塾帰りの電車の中、俺は車窓に流れるヘッドライトの川を
ぼんやりと眺めながら、眠気で飛びそうな意識を繋いでいた
しかし電車は俺を眠りへと誘うかのように揺れている…
何度となく舟をこいた後に辛うじて繋ぎ止められていた俺の意識は、
電車がトンネルへと入ったその刹那に薄れていった…
・・・
・・・・
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ふと気が付いたらさっきから30分程時間が経っていた
アナウンスが言う駅名を聞くと、俺が降りるべき駅から大分離れてしまっている事に気が付いた
あぁ、やっぱり寝るんじゃなかった…
しばらくすると、駅に到着した事を告げるアナウンスが、いやに空いた車両に響く。
出口は左か…
降りる為に席を立ち、ドアの前へと向かう。
ドアの窓にはかすかな光が反射して俺の姿を映している。
そこに映っていたのは見慣れた自分の顔ではなく…
最終更新:2008年08月02日 03:57