短編 2006 > 12 > 08(金) お芋

218 名前:お芋 []:2006/12/08(金) 01:46:49.61 ID:xQ9G7A0+0
短編で薫の話とは関係ありません


とても暗い夜周りは薄暗く人気はない
私は何でこんな所にいるんだろう・・・
私はつい数十分前の事すら忘れている
いや・・・正確には忘れたかった・・・
だけどもう忘れる事はできない心にも体にも深く深く
刻み込まれてしまったから
涙が頬をなぞる
さっきまで散々泣いたのにまた涙が流れる
けれどさっきまでの涙とは違う
痛くて怖くて苦しくて流した涙とは違う・・・
ただ虚しくて空しくて涙が流れてくる気がした・・・
心が空っぽになって・・・・そこから粉々に砕け散ってしまいそう・・・
友達だったのに・・・・信じてたのに・・・・
月が綺麗だ・・・
満月だ・・・冬空の満月はまぶしいくらいに明るく虹の輪っかが見える
「綺麗・・・・」
届かないその光に
届く事のない希望に
手を伸ばす







月は私の手に隠れてまるで私の手が光っているみたい
私の手はカタカタと震えている
「私・・・死んじゃうのかな・・・・・」
服は剥ぎ取られ体はボロボロにされて
自力で動く事もできない
この季節では確実に死んでしまう
「さむいよ・・・」
寒いよ寒いよ寒いよ寒いよさむいよさむいよ・・・・
「・・・・ごめん・・・な・・さい・・・ごめんなさい・・・」
誰かに許しをこいても神に許しをこいても誰も・・・神も助けてはくれない
ただ誰かに許してもらいたい・・・私を心配してくれている人に許してもらいたい・・・
こんな姿の私を許してもらいたい・・・
また涙が流れる・・・
暖かい・・・・暖かい涙・・・・・
涙って本当はとっても暖かかったんだ・・・
涙が私を慰めてくれるのかそれとも私を許してくれているのだろうか・・・・
もう・・・手足の感覚もなくなって・・・・意識も保てなくなって・・・・
心も凍ってしまって・・・
後はこの体が凍ってしまうだけ・・・・
もう・・・・喋る事もできない・・・・・
ただ凍るだけ
凍ってしまうだけ・・・・・・

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最終更新:2008年07月21日 03:41
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