安価『半分だけ』

とある昼下がり。
「おー友、おかえりー」
孝志がうちに遊びに来たのだが、俺が買い物中で不在だったので親が勝手に入れたらしい。勝手なことしやがって。
「で、何買って来たんだ?」
「とろ●わプリン抹茶味とと●ふわプリンバニラ味と●ろふわプリンチョコ味」
値段以上の旨さがあるね、これは。定価の2倍出してもいいくらいだ。「プリンか、じゃあ抹茶味貰おうかな」
「何言ってんだ、全部自分で食うために買ってきたんだ。食べたかったら買ってこいよ」
「友、その服似合ってるな」
「おだててもやr」
「高かったんだよなー誰かさんが駄々こねててなー仕方なく買ってやったんだよなーあれー財布がやけに軽いなーいまにも宙に浮きそうだー」
ぐぅ。でも本当に欲しかったのだ、女の子はお洒落に妥協してはいけないのだ。だから仕方が・・・
ちらりと横目で見られる。こっち見んな。
「ああもう、分かったよ!半分!半分だけだからな!?」
「お、くれるのか。友は優しいなぁはっはっは」
ベッドのうえに座ってる孝志のもとに近づくと、いきなり引き寄せられて膝に座る形になってしまった。
「ちょ、なにすnひぁ!?」
み、耳に、息が、
「ほら、渡せって」
耳元で囁かれ怯んでると、プリンとスプーンを奪われた。
「せっかく二人で食べるんだ。はい、あーん」
目の前に出されたスプーンにかぶりつく。うん、なめらかな舌触り、やわらかい甘味。
「旨いな、これ」
孝志に食べさせてもらいながら、二人交互に口に運ぶ。孝志はちゃんと俺の一口分の量を知っていて、それが凄く嬉しい。



量は減ったけど、でもだからこそ、値段以上の価値があるプリンだった。



「さあ、次はチョk」
「だからだめだって!」




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最終更新:2008年09月06日 22:00
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