q3.ちくしょー
A3.ざまぁwwwwww

Q4.また長いの?
A4.そんなに長くならない予定です



――――ガラガラガラ
やたらペッティングされながら服を脱がし脱がされ、いよいよもって例のローションを使うお時間と相成りました。
透明なガラスの引き戸で中身が部屋から丸見えのバスルーム。お互いバスタオル一枚で引き戸を開け浴室へ入り、設置されている西洋風のバスタブにお湯を張る。
蛇口を捻るだけでお湯が出るのは楽でいいなぁ……

―――キュッキュッキュッ…ジャ~

「で、その変なのローション、どうやって使うか解るの?」

彼は持参した紙袋からごそごそとローション風呂用の説明書と使用する薬剤?の入った袋を取り出した。

「えーと…『浴槽にお湯(40℃前後)を一般的な浴槽で約1/3まで溜めます』か」
「わ…とと、ちょっと入れすぎてる?」
「どうだろうな?少し位多めでもかまわんだろ」

―――キュッキュッキュッ

「そうね。で、次は?」
「『中身の固形物と液体をしっかりもみほぐして、馴染ませましょう。中身を浴槽全体にまわるように入れます。
※袋の底の沈殿物まで全て入れ、手早くかき混ぜましょう』だとさ」

彼は説明書の通りにぐにぐにと袋の上から揉みほぐす。今は夏場だからいいけども、冬場にコレをやったら風邪を引きそうだ。
………と、ここまで考えて

「あのさ、服脱ぐ前に準備した方がよくなかった?」
「…………そーだな。なんで今まで気付かなかったんだろう」
「……ぷっ」
「ぷははっ、二人そろってなんか間抜けだ」
「だよねぇ」

ある程度中身を揉みほぐすと、袋の中身をダバーっと1/3ほどお湯を張った浴槽に流し込む。

「ほら、ハルもかき混ぜるの手伝ってくれ」
「はいはい」

二人して跪いて浴槽のローションをかき混ぜている図はやたらシュールだ。
かき混ぜている内に浴槽のお湯にとろみがついて来た。両手で少量掬い取って手の甲に塗りつけてみると、ぬめぬめした感触がしっかりと感じられた。

「うわー、うわー、うわー……これすごいね……ぬるっぬるのつるっつる…」
「すげーな……」

お互いにローションの感触を手や腕で確認すると、感嘆の声を漏らす。手に取っただけでこれなのだから、浴槽に入って抱き合うとどうなるかは想像に難くない。
―――ごくり

「ハル、今唾飲み込んだか?」
「……うん」
「オレも飲み込んじまった」
「だよね」
「仕方ないよな……」
「仕方ないよね……」
「浸かる前に……舐めてもらってもいいか?」
「……うん」

彼はバスタブの横側に背を預け、浴室の床にあぐらをかいて座り込む。タオルで隠されていたはずの怒張はすっかりテントを張っていて、自己主張が激しかった。

「ガチガチじゃない」
「……仕方ないだろ」

お互いにタオルを取り払っていざ咥え込もうとしたところで、彼に制止された。

「あ!……ちょっと待ってくれ、ゴムを財布に入れっぱなしだ」
「……ぁむっ」

別に今言わなくても……等と言った反論代わりに、喉奥まで使って勃起している肉棒を一気に咥え込んだ。
牡の強い匂いと味が鼻と口いっぱいに広がる。

「い、いきなり咥えるな……っ!」
「んっ…じゅる……ずずっ…れろっ」
「ひ…っ、こらっ!取りに……いけな……っ…ぅあっ」

根元まで飲み込んで、亀頭と根元までゆっくり往復しながら口の中で陰茎全体に舌を這わし、右手の人差し指と親指でわっかを作って陰茎の根元に添え、口の動きに合わせて陰茎部分を扱く。
一方の左手はと言うと、袋の方をふにふにと優しく揉みしだいた。舐め上げられる度に彼の怒張全体が震え、声を上げて悶えている。
私の口と手から与えられる刺激でまともに立ち上がる事すら出来ないようだ。

