安価『懐中電灯』

「えーっと、ごめんください?」
「あ、男クンいらっしゃーい、ロック外したから入って来れるよー」
「おぉう、カメラ付きインターホンか……おじゃまするぜー」

「うーん……やっぱ自家発電装置が組まれてるようなマンションって、色んな家具がハイテクなんだなー」キョロキョロ
「オール家電マンションなんて、みんなこうだと思うよ?」
「そうなんか?あー……ちなみにお家賃はおいくら万円なんだ?」
「いちまんえん」
「……うそん!?」
「ホントはもっとすると思うよー?
 よく分かんないんだけど、女体化した子を支援する団体からお金が出てるから大丈夫みたい」
「はー……時代は女体化優遇なんだな」

「男クンも女体化しちゃう?」
「いやぁ……まだ迷ってるんだよね」
「いっぱい迷って悔いのない判断した方がいいと思う」
「……そうだな」
「え、えっと、ゴメンネしんみりしちゃう話して……
 ホラホラ、計画停電中でも自家発電のおかげでクーラー使えるんだよ?
 外暑かったでしょー?涼んでって?ね?」
「おぉう、天国キタ!メイン目的キタ!さんきゅーな♪」
「ボク何にもしてないけど、どういたしましてー♪」

「はー……楽園だー……」ゴローン
「男くん、今日どうする?晩ご飯食べてくなら御馳走するよー?」
「御馳走!?いや、停電が21:00までだから、
 それまでお邪魔しようとは思ったけど、さすがに晩メシは悪いよ」
「むー……カレーにしようと思っていたから、食べて行ってくれると助かるんだけど」
「カレー?」
「うん……カレーってね、一人だけだとなかなか作る機会が無いんだぁ
 だから、男クンがカレー食べてくれるとボク助かっちゃう」
「助かっちゃう、のか?」
「うん」
「そ、そか、助けになるなら……御馳走になろうかな!」
「おっけー♪」

(……おぃおぃ、元親友同士とはいえ今は男と女なんだぜ?
 一人暮らしの家に無防備に上げたうえに、夕飯御馳走って……俺、ひょっとして誘われてる?
 いや、ねぇな、アイツ天然だもんな)

パチン!キュウゥー……ンン

「うぉ!?」
「え?え?停電!?だって、自家発電が……」
「にょた!大丈夫か!?」
「えっとえっとお鍋の火!は電気が止まれば大丈夫だし……水!も止めてあったし……た、たぶん平気かもー?」
「そっか……しかし照明も何もかも落ちたみたいだな、例の自家発電装置に何かあったのかもしれないが……
 にょた、何か電池式の明かりとかないか?ケータイの画面をライト代わりにするには正直充電量がマズイ」
「あ……そ、そっか、携帯電話……」ペカー
「にょたー?懐中電灯みたいの無いのかー?」
「えとえとえと……そうだ、玄関のトコに緊急用のペンライトが備え付けられてたはず!」
「おし、じゃぁ俺が取ってくるからにょたは大人しくしてろよ?」
「う、うん……」

「えーと、ペンライトペンライト……あの壁に備え付けられてるのがそうか?」
「んー……この金具を引っ張って……と、よし取れた!えーとスイッチは……」カチッ θ゙゙ ブルブルブル
「ちょっ!?」
「コイツはペンライトに模したアレ……だよな……」
「……」

「あ、男クンおかえりなさい」
「……」
「男クンが居てくれてよかったよー、ボク一人だったら慌てちゃって大変だったと思う」
「……」
「とっても感謝してるんだよ?ありがとぉ」にこー
「……」
「……男クン、どしたの?ボク、怒らせるようなコト言っちゃった……?」
「……取って来た」
「あ、懐中電灯だね!ありが」θ゙゙ ブルブルブル
「えええええ!?!?」
「……」
「これってこれってあのあれだよね?な、なんでこんなのがウチに!?」
「……にょた」
「ひゃい!?」
「俺さ、もう晩御飯いらないわ……その代わり、別の物を御馳走してくれよ」ひょいっ
「!?!?」
「にょたがソコまで俺の事考えてくれてるなら……俺も覚悟決めるよ、だから……な」ちゅっ
「んッ!?……ふぁ……」
「俺はその、初めてでアレかもしれないけど……コイツも居ることだし、期待してくれ」θ゙゙ ブルブルブル
「え、えっとえっと……なんでこうなったかよく分かんないけど、ふつつか者ですがよろしくお願いしますっ」
θ゙゙ ブルブルブル


「作者が展開に困ると現れるのが、そういう事に協力を惜しまない我々にょた研究会だ」
「ふふふ、本物のペンライト型懐中電灯は回収ずみなのです」
「すりかえておいたのサ!」ドヤッ


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最終更新:2011年09月22日 11:47
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