安価『ガム』

「・・・ん・・・ッ・・・ぷぁっ・・・」


「・・・はん・・・ふ・・・ちゅっ・・・」


こんなにもベタベタになって、こんなにも相手の匂いに支配される。 息をつくことすらままならず、求め、求められる。
性器でもない箇所を擦りあうことで、なぜこんなにも淫らで陰鬱な気持ちになってくるんだろう・・・
否、原因は分かってる。 解っているけど、俺にはもうどうしようもないんだ。

「ふぅー・・・ねね、祐、もっかいしよ」

俺には返事をする暇さえ与えられず、押し倒されるカタチでソファへと倒れこんだ。
俺と彼女・・・悠樹がこんな関係になったのは、三ヶ月ほど前の事だった。
そうは言っても、付き合い始めたとかそういうことじゃない。 
チビでガキでそういう事に疎かった幼馴染のあいつが女体化して、偶然からキスの味を覚えてしまったこと。
会って二人きりになれば、満足がいくまで唇を交わす。 それだけの関係。
俺たちは付き合ったり・・・ましてや男女としての関係になんかなれる間柄じゃなかったはずなんだ。

「・・・ん・・・れるっ・・・ンッ!?」

俺は悠樹の耳を塞いで、強く彼女を掻き回す。 ドロドロに、蕩けて混ざれてしまうくらいに・・・

「・・・はーっ・・・はーっ・・・もっと・・・もっとぉっ」

幾ら喰らい、貪っても求め続ける互いの味、匂い。 
二人で噛み締める味の絶えないガムのような時間は、一体いつまで続けられるのだろうか―――

おわれ!


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最終更新:2008年07月21日 21:56
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