安価『握手』

「ダァア~~~」
手を伸ばすと、赤ん坊はこちらの指を握りしめる。
小さな握手。
赤ん坊は、ひとりで生きていけないから。
だからこうして、どんな手でもこうして握りしめる。
頼ろうとする。
でも、ひとりでは生きていけないのは、本当に赤ん坊だけなんだろうか?
「ほら、行くよ」
ベビーカーに屈み込んでいるこちらに、あいつが手を延べる。
遠慮がちにその手を握りしめると、あいつはそのまま力を込めて立ち上がらせてくれた。
ゴツゴツした手。
少し前までは、自分もこんな手をしていたんだということをしみじみと思い出す。
「…どした?」
「…え?」
あいつの手を握り締めたままじっと見つめていた事に気付き、慌てて放す。
「え?ど、どうしたんだ?」
「あ?いや、その…なんでもないよ」
首を傾げながら歩き出すあいつの後に続く。
ふと思い付いて、後ろからこっそり近寄り、その手をぱっと取った。
「え?え?//////」
「…いいから」
赤ん坊は頼る相手を選べないけど…
赤ん坊じゃない自分は、こうして一番頼りに出来る奴を選べる。
ひとりでは生きていけなくても…
隣に信じられる誰かがいれば。
きっといくらでも強くなれるはずだから。

遅ればせながら安価「握手」でした。改行おかしかったらごめんね
〓(うДT)〓

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最終更新:2008年07月21日 01:36
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