「まじ…っ、やめろって……っ!んぁっ!?」
「ずずずっ……ぷはっ…大丈夫、ピル飲んでるから、取ってこなくていいよ」

一旦口から離してそう伝え、今度は浴槽からローションと化したお湯を手で掬って胸の谷間に塗り付けた。

「………初耳だぞ」
「言ってなかったもの」
「じゃあどうして今になって言ったんだ?」
「や、その……だってさ、毎回とーやがリードしてて、でも最初以外しっかりゴムつけててくれて言う暇なかったんだもん」
「いや、それでもだな……まぁいいや、とりあえずゴム取ってく―――るッ?!」

彼が立ち上がろうとしたので彼のふとももを両手で掴み、上半身に体重をかけて彼の股間にのしかかって身動きを止め、怒張を胸に挟み込んだ。

「マジやめ……っ、お、おいっ、今舐められたら……~っ!」

塗り付けたローションのおかげか、つるんと谷間に入った怒張の先端をちろちろと舌でねぶる。
バストサイズはトップ88のアンダー67でEカップ。クラスでもかなり大きい方らしいので肉棒を包み込むくらいは簡単に出来た。
そういや委員長が巨乳派で羨ましがってたっけ…本人は虚乳だからか、それとも男としての性欲が残ってるからか…どちらか定かじゃないけど。
ちなみに私が男の時は貧乳派でした。委員長と好みの胸の大きさで火花を散らした日々が懐かしくも馬鹿らしい。
………もしも、うっかり本人の前でこんな事漏らしたら彼との赤裸々な性生活を学校中にバラされかねないなぁ。

そんな馬鹿げた事を考えながら両手で胸を圧迫し、挟んだイチモツに刺激を与える。勿論上下に胸を動かして陰茎をしごくのも忘れない。潤滑油たるローションのおかげで動きもスムーズだ。
陰茎をしごく谷間にひょっこり顔を出していた亀頭に口付けをし、含んだまま中で唾液を垂らして少しずつ出てきた我慢汁ごと啜り上げた。

「ちゅっちゅっ…ずずっ…」
「まっ…?!ど、どこでそんな……こ……ぅあっ!そ、それヤバイって!?」
「ずずずずっ…ぷぁ……んー。ネトゲで知り合った女性の人から。ローション使わないとこーいうの気持ちよくないらしくてさ」

また亀頭から口を離して返答をした。聞いた話だとローションが必須らしいので今までやる機会がなかったのだ。
……だってさ、ローション買って用意してまで女の方からパイズリしてみたいなんて言ったら退かれそうだったし。

「そんなところでそんな話すんなよッ!……ちょっ、ま、まだ続けるの……かっ?!」
「ぁむ……じゅるっ…じゅるるっ……ずずずずっ」

勿論イかせるまで続けるつもりで、今度は啜りながら尿道口に舌の先端を少し捻じ込む。
陰茎がピクピクと小刻みに震え、射精が近い事を予想させた。

「や、やめろって、もうで……出るっ…!」
「……ちゅぅ…ずずっ…らひへぇ…」
「咥えたまま喋るなっ!離せ……マジ……~~~~っ!」
―――どくんっ…びゅるっびゅるるっ

一際大きく肉棒が震えたかと思ったら、咥えていた亀頭から白濁液が吐き出され、私の口内を犯した。
むせ返るような強い男の匂いと精液の苦味をじっくりと鼻と舌で味わい、射精が終わるまで唇を離さずわざと音を立てて飲み込んだ。
離す瞬間、尿道に残っていたと思われる精液がほんの少しだけ飛び散り、私の顔を汚した。

