『ユニゾン~ココロかさねて~』2

~数日後の朝・辰哉宅前~

辰「最近眠れねーな・・・」
狼♀「辰哉さ~ん、迎えに来たですよ~♪」
辰「!!?」
狼♀「?辰哉さんどうしたですか~?お顔が変ですよ~?」
辰「い、いや、変なのはお前だろうが・・・根本的に」
狼♀「うえ~!酷いです~辰哉さ~ん!」
辰「・・・;」
祈「泣かしたwwwwwwww」
辰「うるせーよオメー遅刻しないうちに早く行け!中学校に!義務教育を受けて来い!」
祈「なんだとコラ厨房扱いすんな!行って来まーす」
辰「おう行け行け馬鹿娘!」
狼♀「えへ~。じゃあ私たちも行きましょうか~」
辰「・・・;」

狼♀「辰哉さ~ん、今日のお昼休みは一緒にお弁当食べましょうね~。私辰哉さんの分も作ってきたんですよ~♪(ベタベタ」
辰「え?あ、ああ・・・」
狼♀「辰哉さん今日はどうしたですか~?やっぱりお顔が変ですよ~?」
辰「そ、そうか?そうかな・・・」
狼♀「変ですよ~!でも大丈夫ですよ~♪私のお弁当食べたら幸せなお顔になりますよ~♪♪」
辰「そ、そう・・・そうだね・・・ん?あれは・・・」

辰「お前・・・」
狼♂「ケッ・・・なんだよ」
辰「学校・・・今日も行かないのか?」
狼♂「あ?行くわけねーだろ。俺様は自由を手に入れたんだからな!がーっはっはっは!!」
辰「・・・これから何処行くんだ?」
狼♂「あ?まあ、パチンコだな。ここしばらく行ってなかったからよ。取り返さねーとな」
辰「狼子・・・行こうよ、学校」
狼♂「あ?うっせーよ。行ったってどうせ俺の席はねーだろ。そいつが居るんだからよ」
狼♀「え~?私ですか~?」
辰「それは・・・」
狼♂「・・・なんだそのツラはよ。・・・オメーにはそいつがいんだろ。俺のことはほっとけよ。じゃあな」
辰「・・・」



~教室~

辰「・・・ハァ」
川合「大変そうだな」
辰「え?何が?」
川「・・・なんでもないよ」
高岡「いつも以上に見せ付けてくれちゃってよう若旦那さんよー俺のようなモテない君には殺生なもんだぜチクショウよー」
辰「・・・;」
狼♀「辰哉さーん、お昼休みですよー♪迎えに来たですよー♪♪」
辰「あ、ああ・・・;」
高「殺生なもんだなあああああああああああああああおいいいいいいいいいいいいいいいい」
川「オサム。メッ。じゃ、頑張って来いや」
辰「・・・行ってきます」



~屋上~

狼♀「今日は辰哉さんの好きな鶏のから揚げも入ってるんですよ~。いっぱい食べてくださいね~」
辰「・・・ああ。ありがとう。・・・いただきます」
狼♀「召し上がれ~」
辰「・・・うまい」
狼♀「よかったです~♪今日は早起きして作ってきたんですよ~♪」
辰「そっか・・・うん、うまいよ」
狼♀「明日はもっとおいしいお弁当作ってきますからね~♪」
辰「・・・うん。ありがとう」
狼♀「ほらほら食べさせてあげますよ~。あ~ん♪」
辰「・・・閃いた!」
狼♀「え?はわっ!?何お尻触ってるですか!!」
辰「いや~、弁当作ってもらったお礼っていうか、ね~」
狼♀「も~!ダメですよ~!減っちゃったらどうするですか~!」
辰「フヒヒwww・・・?」
狼♀「もう!でも、辰哉さんならいっか~♪も一個触ってみますか~?」
辰「え?・・・あ・・・いや、その・・・ごめん・・・」
狼♀「あれー?急に謝るなんて変な辰哉さんですねー」

