安価『停電の夜』

「ねみぃ」
「寝るな!仲間を見捨てる気か?!」
「……只のゲームじゃねーか。ミラなんたらくらい一人で倒せ」
「つれねぇなぁ。もっと盛り上がろうぜ。夜はこれからだっ!」
「折角の休みに男同士で何を盛り上がれっつーんだ。盛り下がる一方だっつの……先寝るわ」
「いや、お前今は女だからな。ったく仕方ねぇな……ここは俺様のガンランスの出番か。最強の矛と盾、竜撃砲バンザイ!!」
「体は女でも心は男だっつーの。つーかお前、今日も俺んち泊まるのか?」
「帰ってもどうせ一人だしなぁ……だー、こう、どっかに甲斐甲斐しく世話焼いてくれる女の子いねーもんかなー」
「暑っ苦しい工学部に来といて寝言をほざくな。そして俺をチラチラ見るな。キメーよ」
「くくくっwwwしっかし傑作だったなぁ、合コン中に発症しちまうなんてよ」
「うるせー!リア充の貴様に童貞の何がわかるってんだよォオオオ!!」
「いや、今のお前処女だから、童貞じゃなくなってるから」
「うるせー、考えないようにしてる事をイチイチ口に出すなッ!」
「だがなぁ、童貞と違って処女はある種ステータスなんだぞ、誇っていいぞ」
「だぁ…ッ!それセクハラだっ!……あー、サークルの連中のヤらせろオーラを思い出しちまったじゃねーか」
「男扱いしろと言うくせにセクハラもカウントされるのか、都合のいい奴め」
「今の俺は複雑なんだよ」
「へーへー。はぁ……その割に危機感もねーし、ほんっと危なっかしい奴だ」
「は?危機感?何のはな――」

―――ゴロゴロゴロ…ピシャーン

「ひぁっ?!」
「やばい!紫電の槍(ライトニングスピア)だ!!」
「………お前はヴァナに帰れ」
「おう、抱きついてるてめー様が離れてくれたらな」
「……だって怖い…んだもん」

―――ピシャーン

「おおぅ…今度は近かったな」
「ひぃっ?!!!」
「はぁ……マジで離れろって、昨日までこの程度の雷怖がってなかっただろうが」
「……そうだけど、今は怖いんだからしょうがないだろ」


――ブツン

「真っ暗になったな」
「ぇうっ?!」
「停電か。ブレーカー何処だ?」
「げ、玄関の上………」
「ブレーカー上げてくる。でだ、離してくれないと動けないんだが」
「……怖い」
「あのな…」
「…………怖い」
「……だーァッ!解った、お前も来い」
「………(こくり)」

――カチリ

「はァ……俺の自制心に感謝してくれねーか。ブレーカー上げた代わりに俺の理性が落ちそうになったっつの」
「…………ごめん」
「てめー様の巨乳は俺にとっちゃラージャンの怒りビームより危険な代物だっつーのに、惜しげもなく押し付けてくんなよ」
「…………」
「でだ、雷も収まったし、電気も付けた。早く離れろ」
「…………」
「あのなー……俺も男なんだからホイホイ部屋にあげたり、くっついたりすんなって。大変なのは解るが……下手すると食い物にされんぞ」
「……じゃあお前が守ってくれ。その代わり好きにしていいから」
「おまっ……?!意味解ってんのか!?」
「………女慣れしてるし、今彼女居ないって昨日聞いたし、昔からよく知ってるし」
「本気かよ……」
「どうせ男にめちゃくちゃにされるのなら、お前がいい………」
「駄目だ、俺ァ本気になる相手にしかそんなことしねーし」
「…………(じーっ)」
「ぅ……目を潤ませるな、しなだれるな、凶器を密着させるなぁああああ!」
「ひっ………俺みたいなのはやっぱり好みじゃないのか?」
「……そッそういうわけじゃねーけど」
「ならいいじゃん……据え膳食わぬは男の恥だぞ」
「ちくしょう………後悔しても知らねーぞ……」
「……するわけないじゃん。お前が女には優しいって良く知ってるし」
「………はァ、参った。降参だ。リクエストはあるか?」
「……できれば優しくシてほしい」
「仰せのままに、お姫様」


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最終更新:2011年07月04日 03:37
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