「んっんっんっ…んぐ……ごくんっ…ぷあっ……いつもよりなんかノドに絡みつくなぁ…濃いっていうんだっけ?こういうの」
「………はぁっ…はぁっ…ハル……エ、エロすぎだろ…」
「仕込んだのはとーやでしょ?」
「いや、そうだけどさ……」
「気持ちよくなかった…?」
「………………気持ちよかったです」
「ふふっ、ならよかった」

彼の様子を確認すると、少しだけ満足げになる。
飛び散った精液を指で掬い取って舐めとり、再び怒張を咥えて尿道に残っていた精液を余さず吸い取った。
その際、左側の後ろ髪が前に垂れて来て邪魔だったので、左手で耳に沿ってかきあげる。

「ンっ…ずずずっ」
「も…もういいって!」

残った精液を吸い取り終わるや否や、彼に頭を引き剥がされてしまった。
首をかしげていると、息の荒い彼がこう応えた。

「……また出しかねないから、しなくていい。……そろそろ入りたい」

恐らく浴槽と私の中の二重の意で言ったのだろう彼は、浴槽の端を背にして腰を下ろし、足を伸ばす。
お掃除フェラで再び勃起させた肉棒が、ぬるっとした透明度の高いお湯の中にあるのがぼんやり見えた。
手招きされた私も恐る恐る浴槽の縁を手で掴んで、転ばないように注意しながら足先から入り、彼の胸板に背を預ける形で腰を下ろす。

「……ぬるぬるする」
「そりゃ、ローション風呂だしな」
「そうなんだけど……髪さ、後ろで括っておけばよかったかな。半分くらい浸かっちゃった」
「かもな。まぁ、手遅れか」
「うん」

彼の両手が私のおへそ辺りに回されて、ゆっくりとお腹や恥丘を撫で回された。
普段と違ってローションのせいか、ひっかかりが全くなく、ぬめぬめと舌を這わされているような感覚がする。

「ハルにもお返ししないとな」
「え?何を――」

それ以上聞くまでもなく、彼の指が私の秘裂をなぞり始めた。
先ほどのフェラですっかり昂ぶっていた私にとって、擦られるだけで背が仰け反ってしまう。

「ひゃんっ?!」
「おっ…良い反の……うわっ!」

仰け反った反動と体中が浸かっているローションのせいでつるっと頭の天辺まで湯船に滑り落ちそうになる。
慌てて彼が腰を掴んで支えてくれたので事無きを得た。

「………ありがと。これ、気持ち良いけどすごい危ない」
「だな……」
「……あのさ、触らなくていいから、もう入れていいよ」
「いいのか?」
「……うん、とーやの舐めてたら濡れちゃったし」
「…………ハル、手加減させないつもりか」
「いっつも最終的には本気になってるじゃない。何を今更……」
「まぁ…そりゃいつもハルが悪い。あ、ゴム――「要らない」

またコンドームを持ってこようとする彼の言葉を遮った。
避妊への意識が高いのは大事にされている証なのだけど、今日は生で彼を感じたい。その為にピルを服用しているのだから。
………と言っても、ピルの服用も母の勧めだったりする。提案された時は彼との関係がバレた事で顔から火が出る勢いだった。
さすが異性化疾患の大先輩、何でもお見通しというわけだ。

「あのなぁ……」
「いいから。大丈夫だから…たまにはとーやのありのままを感じたいの。………駄目?」

少し離れて体を回し、彼の胸に前から抱きついて、上目遣いに懇願してみた。
実を言うと、抱きついた時に既に怒張の上に跨っていて、亀頭を秘裂の入り口に押し付け、拒否しようがしまいが返答を聞いたらこのまま腰を落とすつもりだった。

「………拒否権ねーのに聞くな」
「でも、とーやの答えが聞きたい」
「…………」

彼は私の腰をがしりと掴むと、一気に下へ引き寄せ、肉棒を膣の一番奥まで突き立てた。
いつもなら、私には大きすぎる怒張が膣壁を削り取るかのように抽挿されるのにも関わらず、今の私はローションのせいで、滑り込むかのようにあっさり根元まで咥え込んでしまった。
イチモツの熱さもゴム越しで感じるものよりは遥かに熱い。熱いのにぬるぬると膣壁の至る所を優しく擦り上げ、お腹の中に甘い痺れを生み出した。

