安価『ラズベリー』

86 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/21(水) 00:32:04.14 ID:Pdbj1oDM0
安価『ラズベリー』

「おしゃれマゾ!」
「ラズ&ベリー!」

「出オチにも程が……まぁいいや」

目の前の二人に回し蹴りを喰らわせる
私こと瑠璃、ただいまドレスアップ中
これでも元男なのですが、女になってからと言うもの玩具にされてます
主に姉の珊瑚と、彼氏である真珠に
そして今日の私は着せ替え人形という訳だ
元々はゲームでアニメになってからのある野菜の作画で有名になった作品
そのヒロインである青っぽいお姫様ルック

「其れに何かキツイし……胸とか」
「また成長したの?」
「いっつも俺が揉んでますから」

ニヤケ面を浮かべる真珠を踏んだ
因みにハイヒールだ

「痛い!痛い!いた……アレ?痛くない!寧ろ気持ちi」

男としての急所、股間に全体重を乗せた
脂汗が浮かび、猫とネズミが追いかけっこする外国のアニメみたいな声を出し、悶絶しだした

「おふっ………あぁん……あっ……!」

………何故私は、この人が好きなんだろうか

87 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/21(水) 00:32:50.71 ID:Pdbj1oDM0
「はーい、こっち向いてー」
「姉さん……何?その無駄に高画質っぽいデジカメ」
「瑠璃ちゃん専用のカメラよ。嬉しいでしょ?」
「んな金あるんなら募金でもしなさい」

呆れ顔になりつつも、姉がシャッターを切る
真珠は部屋の片隅で変な声を出していた

「あぁ……遠い所に居る父さん達にも見せてあげたかったなぁ……」
「2泊3日の旅行で死んだみたいに言わないであげて」

見事なまでに容量を無駄にしている気がする
というか休日なのに、こんな事しかやる事が無いのか?
………私が言うことでもないが


『協力してくれたら、お小遣い上げるわよ?』

………中学生じゃないんだし、あんな文句で陥落してしまうとは
ちゃっかり私の財布には諭吉さん達が増えている。うん、複数形

「実はその服、色々と仕込んだんだけど……其れはまた後で良いか」

意味深に真珠の方を向く
あの表情は何か企んでる顔だ。碌でも無い事を

「ん?何すか、これ」

いつの間に復活したの君
真珠が青い糸を持って隣に座っていた
どうやら私のコスプレ衣裳から伸びているようだ

89 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/21(水) 00:33:41.48 ID:Pdbj1oDM0
「あぁ、其れ。引っ張ったら駄目よ」
「え?」

既に引っ張っていた
ビーという音と共に解けゆく糸
結果を予測する間もなく、それは訪れた

「あ」

短い声が、一言
其れを合図にするかのように、私の衣裳が解け始めた
因みに、構造上下着を着けていない
露になった上半身には、無防備に晒される二つの―――

「きゃあぁぁぁぁ!?」
「おぉ、目の保養」
「脱ぎやすいように、引っ張ったら解けるようにしてたのよねー。失敗失敗」

顔に血液が上昇するのがわかる
耳の辺りまで顔が赤くなってる気がする

「姉御と呼ばせてください」
「おやめなさいな水くさい。それに、貴方は私の立派な義弟でしょう?」
「ね……義姉さーん!」

「…………君達」

沸いて出る感情は、怒り

「少し………頭冷やそうか?」

90 名前:缶詰の中の人 ◆FP9rUXa9Eo [] 投稿日:2007/11/21(水) 00:34:33.28 ID:Pdbj1oDM0
気がついたら部屋は夕暮れに暮れていた
ここ何十分かの記憶が欠如してる気がする

「…………あ」

そう言えば、授業で使う道具買ってなかった

「………買ってこなくちゃ」

私はこの間買ったばかりの服を着ていた
あれ?いつ着たっけなこの服

   部屋の中には、見るも無残になった勇敢な二人の勇者達の骸が

   転がっていたとか、いないとか?

~終~

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最終更新:2008年07月21日 04:39
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