「おっちゃん!リンゴ飴ちょーだい!リンゴ抜きで!」
「水飴でもしゃぶってろ」
去年、一つ年下の幼馴染が女体化した
元から女っぽい顔だったのが、本当に女になった
特に二つの山が大きく成長して……けしからん。まったくけしからん
「祐兄ぃ、どうした?」
「いや………なんでも」
昔から俺の事を兄のように慕う奴だったな
女体化した今でも其れは変わらないが………困るな、色々と
振り返りざまにたわわに揺れる二つの果実とか、ポニーテールにした長い髪がなびく所とか
「そろそろ花火始まるかな?」
一部が発達した体躯とはアンバランスな、そして身長的にはバランスがあっている童顔が空を見上げる
赤い地の花柄の浴衣に身を包んでいるのを見ると、嫌でも女の子として意識してしまう
水飴を舐める仕草も、何処か艶っぽい
「ねー、話聞いてる?」
「うわっ!?………あぁスマン、何だっけ?」
「もー、やっぱり訊いてない」
頬を膨らませる。そんな所を見るとやっぱりまだ子供だよな
………さっきの上目遣いは、やばかったけど
「……口の周りベタベタだぞ。はしたない」
44 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/19(月) 00:13:31.54 ID:Wv+8drHW0
状況を説明する暇が無かったから言わせて貰うが、今は夏祭りだ
水奈の親からはお守りも頼まれている。水奈ってのは今俺の前で水飴を食べている奴の名前
「お、花火」
「本当だー」
露店のテントの遥か上空、色とりどりの火薬の花が咲いては散っていく
そしてその光は隣にいる少女を違った魅力で照らしている
県外にも誉れに高き自慢の花火は人を魅了する何かがある
今この場にいる全ての人が見入っているようにも感じた
「キャッ!?」
「どうした?」
花火に混じっての小さい悲鳴
水奈は俺の手を取って、行き成り走り出した
「お、ちょ、おい!」
祭りの会場から少し外れた林の木の下でようやく止まる
女になったくせに妙に体力があり、息を軽く乱している程度だ
「何なんだ……一体」
不平を漏らすと、水奈が浴衣を少し緩めているのが解った
「おい、何してる」
「祐兄ぃ……水飴が浴衣ん中入ったぁ~……」
45 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/19(月) 00:14:43.66 ID:Wv+8drHW0
「ぬるぬるでべたべたする~」
見てみればなるほど水飴を絡めていた割り箸が、肌蹴た浴衣の間に見えた
と、水奈が浴衣の上半身を脱ぎだした
「な……」
「祐兄ぃ………これ、舐めて?」
「ば、馬鹿言うな!」
木にもたれかかって座りながら、器用に上半身をさらしている
半透明な水飴が、女になった水奈の身体に絡んでいた
「ほら、ハンカチ!早く拭け!」
「………ヤダ」
俺の頭が掴まれ、胸に押し当てられる
水奈の胸に顔を埋める形になり、両側に柔らかな感触を感じる
腕を組むように固定された為離れることが出来ず、水奈の身体を舐める事を余儀なくされた
「ん………ぁ」
胸の間の谷に下を這わせ、水飴を舐め取る
柔らかな肌が形を変え、甘い半透明の液が口に流れ込んでくる
激しくしたら壊れるような気がして、優しく丁寧に何度も舐め取っていく
「ひゃぁぁぁ………」
腕の力が弱まったので顔を膨らみの方に近づける
上の方に水溜りのようになっている部分を舐め、其処から流れ落ちる部分に沿って吸っていく
小さく漏れる水奈の嬌声は、少しずつ俺から何かを剥ぎ取っていくように感じた
46 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/19(月) 00:15:34.26 ID:Wv+8drHW0
乳房の先端を舌で弄った後は、舐める部分を更に上へ
そろそろ舌の感覚が無くなってくるが、鎖骨から首へ
そこでやっと甘い味が無くなる
「ぷはっ……これで良いだろ」
「………うん」
今度は俺の唾液で濡れてしまった水奈の肌を、ウェットティッシュで拭っていく
乳房が力を入れる度に形を変えていった
拭った後は放心状態のような水奈の浴衣を直す
そこでやっと話が出来る空気になった
「わざとだろ」
「………祐兄ぃには隠し事できないなぁ、はは」
弱く笑う。悪戯がばれた時によくやる表情だ、昔から
「何で、こんな?」
水奈が俯き、笑顔が消える
俺は俺で妙に焦り、どうしたものかと考えながらも何も出来ない
「祐兄ぃの、所為だよ……」
水奈の頬を涙が流れてるのに気付いた
「………俺の?」
「そうだよっ!全部っ!祐兄ぃの所為だ!」
感情に身を任せるといった感じに水奈が叫ぶ
47 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/19(月) 00:16:32.61 ID:Wv+8drHW0
「いつも私の事弟扱いだもん!私だって女の子なのに!女の子になっちゃったのに!」
涙声になりながら叫ぶ
今迄こんな感情的なところを見た事が無く、少し衝撃的だった
「有兄ぃ格好良いから女の子に人気だし!なのに、私の事見てくれないから! 頑張ったのに!」
………心当たりは腐るほどあるが、まさか水奈がそんな事を思っていたとは
昔から天然だと思っていたから、偶然だと思ったんだが……
昔誰かに言われたな。『お前は肝心な事になるほど鈍い』と
「私だって…………祐兄ぃの事………好きなのに」
子供のように泣きじゃくる
罪悪感に襲われながらも、本能か理性かで行動する
ハンカチを取り出して水奈の涙を拭ってやる
最初は拒否をしたが、だんだん抵抗が無くなってきた
水奈の顔を強制的にこちらへ向けて、まだ溢れる涙を拭く
ようやく泣き止んだ
そして俺は口を開いた
「水奈」
返事?そんなものは決まっている
「俺も、お前が好きだ。異性として、女として、水奈という人間が好きだ」
その後今度は嬉しさで泣き出し、ようやく帰れる頃には花火は終わっていた
49 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/19(月) 00:17:54.47 ID:Wv+8drHW0
……それから何週間か過ぎた
「祐兄ぃ!」
「祐兄ぃ~」
「ねぇねぇ、祐兄ぃ」
「祐兄ぃ」
「…………フッ」
「祐、お前なんかやつれたな」
「………羨ましいなら代わってやろうか?」
「謹んで遠慮」
今迄の分を取り合えすかの様に水奈が甘えだした
元運動部だけあって体力と身体能力は何故か強い
そして子供のように遊びへの集中力が凄く、それに着いてくのは一苦労だ
嫌という訳ではないが、流石に体は疲れるな
あぁ、噂をすれば………
「ゆうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」
水奈が女装……もとい、助走をつけながら抱きついてきた
ズザザザザザー、って感じに効果音が聞こえそうなほど廊下を滑る
元気が有り余るにも、程が無いか………?
「ご愁傷様…………でもま、まんざら嫌って訳でも無さそうだし、助けなくてもいいよね」
~終~
最終更新:2008年07月21日 04:38