「………い、いつもより…す、すご…ぃ…ぃぃっ」
「ハ、ハルの中……熱いな……わり……っ…動けないから、頼む」
「……うん」

浴槽の、しかも張られている液体はお湯ではなくローションなのでかなり動き辛い。
必然的に腰の動きも緩慢になる上に、ローションと化した水の抵抗も馬鹿に出来なかった。
―――ぐちゅっずちゅっ
妙な水音を立てつつも、ゆっくりと腰を上下に動かして膣内を彼の怒張で味わう。

「……ぁんっ…ぁっぁっぁっ……!」

初めての時に感じた生の熱さと激しさを思い出す。
但し、今は熱さだけが先行して、思うように膣内を掻き回して貰えないのがもどかしい。
おまけにローションの纏わりつくぬるっとした感触のせいで怒張が何度も滑って膣から抜けてしまい、その度に手で入れ直すハメになった。
まるで初めて騎乗位でシた時のようだ。あの時も上手くできなくて何度も膣から抜けてしまって、かなりイライラしてしまったのだ。
思い切り動かしたい、掻き回されたい。そういった想いが頭の中を渦巻いて、疼いて疼いてしょうがない。

「とーや…とーやも……うご…ぃて……んっ!ぁふ……これ、うまく……うごけ…なぃ…っ!」

彼は返事代わりに私を抱き寄せ、激しいピストン運動を始めた。
私が動かしている様子を見て勝手を掴んだのだろうか?的確に肉棒が膣内を余すところなく舐り倒す。
――――ずちゅっぬちゅっずぶっ

「ぃっ?!ひぁっ!……ぁっぁっ…ンンっ!ふぁっ!あんっぁっんぅっ!」

やっと欲しかった強烈な快感を受けた私は、思い切り声をあげて彼の腕の中で喘いでいた。
その様子を彼は満足げに見つめている。

「ゃっ!ゃぁっ!…とーやっ!とーやぁっ!」

ローションのぬめりと生の肉棒の熱さと激しく抽挿されている事が重なって、全身が溶け、彼と一つになっているかのような一体感を覚えた。
――――ずぶっ!ずちゅっ!ずぶぶっ!
彼の抽挿が更に速さを増し、限界が近い事を想像させる。
私の方は既に何度も達していて、ぎゅうぎゅうに膣で肉棒を締め付けているのだが、ローションのせいでするりと滑って上手く固定できずにイきたての中を擦られ続けていた。

―――ちゅぅ

急に後頭部に片手を回されたかと思うと、強引に唇を奪われ、舌は勿論の事、歯や歯茎、頬の裏側など口内の全てを舐め尽くされる。
不意打ちに近いディープキスで私は一際大きな波が来そうになる。寸でのところで我慢しきったかと思うと、思い切り腰が押し付けられて子宮口まで肉棒の先端が捻じ込まれた。

「んぅぅぅぅぅぅ?!」

――――ドクッドクンッドクンッドクンッ

子宮をノックされた衝撃で盛大に達してしまうと同時に、締め付けた肉棒が精液を大量に子宮へ注ぎ込む。
肉棒よりも更に熱さを帯びた白濁液が子宮の壁に叩きつけられ、私は頭の中が真っ白になり、全身を蕩けさせた。

「はぁっ……はぁっ………はぁっ…はぁっ」

長い射精を全てお腹の中で受け止めきると、私はぴくぴくと震えて動けなくなった。
……おまけに達した余波で全身の筋肉が弛緩してしまい、潮とは思えない体液をローション風呂の中に漏らしてしまっていた。
水というかローションの中に漏らしてしまったので、音が立たなかったのが不幸中の幸いか。

