『雨と涙』
サァーーー…
辰「・・・」
ピーンポーン……バタバタバタ……ガチャッ!
狼「あれ?辰哉?お前が黙って来るなんて珍しいな!どうした?・・・びしょぬれじゃないか!何やってんだ!?」
辰「・・・ん、まあちょっと。タオル借りていいかな?」
狼「え?う、うん、いいけど・・・上がれよ」
~居間~
チーン…
狼「よし出来た!ほら辰哉、これ飲め」
辰「・・・ん、わり」
狼「・・・」
辰「・・・」
狼「どうした?いつもニヤニヤしてる辰哉さんがそんなどんよりしてるなんて珍しいな」
辰「・・・ん、・・・ちょっとね」
狼「・・・」
辰「・・・」
狼「・・・(スクッ)・・・(ギュ」
辰「・・・ん・・・狼子・・・」
狼「・・・言えないの?」
辰「・・・ごめん・・・」
狼「・・・いいよ・・・じゃあずっとこうしてる」
辰「・・・ごめん・・・」
狼「・・・謝るなよ・・・」
辰「・・・ごめ・・・いや・・・・・・・・・・ちょっと今日・・・甘えさせてもらう・・・」
狼「・・・いいよ・・・」
『雨上がり~雨と涙・続き~』
狼「・・・」
辰「・・・ぐすっ・・・」
狼「あ・・・雨、上がったね」
辰「・・・あ・・・ほんとだ」
狼「・・・」
辰「・・・」
狼「・・・今日は・・・どうするの・・・?」
辰「ん・・・」
狼「・・・」
辰「・・・」
狼「・・・」
辰「・・・うん、今日は帰るよ」
狼「・・・」
辰「・・・」
狼「・・・」
辰「・・・晩飯くらい、食っていこうかな」
狼「・・・手伝ってよね」
辰「・・・うん」
以下略
『夜の霧雨~雨と涙・続きの続き~』
辰「ふ~・・・腹いっぱい。もう食えないや」
狼「えへへ・・・じゃ、片付けようか」
辰「ん、おう」
辰「・・・(バシャバシャ…」
狼「・・・(ガシャガシャ…ピト」
辰「!・・・(バシャバシャ…」
狼「・・・(バシャバシャ…」
『・・・列島は・・・圧に覆わ・・・・・・は全国・・・れる模様・・・』
辰「・・・そろそろ帰ろうかな」
狼「・・・うん」
狼「・・・雨、また降ってきたね」
辰「・・・霧雨だし、歩いて帰れるよ」
狼「・・・俺が貸した服、濡らして返すんだ」
辰「・・・傘、借りてっていいかな」
狼「・・・だめ」
辰「・・・」
狼「・・・泊まってけばいいだろ」
辰「・・・じゃ、家に電話入れとく」
『夜の霧雨2~雨と涙・続きの続き~』
サァーーー…
狼「・・・」
辰「・・・」
狼「・・・お風呂、沸いてるよ」
辰「・・・おう・・・・・・・・・じゃ、お先に・・・」
狼「・・・うん」
ジャーーー…
辰「・・・雨被ったから頭ベタベタだな・・・」
狼「(ガチャッ)・・・(バタン」
辰「・・・え?え?/////」
狼「えへへ・・・背中流したげる」
辰「え?あ?う、うん・・・/////」
ジャーーー…
狼「(ゴシゴシ…)・・・気持ちいい?」
辰「・・・お、おう・・・」
狼「えへへ・・・(ピト」
辰「!!///////・・・その・・・胸・・・///////」
狼「・・・動いたら噛むよ」
辰「・・・」
『夜の霧雨3~雨と涙・続きの続き~』
チャプ…
狼「ふ~・・・」
辰「・・・」
狼「・・・あったかいよ。辰哉もおいでよ」
辰「・・・お、おう・・・(チャプ…」
狼「・・・」
辰「・・・」
狼「・・・おっきくなってるね」
辰「ちょっ・・・////////・・・や、やめろよ・・・////////」
狼「えへへ・・・たつや(ピト」
辰「ろっ・・・狼子・・・?」
狼「・・・逃げたらやだ」
辰「・・・」
狼「・・・」
辰「・・・」
狼「・・・やっと弱いとこ見せてくれたね」
辰「・・・」
狼「・・・うれしかった。いつも頼ってばっかだったから・・・助けになれてよかった」
辰「・・・」
狼「・・・一緒にいるんだから、もっと頼ってよね・・・」
辰「・・・うん・・・・・・・・ありがとう」
狼「えへへ・・・」
辰「・・・」
狼「・・・」
辰「・・・しばらく、こうしてていいか?」
狼「・・・いいよ・・・」
『祈美の憂鬱』
ガチャッ・・・
辰「おかえり」
祈「・・・ただいまんこ・・・」
辰「・・・」
祈「・・・(トントントン…バタン」
辰「・・・?」
祈「あーあ・・・」
