安価『自分が明日女体化』

 ──いよいよ、明日…。
 指折り数えて待ちこがれた16歳の誕生日が、ついに目前に迫っている。
 ──どんなに待ちこがれたことか…。
 ──明日になったら、もう俺はいなくなる。生まれ変われるんだ。
 今まで、小学校の頃から謂われもなく苛められてきたこれまでを振り返る。
 はじめは、クラスのみんなが急によそよそしくなっただけだった。
 それはすぐにシカトに変わり、段々とキモいとか言葉の暴力が加わった。
 言葉の暴力が、物理的な暴力に変わるのは、そう時間はかからなかった。
 高校に入ってすぐのとき、同級生の一人が女体化した。彼(彼女?)がクラスで一躍人気者になったのを見て、俺も女体化すれば…と様々な苛めにも耐えてきたのだ。
 ──明日に、なれば…
 明日の朝、女体化した自分はどんなだろう、と思い描きながら眠りについた。

 目覚ましが朝を告げた。今朝はいつもと違って、すがすがしい気分で朝を迎えた。
 心なしか体も軽く感じる。洗面台で顔を洗い、コンタクトをつける。
 鏡の中に写る自分の姿は…昨日までと、何の変わりもない姿だった。

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最終更新:2008年07月21日 03:21
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