「……ごめ…ん……も、もら…した………かも」
「……気持ちよかったか?」
「………よすぎてどーにかなりそ……」
「オレもだ……」

暫く繋がったまま抱き合って余韻を楽しんだ。
……まぁ、たまにはこういうのも悪くないかな。うん。



――――――
――――
――


十分に余韻に浸った後、全身に絡みついたローションをシャワーで洗い流してから、後始末に取り掛かった。

「これ、このまま流して良いの?」
「駄目っぽかったな。ちょっとまってくれ」

浴室の端っこに置かれていたローションの入っていた紙袋から、小さな紙切れと何か粉の入った袋を取り出した。
紙切れの方は説明書だろう。もう片方の小さい袋はなんだろうか?

「えーと…『溶解剤1袋(80g)を全体に入れ、よく混ぜます』とさ」
「溶解剤って、それ?」
「みたいだな」

―――さらさらさら

「入れたらどうなるの?」
「お湯に戻るみたいだな」
「じゃあこのまま捨てちゃえばいいのね?」
「いや、待て、急ぎすぎだ」
「え?だめなの?」
「15分から20分くらい待ってから排水しろってさ」

ぴらぴらと説明書をはためかせながら、彼はそう言った。
………15~20分か……や、でもシたばっかりだし、そんな、私から誘うのも、ちょっと……
顔を見られないように俯いてそんなことを考えていると、いつの間にか背中から抱きしめられていた。

「……なぁ、思わず中に出しちゃったけどさ、万が一の時は責任取るから」
「え?」
「……いやまぁ、オレみたいなガキが言っても説得力ないけどさ」
「そんな事ないよ。とーやじゃなきゃやだ。でもさ、ピル飲んでるから大丈夫だってば」
「あのなぁ……つーかいつから飲んでんだ?飲んですぐ効く薬じゃないだろ?」
「えっと…5月中旬くらいから飲んでるから平気」
「……そんな前からか」
「うん。それにさ、私はちゃんと、とーやが大切にしてくれてるって解ってる」
「そっか。あー…………あとさ、待つ間もう一回……良いか?」
「…………………ぅん」

結局、溶解剤とやらが効果を発揮するまで待つ間どころか、休憩時間の大半を様々な体位で絡み合い、体の隅々まで彼に犯される事となった。
あ、勿論望んで犯されたというか、受け入れているというか……愛し合ったとかのが良いのかな。……でもまだ子供だしなぁ。
……はぁ、それにしても今日の私は乱れ過ぎだ。友人にでもバレたら折角作り上げた私のイメージがぶち壊しですよ。
まぁ、ラブホなんかでバッタリ出会うなんて有り得ないだろうけどさ。

「チェックアウト5分前だってさ」
「はーい。うん、これでいいかな」

その後、二人とも汗や精液に愛液などの混ざり合ったものを綺麗に洗い流し、手早く身なりを整えた。
最後に手鏡で確認しながら携帯用の櫛で髪型を整え、いそいそと二人で部屋を後にする。

―――ガチャッ
―――ガチャッ

「「「「………え?」」」」
「白詰…と、彼氏か?」「……ナオ、と…鈴城君?!」
「やっぱり風見くんだ!ほら、ボクの言ったとおり」「……マジだ」

うん、フラグ回収乙でした。
早い、早いよ!
おかしいですよ!白詰さん!?
Know thyself (汝を知れ ※自分自身を見失うな。という意味のことわざ)
Walls have ears (壁に耳あり ※障子に目あり)

などと脳内議会も大パニックだ。


「アレどうだった?氷山くん」
「ああ、アレすごかったぞ。お前らはどうだった?」
「うん、ボクらもかなり、ね~?」
「~~~~~っ!」

何故そこでナオよりも鈴城君が赤面するのか不思議だ。いや、そんな事よりもまさか…いやいや、馬鹿な。
私の予想が間違っている事を祈りながら、恐る恐る偶然居合わせたノースリーブで白のワンピースを着たクラスメイトの女の子に尋ねた。

