『くそみそ鉄道ッス』

148 名前:くそみそ鉄道ッス ◆yhNqGdIG7M [] 投稿日:2007/09/13(木) 05:02:15.25 ID:ml8mrqkn0
「う~、切符切符。」
今、帰りの切符を求めて全力疾走している私は、高校に通うごく一般的?な女体化してしまった男の子。
強いて違うところをあげるとすれば、鉄道に興味があるってとこかナ―――――
名前は、東本希望(ひがしもと のぞみ)
そんなわけで、改札横にある券売機にやって来たのだ。
ホームをふと見ると、見慣れぬ電車が入ってきた。
ウホッ!いい電車・・・
そう思っていると、突然その電車は私の目の前で扉を開け始めたのだ・・・!

ぷしゅー(ドアが開く音)

「の ら な い か」

扉を全開に開けた電車は、私にそう言っているかのように思えた。
臨時電車なのか分からない。
いつもはこの路線に入ってこない電車がここに止まっている。

そういえばこの路線は、臨時電車がよく来るところで有名なところだった。
珍しい電車に弱い私は誘われるままに、ホイホイと電車に乗ってしまったのだった。

彼―――――ちょっと古っぽい電車で、165系と名乗っていた。
定期運用、臨時運用ともやり慣れているらしく、電車に入るなり私は4人掛けのボックスシートに座ってしまった。







149 名前:くそみそ鉄道ッス ◆yhNqGdIG7M [] 投稿日:2007/09/13(木) 05:04:20.03 ID:ml8mrqkn0
「よかったのか、ホイホイ乗ってきて。この電車は一般人だってかまわないで乗せちゃう臨時電車なんだぜ。」
突然、目の前に座ってきた人にいきなり話しかけられた。
非常にスマートな体つきをしており、年齢的には私と近いような感じだ。
彼は高そうなカメラを椅子に置き、荷物を網棚に乗っけた。
一般人も乗せられるということは、定期の間合い運用、もしくは検査の代走なのだろう。
「こんなこと久しぶりなんですけどいいんです・・・。私、165系みたいな4人掛けのボックスがある電車が好きですから・・・。」
私は少し頬を染めながら話す。
向かい側の男の人は感心しながら頷く。
多分こんな若い女性が、165系という廃車間際の電車が好きということに、強い関心と興味を抱いたのだろう。
「うれしいこと言ってくれるじゃないの。それじゃあ、とことん喜ばせてやるからな。」
言葉どおりに、彼は素晴らしい鉄道オタクであった。
網棚に乗っけてあった大き目のリュックの中から、彼の今まで撮影した秘蔵のコレクションを延々と見せ付けられた。
興奮しながら私に説明してくる。
私はというと、目線に焼き付けられる秘蔵コレクションの数に、心躍らされていた。
しかしその時、予期せぬ出来事が・・・







150 名前:くそみそ鉄道ッス ◆yhNqGdIG7M [] 投稿日:2007/09/13(木) 05:04:43.44 ID:ml8mrqkn0
「うっ・・・!で、出そう・・・」
「ん?もうかい?意外に早いんだな。」
そう言うと、彼は左腕の時計に目をやった。
発車の時間と勘違いしたのだろう。
「ち、ちがう・・・実はさっきから家に帰ろうとしていたんです。駅に来たのもそのためで・・・」
自宅方向へ向かう電車の時刻は残り2分。
この電車の向かい側に止まっている湘南色115系が目的の電車だ。
これに乗らなければ、私は家に帰れない。
「そうか・・・」
彼は顎をさすりながら、何かを思いついた。
「いいこと思いついた。お前、この電車で家に帰れ。」
「えーっ!?この電車でですかァ?」
冗談言ってるんじゃねぇと思った。
この電車、先程確認してみたら私の自宅とは逆方向に向かう。
これに乗ってしまったら、次の停車駅までかなりの距離がある。
「鉄道好きなら度胸!何でも乗ってみるものさ。きっと気持ちいいぜ。」
自分の身に危険を感じたのか、それとも早く家に帰りたかったからだろうか。私は席を立った。
網棚に乗せた荷物を取ろうとしていると、甘い言葉で囁いた。
「ほら、遠慮しないで乗ってみろよ。」
彼はそういうと、上に羽織っていた肌着を脱ぎ捨てた。
汗でうっすらと透けて見える乳首にエロチシズムを感じた。
(見知らぬ人を臨時電車に乗せるなんて、なんて人だろう・・・)
しかし、窓際に備え付けてある栓抜きや、アナウンスに入る前の鉄道唱歌の手動チャイムの音に、そんな狂気じみたことをためしてみたい欲望が・・・







151 名前:くそみそ鉄道ッス ◆yhNqGdIG7M [] 投稿日:2007/09/13(木) 05:07:02.81 ID:ml8mrqkn0
「それじゃ・・・乗ります・・・」
手に持っていた荷物を再び網棚に乗せ、座席に座った。

グン・・・

ズ!

ズズ!

ニュゴッ!

