『両思い』

121 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:21:58.37 ID:OyAS0tr20

夏休みも終わったある日。
ボクが学校から家に帰ると家のカギが開いてたので、お兄ちゃんが帰ってるのかと思い
「ただいま~」
と、声かけてみると
「おかえり~」
と、予想通りお兄ちゃんの返事がキッチンから聞こえたので夕食作ってるのかなぁと思って行ってみると、これまた予想通り夕飯を作ってるお兄ちゃんがいた。


ボクの名前は悠、高校1年生で育ち盛りなお年頃…だと思う、155センチの背よ伸びろ、いや伸びてください。
夕食を作ってた芳樹お兄ちゃんは大学3年でたぶん180センチくらい。…ボクの予定身長でもあります。
キッチンを覗いて作業内容を確認してみる。
「今日の夕飯はなに?」
「今日は久々にカレー、しかもチキンカレーだ!」
なにがしかもなのかと思ったりもしたけど、カレーは好きなのでやっぱりうれしい。
ボクの家は両親共働きだから、大抵夕食は兄弟が作ってる…ほとんどお兄ちゃんだけど。
それから二階の自室で部屋着に着替えてキッチンに戻り、
「なにか手伝えることないかな?」
手を洗いながら聞いてみる。
「うーん、カレーはもう煮込むだけだからなぁ…サラダでも盛り付けておいてくれ」
「おっけー」
ぱっぱっと4人分、ボクとお兄ちゃんとお母さんお父さんの分を盛り付ける。


122 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:23:43.59 ID:OyAS0tr20
そろそろ7時…両親も帰ってくる頃かなと思ってたらお母さん帰宅。 『おかえり~』
ハモらせて、お母さんは一瞬ぷっと吹き出し、
「ただいま、もう9月だっていうのにまだ暑いわねえ」
「だねぇ、大学でクーラー壊れててまいったまいった」
「寒いよりはいいけどね~」
なんて話したりしながらダイニングにサラダを運ぶと、お兄ちゃんも完成したらしいカレーを盛って運んできた。
うちのカレーはいつも中辛と決まってて、辛党のお父さんはタバスコを、甘党のボクはヨーグルトを入れることでちょうどいい感じにするようにいつのまにかなっていた。
「お父さん帰ってないけど先に食べましょ」
「そうするかぁ」
お母さんに促されてお兄ちゃんが相槌を打つ、ボクも席について食べることに。
「いっただっきまーす」
「よーくお食べ」
いつも通りおいしい夕食を食べてると、お父さんも帰宅。
「ただいま。ん、今日はカレーか」
カレーの匂いは玄関まで届いたらしい、お父さんもカレー好きなので笑顔だ。
ほどなくしてテーブルを4人で囲んだ。
そしてお父さんがおもむろに口を開き、
「悠、おまえ明々後日の月曜で16になるわけだが…もう経験してるのか?」
うわっ、お父さんストレートに聞きすぎ!!え~なんて答えたらいいのさ。
うーん…嘘ついても誕生日がきたらばれる事だし言うしかないかぁ…
「……まだ」
「そうか、じゃあ女になるんだな?」
「そうなるのかな…」
沈黙な空気がテーブルを包む…
「に、兄さんは悠が女になっても気にしないぞ!」
「そうそう母さんも女の子が欲しかったし!」
そんな慌ててフォローしなくてもいいよ。


125 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:26:57.26 ID:OyAS0tr20
結局夕食は気まずいまま終わり、お風呂に入った後自分の部屋でぼーっと考える…
ボクは男でいたいのかな?好きな女の子とか…いないし。
もうしょうがないし諦めようかな…とか物思いに耽ってたら、ドアのノックが。
「悠、いいか?」
お兄ちゃんだ、夕食の時の話かなと思いつつ招き入れた。
部屋にひとつしかない椅子はボクが使ってたのでお兄ちゃんはベッドに座りつつ口を開く。
「悠さ…男のままでいたくないか?」
「え?まぁいきなり性別変わってしまうの恥ずかしいから嫌だけど…」
「なりたくないなら、兄ちゃんが内緒で風俗に連れて行ってやるよ、金も心配すんな!」
「ええっ!?未成年はダメなんじゃ?」
「だって悠、よく考えてみろ…16までに童貞喪失してる奴がそんなにいるはずないだろ。
おまえのクラスで女体化してる奴何人だよ?」
「…ひとり」
「ひとクラス30人で男が半分の15、もう誕生日きてるのが約半分の7人としてもさ、
そのうち6人も童貞喪失してるって普通考えられなくないか?」
「そうかも…?」
「普通に童貞喪失してる奴もいるだろうけど、そうでない奴は風俗行ってるんだよ、表向きは未成年はだめって事になってるけど女体化防止に行くのには目をつぶって貰えるが実際のところだよ」
「そっかぁ…うん、お願いしようかな」
「オッケー、じゃあ明々後日が日曜だから明々後日に行くか。
まぁ、心配するな、お兄ちゃんにまかせとけ!!」
「ありがとうお兄ちゃん」
「いとしの弟のためさ」
「お兄ちゃん、それ変態ぽい」
「なんだとー!…まぁそういうことだ、おやすみ」


