『純斗と春紀』4

朝起きたら新聞を取る。
これは俺の日課であり、家の分担の一つだ。

普段は表紙をちょっと見て、気になったのがあれば少し読むくらいなのだ。

純:ついに屋上遊園地オープン!!・・・ねぇ・・・

つまらなそうな記事だからほっとこうとした時だった。

 ・・・・何故か春の女体化した姿が一瞬脳裏をよぎる。

純:この前の件もあるし・・・誘ってみるか。

あいつのことだからもうとっくに忘れてるだろうが、確認を取ってみたかった。
俺は場所をメモして、携帯を片手に取る。

純:風名春紀 発信・・・っと。






プルルルル・・・

しばらく無機質な発信音が鳴る。

春:もしもし

昔と違う、高い女の声だ。

純:春か。今日暇か?
春:暇だけどどうかした?
純:今日屋上遊園地がオープンするらしいが、一緒に行ってみないか?
春:・・・・デートしろと?

 ・・・・!!
機嫌取りのつもりで誘ったのだが、今考えるとデートに誘っているようにしか思えない。
我ながら・・・などと軽く落胆していると

春:別に私は構わない。暇だし。





 ・・・俺は心底驚いた。
まさかあいつがこうもあっさりとokだすとは思わなかったこともある・・。

春:・・・どうかした?もしもーし
純:い、いやなんでもない。で、今日どこに集合するか?
春:お前に任せる。私は場所とかわからないからな。
純:あ・・・そうか。じゃあ・・・10時オープンだから9時に○○駅の周辺でいいか?
春:わかった。
純:じゃ、後でな。

俺はそういうと電話を切る。
      • なんだか急に心臓の音がバクバクいってるのが頭に響くようになってきた。
それに、春が女言葉になったのが気になる。後で聞いておくか。

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最終更新:2008年06月11日 22:54
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