空の上では太陽がぽかぽかと大地を照らしている。
そのこぢんまりとした神社の拝殿で、巫女服姿の少女が新聞を広げている。
その横では、制服姿の少年が寝そべっている。まるでネコのようだ。
少女の名前は真樹と言い、少年は武井と言う。
「ふうん……育児放棄ねえ……」
寝そべりながら武井が、真樹の持っている新聞の片隅の記事を読み上げた。
「親が子を見捨てるとは、なんとも悲しい世の中よ」
うんうん、と大仰に頷いてみたりしている。無論寝っ転がったままだが。
その様子に、真樹がハンと冷笑し、
「バカが何難しいこと考えようとしてやがる」
とあしらった。
「何おう! 俺だって普段色々むつかしいコト考えてるんだぞ!」
がばと起き上がり反論する武井。
「この少子高齢化社会において、育児放棄をする親がいると言う事が、日本の未来ならびに我国の経済に及ぼす影響を憂慮すると憤懣やる方ないのだよ! 僕は!」
「ほう」 べらべらとそれっぽい事を語り始めた武井に、真樹は少しだけ感心したような目を向ける。
「それがサブプライム問題をからめて福田総理内閣はダメなんだよ」
「………は?」
「しかも石油は高騰で株価が下がると日銀人事がチベットを円が急騰するんだよ!」
「……お前もう帰れ」
最終更新:2008年07月21日 05:33