「いい話書けねえな・・・」
「ああ・・・」
細々とした部屋に、童貞臭プンプンの男が2人。
荻窪と阿佐ヶ谷という2年生が唯一の部員だ。
ここは小説研究部の部室。
『部』ではあるが、2人しかいないので、来年から愛好会に降格する。
先生達に認められるような作品を作れば、一応『部』として存続するようだ。
どうにかして2人で目の覚めるような作品を書こうとしているのだが、どうもいいストーリーが浮かばない。
今日もまた、ぼうっとしながら時間が経つのを待つばかりであった。
携帯を弄くっていた荻窪が、何かを思い出したかのように話しかける。
「おう・・・そう言えばお前、来週誕生日だったよな?」
「あ、ああ・・・そうだが・・・」
「勿論童貞だろ?」
「言われるまでも無く。」
阿佐ヶ谷は分厚い小説を読みながら、上の空で返事をする。
果たして聞いてるのか聞いていないのか分からないが、荻窪はそのまま続けて言う。
「それじゃ、女体化してくれよ。」
「言われなくたってなるから大丈夫。」
今更手遅れだということを自覚してなのか、若干投げやりな感じで答える。
「よし、それじゃお前が女体化したら、リアルなセックスシーンが書けるな。」
「おい・・・お前本気か?」
「何なら濃厚なホモシーンでもいいんだぜ?」
荻窪が、阿佐ヶ谷のズボンに手をかける。目が本気だ。
「ちょ・・・お前それだけは勘弁・・・アッー!」
これが本当の「合作」
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最終更新:2008年08月02日 15:45