150㎝、48㎏。
ショートカットの、襟足は少し長め。
これが、少し前までのボク。
145㎝、39㎏。
ありふれたショートボブに、ボンボン付きのシングルテール。
それが、今のボク。
ボクはこれでも高校生なんだ。
ずっと女の子になりたかったボクは、昔から女性物の衣服に興味があったんだ。
料理も並の女の子より出来るつもりだし、甘いものも大好きだよ!
そしてやっと、その朝が来た。16歳の誕生日…ボクは変わった。
「………あり?」
変わったといっても、ほんの少しだったんだ。
ただあったモノが失くなって、ほんの少し胸が膨らんで。その程度の変化。
……このまま男子制服を着ていたら、絶対誰も女体化したことを信じてくれないよね。
だからボクは予め頼んであった制服を着て、当日から学校へと向かったんだ。
「……………変わってなくね?」
「……………変わってないよね?」
「……………女装?」
やっぱりね。教室に入っても、みんなどうせ女装くらいにしか思ってないんだ。
ボクは正直、頭に来た。信じてくれない皆と、変わってない自分に。
―――だからボクは暴挙に出た。
「もぉー!皆言いたい事があるなら言いなよ!もぉいい!竹田!ちょっと来て!」
竹田は中学校からの友人で、一足先に女体化した羨ましいヤツ。
何が羨ましいってもろに女性の体つきだってことだよね。
元々大人しい性格も手伝ってか、結構影のファンも多いみたい。
……ってそうじゃなくて、今は女になったんだって信じさせなきゃね。
ボクは竹田の手を引いて、開き教室に入ったんだ。
やっぱり信じさせるなら、見せた方が早いし解りやすいもんね?
だからボクは脱いだんだ。無論全裸だよ?
「ちょ……わかった!わかったから服着て!」
そんなに顔一杯に両手を広げたら見せる意味が無いじゃん……
別にもう女の子同士なんだから見ても平気でしょ?
「やだ」
ボクはそのまま竹田に歩み寄ったんだ。
目を覆った両手を無理矢理剥がして、しっかりと確かめてもらうためにね。
……でも、それが甘かったのかな。次の瞬間、ボクは竹田に押し倒されていたんだ。
押さえていた両手は、いつの間にか逆転していた。
「た…竹田?ごめんね?怒った?」
幾らなんでも無理矢理見せるのはいけなかったか…
そう反省しながら、ボクは竹田に謝ったんだ。
でも竹田は、裸のボクを見つめて放してはくれなかった。
「竹田?」
「……な?…っ……ても……」
俯いたまま、竹田は動こうとはしなかった。
何かを呟きながらボクを見下ろす竹田が少し怖くて、ボクは竹田を跳ね退けようとしたんだ。
―――でも、それは叶わなかった。どんなに力を込めても、ボクは身じろぐ事しか出来なかった。
―――不意にアソコを撫でられる感覚で、ボクは頭を起こした。
くすぐったいような刺激は、不思議と嫌ではなくて、ボクは時々来る波に体を震わせていた。
でもその内、執拗に撫で回す竹田の手を更に求めるように、お腹の奥の方がキュッとしてきたんだ。
「……ンッ……」
そんな声が出たような気がする。
ボクは抵抗も出来ないまま、竹田に体中を触られ、舐められた。
でも、途中からは何だかボンヤリとしか覚えてないんだ。ごめんね?
でも、後で竹田に謝り続けられたんだけど何でだろう?
ちゃんと皆には証明出来たんだし、あんなに気持ちいいマッサージなら、またこっちからお願いしたいくらいなのにねっ!
おわり
最終更新:2008年07月21日 21:29