126 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:28:16.28 ID:OyAS0tr20
「ちょっとまって!」
「ん、なんだ?」
「今日は…一緒に寝て欲しい…」
「一生の問題だし不安になるのも仕方ないっちゃ仕方ないか。一緒に寝ますかね」
「うんっ」
「んじゃ枕持ってくる」
「おっけー」
そして、お兄ちゃんが枕持ってきて一緒にベッドにもぐりこむ。
「ちょっと狭いね」
「シングルだしな」
「お兄ちゃんもさ…風俗で童貞喪失したの?」
「俺も最初はそうしようかとしたんだけど、その時気になってた子にだめもとで告白したらオッケーもらえて、誕生日1週間前くらいに初体験したなぁ」
「いいなぁ…ボクにもそんな人がいればいいのに…」
「まだ高1なんだし焦らなくていいさ」
「うん…そだよね」
「それよりも背を伸ばさないとな」
「まだまだこれからだよっ」
「大丈夫大丈夫、俺も伸びたの高校になってからだし」
「ちょっと安心」
あと何か話してた気もするけどいつの間にか眠ってたみたい。


128 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:30:12.39 ID:OyAS0tr20
次の朝。
朝食&弁当はお母さんが作ってくれるので朝食を食べていつも通り学校へ。
そして昼休み。小学校の頃からの親友の和也と教室の机を挟んで昼食。
和也は中学の最初くらいまでは同じくらいの身長だったのに、ひとりだけどんどん伸びて今じゃ170センチ。
15センチも引き離されてなんだかくやしいなぁ…高校で追い抜く予定だけどねっ。
そんな和也がメロンパンかぶりつきつつ話し掛けてきた。
「月曜、誕生日だっけ」
「うん」
「大丈夫なのか?」
「あーうん、ほんとはまだなんだけど、お兄ちゃんが日曜に風俗に連れてってくれるからなんとかなりそう」
「へー…まぁがんばれよ」
「がんばれって、なんだかへんな気もするけどがんばるよ」
「ああ…」
その後は、テレビの話とかしているうちに昼休みも終わり、午後の授業、そして放課後。

ボクは陸上部、和也はサッカー部に入ってる。和也はサッカーうまいと思うんだけどまだ1年だし、
上級生押しのけてレギュラーとかは難しいって言ってた。
ボクは…短距離メインにしてるんだけど、いまいちぽい。でもまだこれから背も伸びるしそこからが勝負!!
そして、部活も終わっていつも通り和也と一緒に帰ろうと教室で待ってたらまもなく和也もきて、お互い労いあう。


132 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:31:15.72 ID:OyAS0tr20
「おつかれさま~」
「おつかれ~」
「んじゃ帰ろっか」
「あのさ…」
和也が何か言いかけて口篭る…どうしたんだろう。
「どうかした?」
聞き返したらようやく口を開いたと思ったら、
「悠さっ…」
もう歯切れ悪いなぁ…
「言いたい事があるならはっきり言う!」
「ん…あぁ……」
なんだか迷ってるような素振りを見せながらも、意を決したのか和也が口を開く。
「あーもう覚悟を決めたから言うぞ!!悠、おまえ風俗行くな!」
いきなり何言ってるの、この人は…
「何言って…」
「だってさ…おまえの事ほんとは好きだったんだよ!」
「え?ええー!?」
ボクだって和也の事好きだけどさ、女になるので付き合ってくださいなんて言ったら、
気持ち悪いって嫌われるのが怖くて言えなかったのに…
「でも男のお前に言っても正直迷惑だろうし、恋人作って童貞卒業するならそれでもいいって思ったんだ。
だけど、お前は恋人作らないし風俗で済ますって言うし…風俗行くくらいなら女になって俺と付き合ってくれよ!」
お互いに片思いだったんだね…でも、
「いきなり言われても…」
って衝撃的すぎてほかに答えようがなかったらそう言ったら、
「明後日行くんだろ?もう時間ないだろ」
「そ、それはそうだけど…」
「それにおまえの最初の人が好きでもない人でもいいのかよ?」
「よくないけど…」
突然の告白に頭がぐるぐる空回りしてる。


