今日は久しぶりのカラオケだ。
少し前まで試験期間だったので大袈裟でなくほんと久しぶりだ。
試験の打ち上げにカラオケしようという親友の涼の提案。気疲れしたしストレス発散にいいだろう。それで涼が他の友人達も誘ってたみたいだが、カラオケ決めたのが急だったのか他に誰も捕まらなくて結局二人だ。
いまいち盛り上がりに欠けるが…まぁ回転が上がるしよしとするか。
約束の時間、カラオケ屋の前。
晩飯は済ませてきた。明日は土曜だし歌いまくってやるか。
そして涼の登場。
「おっせーぞ」
「ごめんごめん、道路が混んでてバスが遅れたんだ」
なるほどな…しかし、
「おまえ、自転車で来てるだろ」
「自転車担いでバスに乗ったんだ…あっ、だから乗り降りに時間かかっちゃって、ね?」
むしろ、そんな光景見てみたいぞ。
「まぁいいや、とりあえず行くか」
「はいな」
早速少人数用の部屋に入り、順番に歌い始める。
新譜の練習もしたかったのでふたりして新しいのを歌いまくってたら、すぐに歌える新譜は尽きてしまった。
さすが二人だ、待ち時間少ないぜ。なのでちょっと古い曲モードに双方切り替わる。それも大体歌うのは歌ったなぁって頃、配信曲リストと格闘しながら涼の歌を聴いていた。
涼も歌い過ぎたのか声も枯れて高くなってるな…
……
……高く?
「いっちまんねんとにせんねんまえから、あ・い・し・て・るぅぅぅぅ♪
はっせんねんすぎたぁころか~ら、もぉとこいし~くなぁぁあた♪」
歌いながら涼(?)がステージからソファーにやってきた。
(?)なのは髪が伸びてたり、シャツの胸の部分に膨らみがあったり、顔がなんだか女ぽくなってるからだ。
「いっちおくとにせんねんあぁとも、あ・い・し・て・るぅぅぅぅ♪
きみをしったそぉのひから、ぼくのじごくぅにおんがぁくはたえなぁぁぁい♪」
隣に座った涼がサビを歌い終え。
「ねーねー」
「ん?」
俺が振り向いたところにいきなり涼の唇が俺の唇に触れてきた。
とてつもなく長く思われた時間が過ぎた後、涼が言う。
「今の歌はボクの洋介に対する気持ちだよ?ボクを洋介の彼女にしてください!」
俺は可愛くなった涼を何も言わず抱きしめていた…
時計を見たら0時を過ぎていた
16歳まで童貞だと女体化するのは常識だったな。
終
最終更新:2008年08月02日 12:01