数分経つと、カーテンが開いた。
すると、美人が適当に選んだとは思えないくらいかわいらしい服を着て俺を見てるではないか!
春:なぁ、どうなんだ?
順:あっ・・・ああ。思わず見とれてしまった。ってくらいかわいいよ。
春:ほ・・・本当なのか?次はこれを着てみるか。
春は軽く顔を赤らめて次の服を選んでいく。
そんなやりとりが延々と続いた。
・・・しかし、女の着替えという物はそんなに時間のかかる物なのか?
春が着替えてる間というもの、数分ではあるが暇なのだ。
・・・・ジュースでも買ってくるか。
そう思って踏み出した一歩なのだが、片方の足に躓いてバランスを崩してしまった!
純:っちょやっば・・
バランスを取ろうとしたつもりが、方向転換しただけで終わってしまう。
純:くっそ・・・ってどわあああああああ!!
思いっきり床に後頭部をぶつけた。
純:いたたたた・・・
目を開くと・・・下着姿の春がものすごく怒った顔で出迎えてくれた。
春:・・・・何してんの?
そう、俺は勢いよく試着室に飛び込むようにしてこけてしまったのだ。
純:こっ・・・これは・・・・
次の瞬間、春は普段の表情になるが、ただならぬ殺気を放っている。
春:コロス
次の瞬間、思いっきり顔面を蹴られ、勢いよく壁に頭がぶつかる。
春:コロス、コロス、コロス、コロス、コロス・・・・
「コロス」の言葉と同時に体の至る所に蹴りが飛んでくる。
春は至って普段の顔で、普段の声だ。なのに本気で殺すかのような感じだ。
純:わ・・・悪かったからやめてくれっ!!
俺は蹴りに絶えながら叫んだ。
春:コロス
再度頭を思いっきり蹴られる。
今までの3倍以上の威力の蹴りを食らった感じがした。
おまけに今、体がフワッとした気が・・・・
試着室から蹴り飛ばされ、俺はそのまま気を失った。
?:おい
誰だ?神の迎えか?
?:この荷物持てよ。
俺の顔のすぐとなりに何かが降ってくる。
確認しようと目を開くと、すっかり女の服を着込んだ春が立っている。
純:なん・・・だ・・?
春:やっと目が覚めたか。そこにある荷物を俺の家まで運べ。
純:ハ・・・ハイ。
言われるがままに荷物を持とうとする。
しかし、袋の数の多さに俺は思わず絶句した。
純:何だよこの荷物の数・・・
春:お前が寝てる間に靴とかも買わせてもらった。
純:よくそんな金・・・
いいかけた途端、春は俺の財布をちらつかせる。
春:命を奪われなかっただけありがたかったと思え。
そう言うと財布を俺に投げる。
・・・・無論、中身は空だった。
純:あのな・・・あれには・・・
春:黙れ。
またあの殺気が飛んでくる。
俺はこれ以上しゃべることが出来なかった。
荷物を運ぶこと20分、ようやく春の家に着いた。
春:そこに置いておけ。
言われるがままに荷物を指定されたところへ置く。
純:あのさ・・・さっきはほんとごめん。
春:思い出すからその先は言うな。
殺気とは違う気迫を感じ、また口を塞がれる。
そのまま、春は置かれた荷物を家の中へ運ぶと思いっきりドアを閉められ、鍵のかかった音がした。
純:ありゃ当分許しちゃくれないな・・・
とぼとぼと俺はそのまま家へ帰ることにした。
最終更新:2008年06月11日 22:52