134 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:32:12.18 ID:OyAS0tr20
「ごめん…今いきなりは答えられないよ。びっくりしすぎて考えられないし」
「そうか…」
「明日の夜には答えるから…それでいいかな?」
「俺こそごめんな、やっぱりびっくりしたよな」
「うん…」
「じゃあ帰ろうぜ!」
「そだね」
ボクはテンパってて帰り道に何も話す事ができなかった。和也もなにか言いたそうな顔をしてたけど結局何も言えなかったみたい。
「ただいま…」
「悠か、おかえり」
いつも通り、お兄ちゃんは夕食を作ってた。ボクもいつも通り着替えて手伝いにキッチンへ…
「今日はなに?」
「今日はサバの味噌煮だな」
「お兄ちゃんはいいお嫁さんになれそうだね」
「まあな」
「お兄ちゃん…」
「なんだ」
「ボク、お嫁さんになるかもしれない…」
「…ん?風俗なら大丈夫だぞ、心配するな」
「そうじゃなくて…」
お兄ちゃんが料理の手を止めてボクの方へ向き直る、次の言葉を待ってるみたい。
「和也に告白されちゃった…」
「……」
和也はよく遊びに来てたし、お兄ちゃんとも結構仲がいいと思う。
しばらく黙ってたお兄ちゃんが口を開く、
「そうか、それでどうするんだ?」
「どうしようかな…」
「和也の事が好きなのか?」


135 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:33:12.50 ID:OyAS0tr20
「たぶん…好き」
「そうか…」
お兄ちゃんはしばらくなにか考えて後で、
「なんとかしてみる」
「え?うん。ありがと」
よくわかんないけどお兄ちゃんが協力してくれるみたい、なにか考えがあるんだと思う。
ぐぅ……おなかが鳴った。お兄ちゃんが笑いながら、
「とりあえず飯作るか」
と言ったので、
「そだね」
と同意した。



今日の夕食はサバの味噌煮と味噌汁とナスの漬物。
お父さんお母さんがまだ帰ってこないので先に食べ始める。
なんだか今日はお兄ちゃん食べるの早いなぁ…と思ったら食べ終わった。
「ちょっと買い忘れた物あったから買い物に出かけてくる」
「うん、行ってらっしゃい」
と、ボクはお兄ちゃんを見送った。


夜…自室で和也との今までの事、告白の事、これからの事を考えた。 和也の事は大好きだけど男だった人が男を好きになったりするのって変態かもしれない…
でも…和也に告白されてからいままで抑えてたボクの気持ちが爆発しっぱなし。
和也が彼氏、和也が彼氏、ボクが和也の彼女、和也の彼女…
カッコイイし優しいと思うし、恋人を大事にしそうだし…
色々な考えが空回りを始めた頃、ドアのノックが…
「悠、入るぞ」
「いいよ」
お兄ちゃんだ、いつのまに帰ってたのだろう。
ベッドに座ったお兄ちゃんは真剣な顔で言った。
「男のままでいるのも女になるのも和也次第なんだよな?」


136 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:34:01.79 ID:OyAS0tr20
「そうかな…」
「和也と付き合うなら応援するさ。女になっても大丈夫だろう」
「なんだかやけに和也を信頼してるんだね」
「まぁな……それに男のままでも女になっても悠は悠だからな、俺の大事な家族だ」
「…ありがと」
「じゃあ、おやすみ」
「おやすみなさい」
寝る前に和也にメール。
『明日あいてる?あいてたら一緒に遊ぼうよ。とゆうかぜったいあけといて!!』
すぐ返事がきた。
『OK.昼から俺んちでいい?』
返信返信。
『うん。それでいいよ』
よっし…決戦は土曜日だ。



