安価『怪人』

「ぐへへへへ、この会場は俺様が占拠した!」
別に本当に占拠したわけも無く。
簡単に言えば、学園祭での出し物の最中なわけだ。
「ふふふふ、さぁまずは誰から血祭りにあげてやろうか!」
なんで高校だっていうのにヒーローショーなのか、
甚だ疑問ではあるが、決まっちゃったもんはしょうがない。
「くくく、世界征服した暁には、この世の猫缶は全て俺様の者ナノダー!」
ちなみに、俺は怪人役で出ている。
さっきから頭の悪そうなセリフを言ってるのが俺だ。
なんというか、もうちょっとマシな台本にならなかったんだろうか?
もう一つ文句を言うとすれば、なんで『怪人猫男』なんだよ!
しかも無駄に着ぐるみを可愛く作りやがって!恥かしいっつーの…。
ま、まぁ…女子からは「きゃー、かわいぃー」なーんて、
普段からすれば絶対に縁の無い、黄色い歓声を浴びているわけだし、
役得といえば役得なんだろうか?
「まてまてぇーい!そこの可愛いもこもこした物体!
世界征服など、私が許さんぞ!」
と言った感じで登場するヒーロー役…なんだが。
どうみてもリアルポンキ○キにしか見えないな。
これじゃ、どっちが怪人なんだかわかんねぇだろ…。
「ぬぬぬ!何ヤツー!」
段々アホらしくなってきたな。

まぁ、そんなこんなでムッ○のような変態は、見事怪人を倒して、
めでたしめでたし。というわけだ。
異様に女子から「死ねこの変態!」っていう言葉が多かったような気もするが。

「ぷはっ…あー、着ぐるみしんどすぎだろ…」
長々と着ていた着ぐるみを脱いで、ようやく休憩時間がやってきた。
なんというか、着ぐるみは大変だったは、ヒーロー役よりはマシだよな…。
あれで呼び込みとかさせられるんだしな…俺だったら明日から学校休むぞ。
「さて、トイレトイレ…と」
次の舞台までそんなに時間が無いしな…途中で行きたくなったら地獄だ。
ん…なんかヤケに見られてる気がするな。
「ち、痴女が出たぞーーーー!」
突然トイレに居た一人が叫んだ。
「ち、痴女!?ど、どこどこ!?」
なんだ、いないじゃん…人騒がせな奴。
「っと……あれ?」
小用の便器の前に立ってごそごそとし始めるが、
何やら胸の部分に見慣れない物体があるような…。
「……あらら?」
ていうか、俺のティンコは何処に?
「……」
トイレの中はシーンと静まり返っていた。
「無い…?有る…?」
うん、どう触ってみても上が有って下が無いな。
「って、なんで学園祭の真っ最中に女体化するんだよおおおお!」

その後、猫耳つけたヒロインが、怪人『変態裸男』を退治する。
なんていう舞台に出る事になった俺であった。


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最終更新:2008年08月02日 03:52
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