祈「・・・(なーんか寂しくなってくるよなー・・・)」
祈「・・・(焦るような歳でもないけどさ・・・大体14だしなー・・・)」
祈「・・・(あーあ・・・人の背中叩いてる暇があれば自分の方なんとかしろっての・・・)」
祈「・・・(損な性格だよね~・・・)・・・ハァ」
ぬこ「にゃ?」
祈「・・・おっ。奇遇じゃ~ん、キミもひとり?」
ぬ「にゃ」
祈「なんだよなんだよキミは~。か~わいいな~♪」
ぬ「にゃ」
祈「なに?もふもふしてもらいたいって?仕方ないな~」
ぬ「にゃあん」
祈「ほ~れ♪もふもふ~」
ぬ「にゃー」
祈「・・・・・・・・・女は度胸、なんでもやってみるもの・・・か」
祈「・・・」
祈「・・・・・・」
祈「・・・・・・・・・許さない」
ぬ「にゃ?」
『お眠モード~雨と涙・最後~』
辰「う~・・・のぼせちまった・・・」
狼「えへへ・・・ふらふらする」
辰「・・・あ、そうだ狼子」
狼「なに?」
辰「頭、乾かすよ。そこ座ってよ」
狼「えへへ、うん」
ブーン…
辰「・・・っと(カチッ)よし。終わったぞ」
狼「えへへ・・・ありがと。上手だね」
辰「ん?そうかな・・・いつも祈美にやらされてるからかな」
狼「やってあげるんだ」
辰「うん」
狼「えへへ、じゃあ今日辰哉は俺の」
辰「う・・・うん・・・ろ、狼子だって俺のだぞ?」
狼「えへへ・・・じゃあ今日は辰哉のになってあげる」
辰「・・・/////」
辰「う、ちょっとベッド冷たくなってるな」
狼「あったかくなるまでくっついてようよ」
辰「う、うん・・・」
狼「えへへ・・・(ギュッ)・・・辰哉、あったかいね」
辰「ん、お前も・・・なんか柔らかくなった・・・」
狼「そうかなあ?」
辰「・・・」
狼「・・・」
辰「・・・ろ・・・狼子・・・!!!!」
狼「!!!!///////////」
辰「・・・今日はありがとな。泣いたらちょっとすっきりした」
狼「え?う・・・うん・・・」
辰「俺も頑張るからさ・・・また助けてくれるか・・・?」
狼「・・・うん」
辰「・・・サンキュな・・・」
狼「・・・いいよ・・・」
辰「・・・」
狼「・・・たつや?」
辰「・・・すー・・・」
狼「・・・先に寝ちゃうかよ・・・最低・・・それにこのまんまじゃ動けないよ・・・」
狼「・・・でも今日は、許してあげてもいいかな」
『DQN』
狼「けっ・・・意味のねえ喧嘩しちまった・・・」
?「おい」
狼「・・・あ?なんだてめえは?」
?「・・・お前、バスケ部の1年生ぶん殴ってくれたそうだな」
狼「ぁあ!?そうだよ、だからてめえはなんだ?」
?「・・・バスケ部2年の木村だよ。後輩の仇討ちに来た」
狼「へっ・・・気取ってんじゃねえよ。だったら御託はいらねえ。来いよ」
木「言われなくても行くよ・・・っらぁ!!(ブンッ」
狼「うごっ!・・・てめえ、いいパンチしてんじゃねえか・・・じゃあこっちも行ってやるよ!っぅおらあ!!(ブンッ」
木「がっ!!・・・くそっ、まだまだぁ!!」
狼「おらあぁっ!!!」
狼「へっ!てめえは下のしつけも満足に出来ねえらしいな・・・そらっ!」
木「ぐっ!・・・ガキの癖に悪ぶってひとりで調子に乗ってるお前に言われたくねえよ!・・・おらぁっ!!」
狼「うごっ!・・・へっ、俺みたいに堂々と暴れるより、お前の子分みたいに普段は人畜無害なツラして
影では隠れて弱い奴に悪さする奴の方がな・・・よほど虫酸が走るってんだよ!!!どらあぁっ!!!」
木「ぐおっ!!・・・っく・・・どういう意味だ?」
狼「ぁあ!?・・・お前、もしかして何も聞かされてねえのか?」
木「?」
木「・・・すまん!!」
狼「お、おい・・・何頭なんか下げてんだよ、気持ちわりぃな・・・」
木「俺もまさか、あいつらが隠れて小学生から脅しの真似事で金を巻き上げてるなんて気付かなかった!この前は本当にすまん!!」
狼「や、やめろよ・・・お、俺は別に気にしてねえぞ?わけわからんことで喧嘩ふっかけられるのなんていつものことだしよ」
木「お前・・・!!」
狼「・・・だ、だからなんなんだよてめえは!気持ちわりぃんだよ!」
木「・・・俺は辰哉。木村辰哉。お前の名前、聞いてもいいか?」
