そんなわけで俺は今孝志の部屋で夕飯のハンバーグとクリームシチューを作っている。
「友、まだー?」
「今焼いてるとこ!あぁ、シチュー盛っといて」
料理のレパートリーが少ないのでこれが精一杯だ。何を作ってもおいしそうに食べてくれる彼氏っていいよね。そんな彼のためにももっと練習しないと。
そして夕飯を食べおわって
「実は俺、エプロン萌えなんだ。さっきのお前のエプロン姿、反則的に似合ってたぞ。というわけで や ら な い か」
「そんなどっかの鈍感主人公の真似して・・・こないだはスク水だとかツインテールだとか言ってたじゃねーか。一体いくつの属性持ちなんだよ・・・」
「グドンも格好良いんだぜ?それにお前だったらどんな格好でもオールOKなんだぜ」
「////う、うるさい!今日はダメな日だからどっちにせよダメなんだ!」
なんてやり取りをしていたときだ。
『あんたッ!!!!何なのよこれはッ!!!』
『お前こそこれはどういうことだッ!!!今日こそしっかり説明してもらうからなッ!!!!』
いきなり怒声が響いてきた。驚愕混乱してる俺に孝志は
「ああ、ここ壁が薄いから隣の声が聞こえてくるんだよ。ん、目が潤んでるな、怖かったか。おーよしよし」
膝のうえに座らせられた。頭を撫でられるのは好きだから手は振り払わなかったが一応弁解はしておかねば。
「こっこれは目にゴミというか睫毛が入ったとかそういうのだから別にびっくりしたというわけでは決して・・・」
「はいはい。大丈夫だって。あの夫婦週一で怒鳴りあってるけど、それ以外の時はもう、見てるだけでシロップ付けの氷砂糖をチョコフォンデュしてるような気分になるくらい甘いから。」
孝志の表現はいつも大袈裟だ。
「仲、いいんだな・・・」
「だね。俺たちもそうなりたいもんだ」
「喧嘩は嫌だな・・・・・あとあんまり甘すぎるのもちょっと・・・」
「そうか?俺はお前とならどんなに甘くても構わないぞ」
「っ・・・耳元で囁くなぁ・・・・///」
こうして俺たちの夜は更けていく。
風呂上がりに襲ってきた孝志をKOしてしまったのはまた別の話。
最終更新:2008年09月06日 21:59