 ・・・・・なんだろう・・・・・この感じ・・・・・

 ・・・・・こいつは笑ってるのに・・・・・こんなに近くにいるのに・・・・・

 ・・・・・なんだか・・・・・

狼♀「・・・」



~放課後・帰路~

 キーン コーン カーン コーン ・・・

狼♀「辰哉さん、次のお休みは何か予定ありますか?」
辰「ん?何も無いよ」
狼♀「じゃあ私と一緒にお出かけしましょうよ~♪私乗り物酔い治ったんですよ~♪どこまででも行けるですよ~♪♪」
辰「・・・」

 ・・・ま、はっきりしないことなんか、気にしたって仕方が無いか。

辰「・・・うん。よし!じゃあ狼子はどこに行きたい?」
狼♀「そうですね~、じゃあ私は、」
辰「・・・ん?」

狼♂「・・・ケッ。またお前かよ・・・」
辰「・・・今、帰るとこか?」
狼♂「まあな」
辰「・・・どこに?」
狼♂「・・・うるせーな。何処だっていいだろ?気色悪りーヤローだな」
辰「・・・お前、家に帰ってないのか?」
狼♂「・・・うっせーな。俺は自由になったんだぜ?どうしてあんな家に帰らなけりゃあなんねーんだよ」
辰「・・・じゃあお前、どこで・・・」
狼♂「・・・俺のことはほっとけや。ウザいんだよお前」
辰「・・・」
狼♂「・・・う」
辰「・・・?狼子?」

 ・・・ ドサッ

辰「・・・どうした!?おい!おい!しっかりしろ!」
狼♂「う・・・」
狼♀「・・・」



~学校・保健室~

狼♂「すー・・・すー・・・」
先生「・・・ただの立ちくらみみたいね」
辰「ほっ・・・」
先「・・・彼、この学校の生徒?」
辰「え?あ、その・・・」
先「・・・脈も落ちてるし、体温も低めだし、体力が随分落ちてるみたいだけど、彼、ちゃんと食べてるの?」
辰「それは・・・正直、わからないんです・・・」
先「そう・・・」
辰「・・・」
先「・・・彼のことは、しばらくここで寝かせておくことにするわ。あとで家まで送っていくから」
辰「はい・・・」
狼♀「・・・」



~その後・昇降口~

辰「・・・」
狼♀「・・・」
辰「・・・ダメだ」
狼♀「・・・え?」
辰「・・・ごめん、俺やっぱり、あいつが目を覚ますまで残ってるよ」
狼♀「・・・どうしてですか」
辰「・・・やっぱり、心配だから」
狼♀「・・・辰哉さん、最近、笑ってくれないですよね」
辰「・・・え?」
狼♀「いつも、なんだか、一緒に居るのに、ずっと遠くを見てて・・・」
辰「・・・そんなことないよ」
狼♀「・・・あの人のせいなんですか?」
辰「・・・」
狼♀「私、やっとちゃんとした女の子になれたんですよ?辰哉さんの事噛んだりもしないんですよ?」

 ・・・・・目の前にいるのに・・・・・

狼♀「お弁当だって毎日ちゃんと早起きして作るし・・・悪い言葉遣いだって、もうしないし・・・」

 ・・・・・すぐそばにいるのに・・・・・

狼♀「・・・だから・・・だから・・・あんな人、もういらないじゃないですか・・・」
辰「狼子・・・」
狼♀「どうしてなんですか・・・?・・・どうして・・・?」
辰「・・・」

 ・・・・・・・・・・遠い・・・・・・・・・・



~数時間後・保健室前~

先「・・・本当に、一人で大丈夫?」
狼♂「はい・・・お世話になりました」
辰「狼子」
狼♂「・・・なんだよ。お前もいたのかよ」
辰「その、よければ今日は俺の家に・・・」
狼♂「・・・そういうのいらねーって言ったろ?」
辰「・・・」
狼♂「もうウ、・・・ウンザリなんだよ、お前の辛気臭せーツラには」
辰「・・・狼子・・・」
狼♂「・・・お前にはあいつがいんだろ。・・・そいつのことだけ考えてろよ」
辰「・・・」
狼♂「・・・じゃあな」

