「どれぐらい貯まったかなぁ?」
机に置いてある、1円玉が詰められているペットボトルを眺める。
あと少しで1円玉でパンパンに詰められる。
小学生の頃からずっと続けていた1円貯金。
大きなペットボトルに詰め込まれている1円玉の量は、どれくらいあるのか見当がつかない。
1円のお釣りが出たときは、必ずここに入れている。昔からの日課だ。
これが満杯になったら何を買おうかな、とずっと考えていた。
満杯にしたからといって別段欲しい物もない。強いて言えば、女体化してから一回試しに使ってみたかったアレくらいだろうか・・・。
彼女の頭の中に、うねうねと動くいやらしい物体が浮かんだ。
お気づきの方もいらっしゃるだろうが、アレである。
アレって言っても、分からない方もいるだろうが、自主規制させていただきます。
それから半年後、ようやくペットボトル満杯になった。
彼女の夢と希望が一杯につまったペットボトル容器。蓋の部分を開け、ベッドのところに開け放った。
ジャラジャラと大きな音を響かせながら、1円玉は容器から吐き出されていく。
相当数の1円玉がある。これを数えるのには相当時間がかかるだろう・・・。
どれくらい経ったか分からないが、数え終わったようだ。
大きくため息をつき、読み取れないほどの数が書いてある紙を見る。
「6,000円とちょっと・・・」
1円しかないのだからそんなものだろう。だけど彼女はちょっぴり落胆。
仕方ないと自分に言い聞かせ、改めて欲しい物を思い浮かべる。
鞄に1円玉の入った容器を入れ、銀行に向かう。両替しに行くのだ。
このままでは使い道がない。しかも銀行で両替しても手数料が取られる。
色々と考えながら駅前の銀行に着く。すると、駅の切符売り場の前で元気のよい子供の声が聞こえてくる。
その声を聞くと、彼女は何か決意したかのように、銀行ではなくそちらに向かう。
数分後、彼女の鞄には数え切れないほどの赤い羽根があったとさ。
最終更新:2008年08月02日 15:34