狼「へ?俺?俺はその・・・ろ・・・」
木「・・・ろ?」
狼「その・・・ろ・・・こ・・・ああいや///////////・・・よし辰哉!お前は今日から俺様のことは狼と呼べ!」
木「狼・・・か?」
狼「おおそうだ!狼様だ!この野獣のようなヘアスタイルと逞しい肉体、
そして一匹狼なキャラクターにマッチした素晴らしい呼び名だろ!?」
木「お、おう、まあな・・・」
狼「そうだろそうだろ!がはははは!!(今日ばかりはこんな女みたいな名前つけた母さんを恨むぜ・・・)」
この数年後、まさか俺がこの頑固者と男女として付き合うことになるとは・・・このときは思いもしなかった。
『DQN2』
辰「おい!狼!」
狼「あん?なんだ、男1かよ・・・話しかけんな、今ちっと機嫌わりぃんだよ」
辰「・・・俺は辰哉だ!」
狼「辰哉?ご大層な名前しやがって、てめえなんざ男1で十分なんだよ」
辰「お前、まだ喧嘩なんかやってんのかよ!?いつまでガキのまんまでいるつもりなんだよ!!」
狼「ぁあ!?うるせえんだよてめえは!!付きまとってんじゃねえよダボが!!」
辰「お前、いい加減にしろよ!?これからは受験だってあるし、いつまでも突っ張った喧嘩したが通用すると思ってんのか!?」
・・・もう俺に・・・
狼「だからてめえはうるせえんだよ!!!二度とクチ聞けねえ様に靴紐で縫い付けてやろうか!?」
辰「逃げないでちゃんと聞けよ!!俺はお前のことを!!!」
・・・もう俺に入ってくるな!!!
狼「・・・」
辰「・・・いて・・・」
狼「・・・わ、わかったかよ?てめえはどこまで行ってもただの男1なんだよ。もう俺に付きまとうんじゃねえぞ!?」
辰「・・・あー、なんか久しぶりに頭来た・・・」
狼「あん?やるってのか?久しぶりに?おお来いや。買ってやるyがっっ!!」
辰「・・・こうしなきゃわからないならやってやるよ」
狼「・・・へっ・・・そうでなくちゃな」
辰「・・・ただし!!」
狼「あん!?今更なんだってんだコラ!?」
辰「・・・俺が勝ったら金輪際喧嘩はやめろ。俺より弱い奴に喧嘩なんかする資格は無い」
狼「へへ・・・言うじゃねえか・・・いいぜ・・・じゃあ俺が勝ったらてめえは金輪際俺に近寄るんじゃねえ・・・行くぜ!!」
狼「へぇ・・・へぇ・・・て、てめえ・・・どんだけタフなんだよ・・・」
辰「はぁ・・・はぁ・・・降参か!?」
狼「へぇ・・・へぇ・・・ま・・・まだまだ・・・俺は・・・負けちゃ・・・い・・・ねぇ・・・(ドサッ」
辰「はぁ・・・はぁ・・・終わったか・・・」
狼「・・・ハッ!?俺はまだ負けちゃいねぇ!!」
辰「・・・お前の負けだよ」
狼「何言ってやがる!?俺はまだこうしてピンピン・・・っててめえナニ人のこと負ぶってやがんだあああああああああああ!!!!!」
辰「お前がぶっ倒れて伸びちまったからに決まってんだろ・・・あーいて。世話のかかるヤツ」
狼「下ろしやがれ!俺はまだやれるぞ!!」
辰「まあ結構長いことグースカ寝てたからな、そりゃあ回復もすんだろ・・・日も暮れちまったし」
狼「てめええええええ!!!!リベンジだ!!リベンジマッチを申し込む!!!」
辰「それは契約違反だな。お前俺に負けたら喧嘩やめるって言っただろ?男に二言があっていいと思ってんのか?」
狼「・・・ちくしょおおおおおおおおおおお!!!!!!ま、負けた・・・!俺は・・・!!負けた・・・!!!」
辰「よしよし、いい子だ、それでいい」
狼「てめええええええええええ!!!あっさりしてんじゃねえよおおおおおおおおおおお!!!!
ていうか上から見てんじゃねええええええええええええええええええええええ!!!!!」
辰「ははは、まあまあ、これからもずっと友達だ」
狼「あん!?と・・・友達・・・?」
辰「おう。よろしくな!」
狼「・・・」
辰「?どうした?」
狼「・・・友達になんか・・・なれるわけねえよ・・・だって・・・俺は・・・」
辰「・・・?なあ、どうしたんだ?」
狼「・・・今日は・・・満月だな・・・」
辰「ん?あ、ああ、月が昇ってきたな、もうこんな時間だ」
狼「・・・お前は、満月といえば何を思い浮かべる・・・?」
終
最終更新:2008年07月21日 02:07