辰「・・・」

辰「・・・?」

辰「お、おい!待て!」

狼♂「・・・ああ!?まだなんかあんのかよ!?うるせーな」

辰「お前・・・影が・・・」

 ・・・消えてる。

狼♂「あ?なんだよ・・・そんなことかよ」
辰「どうしてだ!?さっきまで、あったのに・・・」
狼♂「知らねーよ!・・・ま、このまま影みたいに消えられたら楽でしゃーねーぜ。じゃあな」
辰「あ、おい!待てよ!!おい!!」





~翌日・図書室~

刹那「・・・」
辰「・・・うおっ!?せ、刹那ちゃん!?気配を消して背後に立たないでくれって何度も言ってるじゃないか!」
刹「!黙れ。殺すぞ」
辰「・・・」
刹「・・・違う」
辰「・・・?」
刹「・・・何調べてる・・・?」
辰「え?あ、いや、この前のさ、女体化に伴ってあんな分裂が、起こったりするもんなのかなー、って・・・」
刹「・・・」

?「お、いたいた。お~い!」

辰「・・・?」
刹「・・・?」
?「ぃよう!ひっさしぶりだなー君!狼子のことも探したんだけど、今日休んでるみたいでさー」
辰「え?え?え??」
刹「・・・」
?「なんだよー、あたしの顔を見忘れたってのー?冷たいねー君は。彼女以外の顔は覚えられませんってかー?」
辰「え?・・・友ちゃん!?え?キミ、沖縄の学校に転校したんじゃ・・・」
友「うん。だから、また転校してきた」
辰「え?え??えぇえ!?」
友「言ってなかったっけ?沖縄行きは親父の会社の新しく出来た支社が落ち着くまでのことだって」
辰「き、聞いてない・・・」
友「そうだった?まあまあ!こうして帰って来たんだから、結果オーライじゃないですか辰哉お兄さん!」
辰「う、うん、わかんないけど・・・しかし、短い間の事ってわかってたならなんで君までお父さんについて沖縄に・・・?」
友「ん、沖縄行ってみたかったし。楽しいバカンスだったよ~、この半年間。ちんすこうとか買って来たけど食べるでしょ?」
辰「・・・」
刹「・・・誰」
辰「え?ああ、ごめんごめん。この娘は、狼子の友達で、友ちゃん。それはそうと友ちゃん、沖縄キャラはどうしたの・・・?」
友「ああ、あれ?不評だったからやめた。まあこれからは、今までいなかった姉御キャラっていうかね、そういうの目指す」
辰「・・・」
友「そして?」
辰「あ、ああ、こっちは・・・最近転校してきた狼子の子分・・・いや、友達、の、刹那ちゃん」
友「そっかそっか!よろしくー☆」
刹「!黙れ。殺すぞ」
友「・・・」
辰「す、すまん、その子シャイだから・・・」
友「・・・」
辰「すみません・・・」
友「・・・で、そういえばさ、今日は狼子どうしたの?風邪?」
辰「いや・・・多分、俺のせいなんだ」
友「え?ど、どういうこと?」

友「なるほど・・・狼子が二人に・・・で、なんか最近擦れ違いがちだと」
辰「・・・もう、どうしたらいいかわからないんだ・・・」
友「そういうのなら、詳しい人がいるじゃん!」
辰「え?」
友「この学校にさ!」



~保健室~

先生「・・・来ると思ってたわ」
友「ほらね?」
辰「・・・」
先「・・・月島さん(狼子)なんでしょ?あの男の子」
辰「・・・気付いてたんですか」
先「・・・あの子、影が無くなってたわね」
辰「あいつ、どうにかなっちゃうんでしょうか?もう、どうしたらいいか・・・」
先「・・・私の専門は、身体と心です。でも月島さんの場合は、身体は身体でも、私のわかる範疇じゃないわ」
辰「・・・」
先「・・・ハァ。ちょっと気が進まないけど、あの人に頼った方がいいかしらね」
辰「・・・あの人?」
先「・・・じゃあみんな、放課後、職員用駐車場に集合」
辰「え、先生・・・」
先「・・・授業が終わったらお出かけよ。ほら、もうすぐチャイムが鳴るわよ。教室に戻りなさい」

 だからあの人って誰だよ!?
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・つづく。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年07月16日 03:20
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。