「………まさかローション風呂って――」
「うん?ボクが氷山くんに教えたんだけど、よくなかった?」

………………………
一瞬、先ほどとは違う意味で頭の中が真っ白になった。

「それにしてもさぁ、風見くんってシてる時の声おっきいんだね~。隣のボクらの部屋まで響いちゃってさ~」
「………だったな」
「ま~、そのおかげでボクらも盛り上がっちゃったんだけど。てへっ♪」
「い………」
「い?」
「いやぁぁあああああああああああああっ?!」

頭にかぁっと血が上り、火を噴出しそうになる。頭を両手で抱え込んで、折角整えた髪が乱れるのも構わず、頭を左右に激しく振った。
取り乱した私を見たとーやが後ろから抱きしめて頭を撫でてある程度落ち着かせてくれた。……ありがと。

「や~、でも偶然居合わせるなんて運がいいねぇ~」
「そうだな。教えてくれてサンキューな。マジ良かった」

とーやが私を抱きしめたまま、ナオと例のローション風呂について談笑している。
対する私は先ほどよりは幾分か落ち着いたものの、彼の腕の中で縮こまって耳まで真っ赤にして赤面中。
そして私と同じように赤面しながらナオの隣に立っている鈴城君。
…えっと、対比するなら普通、私とナオ それに とーやと鈴城君、ではないだろうか?

どうして私と対になってるのが鈴城君で、とーやと対になってるのがナオなのか問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。

「……なんでナオは平気な顔してるのよ」
「ハルこそ何言ってんだ。昔の白詰ってこんな感じじゃなかったか?」
「……そうだっけ?」

ナオも私と同じように異性化疾患の発症者だ。それに加えて中学時代からの友人。
……なので、とーやに言われた通りに昔の記憶を掘り起こす。
昔と言っても1~2年前くらいで十分だけど。

「……………確かにとんでもないエロ小僧だった。しかもあけっぴろげの」
「だろ?」
「うん♪」

おい、馬鹿やめろ、この会話は早くも終了ですね。
っていうかそんな可愛い笑顔で『うん♪』とか言って肯定するなっ!
学園祭前までの花も恥じらう恋する乙女は何処に行った!?天国ですかっ!?親父ギャグかっ!!
全く……これじゃ私の方が恥ずかしいし、ナオの彼氏も困ってるじゃない……

結局この後、ナオ達とWデートと相成りました。まさかこんな形で行う事になるとは夢にも…
しかも意外と楽しかったのが癪だ。但し、休日明けの学校でバツが悪かったのは言うまでもない。


おしまい



605 名前:以下、VIPにかわりましてパー速民がお送りします(西日本)[sage saga] 投稿日:2011/06/30(木) 19:53:13.06 ID:jlqtGr7xo [7/7]
あとがき
Q1.本お題中の時期は?
A1.7月中旬

Q2.キャラや世界観は>>57のお題『ボク初』の流用?
A2.yes
ガチエロで新規キャラは難しすぎたので番外編みたいな形にしました。
とは言え、これ単品でも読めるように仕上げたつもりでもあります。

Q3.今回の主人公二人の名前は?
A3.
風見 春
氷山 冬弥

Q4.エロくないor(and)おもしろくない
Q4.すみません……

Q5.校正はした?
A5.
校正どころか推敲も余りせずに勢いだけです。
誤字脱字稚拙表現間違いは脳内変換をお願いします

Q6.
>>590
>職場でパンツ脱いだ漏れに謝れwwwwww
A6.
しょwwwくwwwばwwwwwwざまぁwwwwww
いや、マジで自宅で読みましょうよ。自宅で。

Q7.
>>591
>うぉぅ、とーや君が予想以上にヘンタイだ
A7.仮にヘンタイだとしてもヘンタイと言う名の紳士だよ!

Q8.鬼畜安価ざまぁww
A8.ちくしょー


お粗末様でした。

ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおお!!(ノд`)


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2011年07月04日 03:25
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。