僕の髪に巻かれたリボン。彼から貰った赤いリボン。
「小夜、佳夜、はいコレ。もし良かったら使ってね」
暗い押し入れの中でそっと触れる、堅く結ばれたリボン。
この髪を梳かれるのが好き。
お風呂上がりのドライヤーが好き。
行ってきますって撫でられるのが好き。
―――ふと、思い出した言葉。
「爺さんと婆さんの好きと凌君の好き……どう違うか考えてみ?」
あの公園で言われた言葉。
お爺さんは―――好き。
お婆さんも―――好き。
凌君も―――好き。
―――どう違うんだろう。
佳夜の寝息を聞きながら、僕は寝返りを一つうった。
おわり
最終更新:2008年07月21日 20:46