土曜日。
和也の家は歩いて10分くらいなので昼食の後、歩いて行く。
和也の家のインターホンを押す。
「はい」
和也の声だ。
「悠だけど」
「おう、入ってくれ」
「はいな」
うーん、和也の家も久しぶりな気がする。ほんとは先週の日曜も来たんだけど、気分的にそんなかんじ。 和也の部屋はベッドに机にテレビと本棚…棚に並んでるのはマンガばかりだけど。
何気なくこの間読んだマンガの続きを棚から取り出してると和也が、
「答え決まった?」
いきなり核心を突いてくる。ってあれ…なんだか顔に痣あるし。
「顔どうしたの?」


137 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:34:45.95 ID:OyAS0tr20
「ああこれ、朝に寝ぼけて階段から落ちた」
「気をつけないと」
「あんまり寝れなかったしな」 v 「そっかぁ」
やっぱり和也は和也で色々悩んだりしたのかな?
今日は自分の気持ちを確かめるためにも思い切ってみよう!
「一緒に座ろ」
ベッドに腰掛けながら言ってみる。
「え!?お、おう!」
ちょっとびっくり和也だけど、素直にボクの隣に座る。
「和也はボクの事好き?」
「…昨日も言ったじゃないか、好きだ」
「そっか、ならキスして」
和也の目を見つめて言ってみる。というか、こうやってみるとやっぱり和也かっこいいと思う、今は腫れてるけどね。
目を閉じてキスを待ってみる。和也の息を呑むのがわかる。
心臓がドキドキと高鳴ってる感じがする、和也もそんな気持ちなのかな…
口付けの感触、初めての感触。長いような短いような間の蕩けるような感覚。
そして、唇を離した和也はボクを抱きしめて、
「やっぱり悠の事好きだ」
「うん…ボクも好き…」
そう返事をして、今度はボクからちゅっと和也にキスをした。
「ボク…女になるよ」
「おう」
「責任とってね」
和也は満面の笑みを浮かべて
「まかせとけ!」
と、胸を叩いて答えた。
それから夕方までゲームとかして遊んだ。男として和也と遊ぶのも今日で最後なんだなぁと思いながら…


140 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:36:49.33 ID:OyAS0tr20
「ただいま~」
「おかえり~」
家に帰った時はいつものこのやりとり。いつも通りお兄ちゃんはキッチンで夕食を作ってるみたい。
お兄ちゃんこそ女になってもよかったんじゃないかと思ったりする今日この頃。
「決まったか?」
キッチンからお兄ちゃんが声をかけてくる、もう決めたさっ。
「うん…女になって和也と付き合うつもり」
「そうかそうか、ちゃんと決着ついたみたいで安心したよ」
「うん、ばっちり!」

そして夕食、家族4人揃ってから宣言。
「ボク、女になるから」
「そうか、がんばれ」
何をがんばるのか教えおくれよお父さん。
「あらまあ、どうなるか楽しみ」
そんな他人事全開で言われても困るのですよお母さん。
「みっちり料理教えてやるよ」
うん、おねがいしますお兄ちゃん。
「じゃあ誕生日の月曜は休んで色々準備しないとね」v 「うん」


日曜日。
和也はサッカーの試合で出かけてるので、最後の日は一緒にいられなくてしょんぼり。
お兄ちゃんは朝からお父さんと釣りに行った。いっぱい釣ってくるって言ってたけどあんまり信頼できなかったりするけどね。
お母さんがリビングで掃除をしてるのを眺めながら、これからどうなるのか漠然と考えた。
女になったらやっぱりクラスメイトからからかわれたりするかなぁ…クラスメイトの子もそうだったし。
「ねえ、お母さん」
掃除機を止めてお母さんがこっちに向き直る。
「うん?」


141 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:38:49.58 ID:OyAS0tr20
「ボクさ…女になる事、どう思う?」
「好きな男の子がいるんでしょ?お母さんはいいと思うけど」
「え?それお兄ちゃんから聞いたの?」
「なんとなくそんな気がしたから。なんだか悩んでるみたいだったし」
「うん…それで告白されて付き合う事にしたんだ」
「それじゃあ、堂々と女の子になって堂々と付き合いなさい」
「うん、そだよね」
お母さんからお墨付きをもらったのでなんだか安心。