「は、発車しました・・・」
発車鈴が鳴り響いた後、私たちを乗せた電車はゆっくりと動き始めた。
「ああ・・・次は○○(次の停車駅)だ。」

夕暮れに染まる町並みを眺めながら、目的地へと電車は向かう。
乗車率は・・・半分くらいというところだろう。
中にはスーツに着ている人もおり、会社帰りということが伺える。
今にも壊れそうなモーター音を響かせながら、次から次へと駅が通り過ぎた。

「それじゃ、降ります・・・」

シューッ

キュキューッ

電車はブレーキ音高らかに、ゆっくりと停車駅のホームに滑り込んだ。
私はこの区間だけの乗車だったので、彼に一言あいさつをした。







152 名前:くそみそ鉄道ッス ◆yhNqGdIG7M [] 投稿日:2007/09/13(木) 05:10:01.75 ID:ml8mrqkn0
「いいぞ。この駅でどんどん人が降りて行くのがわかるよ。」
駅弁を食べながら言う。とてもおいしそうに食べる人だ。
「しっかり車内の写真を撮っておかないとな。」
ほとんど人のいなくなった車内を撮る。
「くうっ、まだ乗りたい・・・!」
実はまだ悔いが残っていた。
こんな貴重な電車に乗るのはもうないだろう。廃車間際であるし・・・。
この体験は、乗り鉄である私に非常に悔しいものとなった。
まだ乗っていたいという衝動に駆られ、なかなか電車を降りられずにいた。
何とかデッキに移動した私。するとタイミングよく、扉が閉まった。
あまりに優柔不断だったせいなのか、ホームに降りようと考えた矢先、僕の体は閉まる扉にぶつかった。
「ああーっ!!」
ぶつかった瞬間、なんとも言えない声が漏れた。
多分誰かにこのあほらしい、とても気の抜けた声を聞かれているはずだ。
私はすごく恥ずかしい気分になった。

プシュー

シャー

「そのぶんだと、そうとう悩んでたみたいだな。」
私は先程いた彼の席まで戻る。
席に座ると同時に、彼が苦笑いしながら言った。
「写真のフィルムがいっぱいだぜ。」
そう言うとカメラを手に取りながら、新しいフィルムに入れ替えた。
私は知らぬ間に呼吸が荒くなっていた。
はっはと肩で息をしていた。
「どうしたい。」
彼が少し心配そうに声をかける。







153 名前:くそみそ鉄道ッス ◆yhNqGdIG7M [] 投稿日:2007/09/13(木) 05:13:28.80 ID:ml8mrqkn0
「あんまり乗り心地がよくて・・・こんなのに乗ったの初めてだから・・・」
「だろうな。俺も初めてだよ。」
彼は駅弁を食べ終えると、再びバックから何かを取り出した。
「ところでこの本を見てくれ。こいつをどう思う?」
彼が取り出したのは、鉄道ファン垂涎の雑誌だった。
今では絶版となってしまい、そうとうプレミアなものだ。
「すごく・・・欲しいです・・・」
私はつい本音を言ってしまった。
貰えるはずがないことは承知ではあったが、心の奥底では欲しいと願っていた。
「欲しいのならやるからさ、このままじゃ収まりがつかないんだよな。」
今まで穏やかだった彼の表情が突然変り、私の体を強く引っ張った。何か・・・獣のような目をしていた。
私はやめて、と抵抗をする。だが運悪く、電車はトンネルの中に入ってしまった。
この車両は客が一人もいない。大声で叫んでも助けは来ない。
「あっ・・・」
私の口を手でふさぎ、申し訳ない程度に膨らんでいる私の胸をもみ始めた。
口では抵抗していても、体は正直な反応を示した。
「こんどは俺の番だろう?」
「ああっ!!」
全く持って支離滅裂なことを言い出す。
何が俺の番だ?抵抗する私をさらに抑え付ける。
胸が肌蹴た私の姿を、彼は写真に収める。
「いいぞ・・・小ぶりでいい形だ・・・!」
篠山紀信ばりの写真でも撮ろうというのか?
それともばら撒こうとでもいうのか?
もう抵抗する力すらなくなった私は、ただされるがままにいるだけだった。







155 名前:くそみそ鉄道ッス ◆yhNqGdIG7M [] 投稿日:2007/09/13(木) 05:18:33.21 ID:ml8mrqkn0
「来・・・来る・・・」
「なんだァ?胸撮られてるのに何が来るだぁ?ここには誰もこねぇよ。」
「ちっ、ちがう・・・!!」
独特の帽子を被り、白い手袋をはめた人がやってきている、と小さな声で言った。
「なにイ?車掌が来ているだって?」
途端に彼が慌てふためく。
車掌は一歩一歩、確実にこちらへ向かってきている・・・訳はない。
だが彼から逃れるためにはこういう嘘をつかなくてはいけないと咄嗟に思った。
「お前、俺を犯罪者にしようとしてるんじゃねぇのか?」
動揺しているのか分からないが、意味不明、かつ理不尽なことを言ってきた。
つうか、お前からだろうが。こんなことしてきたのは。
「しーましェーン!!」
何故だか知らないが、私も訳分からず謝ってしまった。
「しょうがねぇなあ。いいよ、いいよ。俺がレイプしてやるからこのままでいろ。」
ちょw急展開www
やけくそになった彼の表情。
どうせ捕まるのだったら、やってから捕まろうって魂胆なのだろうか。
目はどこかにいっちゃっており、口元は半開き。笑みを浮かべているようにも思えた。
がたん、と電車が大きく揺れる。
網棚に乗せてあったリュックから、ばさっと電車の写真が私たちのところに散らばる。
「鉄道の写真まみれのなかでやるのもいいかもしれないしな!」
「えーっ!?」
意味不明すぎる・・・

――――と、こんなわけで、私の女体化してからの初体験は本当に糞過ぎる結果に終わってしまったのだ・・・
ちなみに、あの後本当に車掌が来て、彼がどうなったかというのは言うまでもない・・・。



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最終更新:2008年08月09日 22:54
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