耳障りなセミの声で目を覚ます。
「…う~ん、今何時~」
ケータイを開き時間を確認する、09:04。
「(完全に遅刻か…)」
ミーンミーン
それにしても暑い。7月に入ってから毎日過去最高気温更新する勢いだ。
「(学校…さぼろっかな…)」
ガタンゴトン―
「(なんで電車乗ってるんだろ)」
さぼる気満々だったのになぜか電車に乗っている私。
プシュー―
『次は、潮谷学園前。潮谷学園前―』
いつもの癖で席を立ち、そのまま改札へと進んでいく。
「(結局、学校いくのか)」
改札を華麗にタッチアンドゴーで抜け、学校前のコンビニへと立ち止まる。
「(そーいえば、今日って水曜だっけ。マガジンでも立ち読みしていこうかな)」
女になってからもう1年がたつのに男だったころの習慣はなかなか抜けそうもない。
・・・まぁ直す気もないけど。
去年の夏、私は男から女になった。まぁいわゆる『女体化症候群』ってやつ。
さすがに1年も生活したら女としての生活にも慣れてきたけどね。
初めの頃は分からないことの連続であたふたしてたなぁ。
トイレとか下着とか。今となってはいい思い出だけどね。
時がたつのは早いもので、コンビニで2時間近く立ち読みしてしまっていた。
ケータイを開くとそこには大量のメールが来ていた。…サイレントにしたままだった。
大量に来たメールは全て同一人物からの物だった。
『また遅刻ー?』『今日サボリ?』『風邪でも引いた?』『…体調悪いの?』
心配しちゃってるよ・・・。とりあえず返信しとかなくちゃな。
『えー今から向かいます 元気ビンビンです』っと。
さーって、教室へ行きますか。
「おはよーございまーす!」
元気良く教室のドアを開ける。
・・・
・・
・
返 事 が な い た だ の (ry
「(あれ?おかしーな?1-3であってるんだけど)」
教室には誰もいなかった。なにこれ新手のいじめですか?
時間割に目をやると…『4時限目:体育』
( ゚д゚)ポカーン
今更体育館に行くのもだるいので教室でだらだらすることにした。
・・・特にすることもなく、時間が過ぎていく。
5分・・・10分・・・15分。長い。長すぎる。
「(あー暇暇暇ー…ん?)」
机の中になにかが入っていた。恐る恐る取り出してみるとそこには一枚の手紙が入っていた。
表には何も書かれていない。裏返してみると名前が書いてあった
『1-1 中村 シンゴ』
も、もしかしてこれは?ゴクリ―思わず唾を飲んでしまった。
この現代にまだラブレターという文化が残されていたとは、世紀の大発見である。
―後にこの発見により古代文明のなぞが解き明かされるのだが、その話は(ry
自分を落ち着かせるために深呼吸して、手紙をあけてみる。
『今日の放課後、屋上にきてください!』
これは凄くストレートに攻めてきt…ん?
『・・・ってサオリさんに伝えてください!』
ぶ ち こ ろ す
最終更新:2008年07月21日 19:53