その日の夜、お父さんとお兄ちゃんの釣果は予想通りボウズでふたりの言い訳を聞きながらの夕食。
釣りのポイントがどうとかふたりが盛り上がってるのをお母さんに、
「でもだめだったのね」
と一蹴されてしゅんとしてるふたりがなんだかおかしくて仕方なかった。



「それじゃ、寝ます。明日からの新しいボクをよろしくお願いします」
食後にリビングでくつろいでいる3人に言ったら、一瞬沈黙の後みんな笑い出した。
「ちょっとひどーい」
「あははごめんごめん、こちらこそよろしく」
もうお母さんも笑いながら謝ってるし。
いまいち釈然としないけど笑いを背に2階の自室に上がり眠りについた。



……ん……何時……
半分朦朧としてる状態から徐々に覚醒してきたボクは時計で時刻を確認してみる。
5時…かぁ。ゆうべは早く寝たしなぁと思い身を起こす。
なんだかけだるい…女体化した時には痛みやだるさを伴う事もあるって保健の授業で聞いたのを思い出した。
そうは思いつつも確認の為に手を股間に…うん、いままであったあれがない。
胸は…一応膨らんでる感触はあるかな?
だるさが抜けないけど、もっとちゃんと確かめるために洗面所まで移動。
洗面台の鏡で新しいボクこんにちは。
んーと…髪が微妙に伸びてるくらいかなぁ。長めのボブなかんじ、元々ボブだけど。


142 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:39:58.30 ID:OyAS0tr20
顔はちょっとカドが取れたって感じ?元々女顔って言われてたからあんまりかわらないものなのかなぁ…
というか男らしく成長する前に女になってしまったんだけど。
背は縮んでるような…元々低いのにちょっとあいたた。
さっき触った時にそこそこ胸あるかな?って思ったのに鏡で見たらいまいち、何カップなんだろう。
とりあえず今確認できる事はこれくらいかなぁ、自分の部屋に戻って彼氏…和也にメール打たないと。
『無事女体化したよ~寝てると思うけど』
これでよしっ…とりあえず着替えよう。と思ったら和也から電話が…
「おはよう…」
ちょっと眠そうな声、まだ5時すぎだししょうがないけど。
「おはよ、女になった~」
「おめでとう、じゃなくてありがとう。俺のために」
「これからよろしくね」
「おう!というか声高くなったな、元々高かったけど」
「そうかなぁ…自分じゃよくわかんないけど」
「自分ではわからんものかもな」
「かも…」
「今から公園で会わね?」
唐突だなぁと思いつつも、最初に見せたかったし
「うん、いいよ。ボクはもう着替えてるからいつでもいいし」
「じゃあ10分後な」
「あーい」


電話の後すぐ家を出て近所の公園で待ってたら、10分たったかどうかくらいで走ってくる和也が見えた。
急いで着替えてきたんだろうなぁ…
和也はボクの前まで来ると息を整えている間、和也の顔を見ながら痣も少しは引いたかな、と思った。
落ち着いてきたらしい和也がボクをまじまじと見つめて口を開いた。
「やっぱり悠は女になってもかわいいな!」
かわいいと言われて顔が熱くなるのを感じながらも、
「なんかそれは違う気もするんだけど…」
昨日までのコンプレックスを突付かれたので反撃。


144 :紫蘇 ◆OJMjCiynlc :2007/09/09(日) 00:44:01.96 ID:OyAS0tr20
「う…まぁ気にするなよ。かわいいんだし問題ないんじゃね」
怯みつつもまたかわいいって言ってくれたので許しちゃおうか。
「ありがと」
「おう…とりあえずっ、改めて俺と付き合ってください!」
「うん、こちらこそよろしくおねがいします」
そしてボクと和也は恋人の誓いのキスを交わすのでした。

おまけ。
後で聞いた話なんだけど、顔の痣は土曜にお兄ちゃんに試されたんだって。
「悠の一生を変えるんだから、俺を倒してみせるくらいの覚悟はあるんだろうな?」
とかお兄ちゃん言ったらしいよ、今度この話でお兄ちゃんをからかってみよっと。
でも空手やってるお兄ちゃんと倒してでもボクを取ろうとした和也に感動。
勝てるわけはないんだけど、気持ちはお兄ちゃんに伝わったみたい。



おわり


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年08月02日 11:44
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。