いつもの時間、いつもの場所で。僕は君を見つけた。
星空を見上げる君は何よりも綺麗で儚げだったのを、僕は覚えてる。
「僕が僕じゃ無いみたい」
そう言って君は笑いながら、泣いてた。
そういえば君の涙を見たのは、その時が初めてだったんだ。
こんな事言ったら怒るかも知れないけど、僕は君の泣き顔も好きだった。
「あ、流れ星!」 僕がそう言うと君が慌てて涙を拭う所が、堪らなく可愛かったんだ。
あの時に僕らが見た流れ星は、願いを叶えてくれる前に燃え尽きてしまったんだろうか。
僕の願いは叶わないまま、遂には終わりを迎えてしまった。
「や……」
「……や」
再会なんて、したくはなかったのに。ホント、運命ってのは気まぐれで、意地悪だ。
久し振りに見た君は少し痩せていて、でも変わらない声で。僕は訳も無く、空を仰いだ。
今日もあの頃と変わらない星空が、この場所で瞬き続けている。
「……流れ星、来ないね」
「まぁ、ね」
あの頃から幾度となく流れたはずの流れ星も、二人で見た事は一度もなかった。
不意に彼女は立ち上がり、月明かりに腕を振るう。
暗がりの刹那瞬いたそれは、抑えていた涙の引き金となって、闇へと消える。
震える肩は見違えるように細くなってしまっていたけれど、僕はもう、あの頃のままじゃないんだ。
最終更新:2008年07月21日 21:54