安価『クロス from《名前を呼んで》byP90』

「「おーい、アキラー!?」」

「「……ん?」」


 休日昼下がりの公園噴水前。何故か自分の隣から響く自分の台詞に、妙な違和感を覚えて横を向いた。
見れば、そこには同じようにこちらに胡乱な目を向けてくる男が一人。

 ……うん、ドッペルゲンガーにしちゃ随分何と言うか、根底からしてお粗末というか。あれだ、性別からして間違ってるのは流石にちょっとうっかりさんが過ぎると思うんだがどうなんだろう。
 それとももしかすると、天国だか何処だかの戸籍ではまだ俺が男として処理されているんだろうか?
 そう考えれば確かに目の前のこの男、以前の俺に似ていなくもない。言わば纏う空気みたいなものが。

 ……その場合どうなんだ? やっぱりそれでも死ぬのか俺は?
 瞬間、脳裏を掠めるのはかの有名なあの言葉。

 『当たらなければどうという事はない!』
 むしろ当たりゃ死ぬんだよクソ仮面。


 ――言い訳する。混乱していたんだ。
「……あのー、アンタ明の知り合いか?」
「邪魔です大佐!」
 かけられた声に反射的に叫んで。

 ……目をしばたたかせながらポカンとこちらを見る姿に、俺はようやく我に帰った。


 ――頬に指当て、髪を靡かせお茶目にウィンク。
「…………テヘッ♪」
「………………」


「あああ待て! 頼むからそんな可哀相なモノを見る目で離れていかないで! せめて言い訳させてくれぇッ!」
 泣きそうになりながら追う俺の足元で、くるっくー、と鳩が平和に鳴いていた。



 必死に名も知らぬ少年を引き止め、言い訳する事幾星霜。
「いやー、てっきりちょっとだけヤバイ人に話しかけちまったかとばっかり」
「もう勘弁してくれ……こういうのは俺のキャラじゃないんだから……」
すっかり意気投合した男二人――もとい、男女が一組、噴水脇に腰掛けていた。

 聞けばコイツも恋人待ちで、その名前が偶然にも同じ『アキラ』らしい。
 その相手側もこっちと同じく遅れているようで、結果俺達は『反アキラ同盟』として通じ合い、暇潰しがてらの雑談をしつつ今に至る、と。

 ……話の判る奴で、正直助かったと内心ホッとしているのは美少女の無邪気なご愛嬌ってものだ。そうだともさ。


 そのまま雑談は、そもそもの発端の愚痴へと続く。
「大体な、お前が『アキラァ♪』なんて名前を色気づいた猫撫で声で叫ぶのが悪いんじゃねーか。盛ってんじゃねーぞチクショウ」
「……その台詞、そっくりそのままアンタに返すぞ?」
「俺はあんなスウィート機動アフターバーナー全開じゃねーぞコラ。呼ぶか呼ばれるか、そんな空気がいいんじゃねぇか、女子供はすっこんでろ」
「……つっこんでいいか? なあ、つっこんでいいか?」
 お互いの待ち人も来ないまま、打てば響くようなやり取りが続くのが非常に愉快だ。どうもコイツとは俺と同種の何かを感じて仕方が無い。
 まあもっとも、お互いに待ち人が『あるがこそ』にこの一種の気安さが生まれるのかもしれないけれど。


「しかし随分な偶然だな、同じ名前が待ち合わせ相手ってのも」
「まーな、もっともこっちのは男だが」
 しみじみと言う男に、少し苦笑する。確かにあってもおかしくはないが、性別が違った上で同じというのも随分な話だ。

 と、
「あー…………」
「ん? どうかしたか?」
 その返答に微妙な顔をする男に少し首を傾げた。
 そのまま少しだけ思案顔になった後、男はふっと微苦笑を浮かべる。
「いやまあ……アンタだったらまあいいか」
「だから何がだよ」

 そして男は一つ息をつくと、
「いやな、ウチの明も元は男だからさ」
 さも大変な事のように告白した。


「あーなるほど」
「え、反応うっす!?」
「と、言われてもなあ……」
 あっさり相槌を打った俺に大袈裟に驚くひょうきんな男が一人。というかむしろこいつは俺にどんな反応をして欲しかったのだろうか。
 俺が心底どーでもよさそーな表情をしていたのか、更に焦ったように男は言葉を、
「い、いやでも、やっぱり純粋な女としてはこういうのは結構微妙な心持ちになったりするもんなんじゃないのか?」
 続け――

「…………ハァ?」
 ――突然の予想外発言に、思わず目を丸くした。
「な、なんだよ……」
「いや、なんでって、お前……」

 二の句が告げずにいる俺を、目の前の男は事もあろうに心底不思議そうに見てくる。あ、その顔ちょっといい――とボケている場合でもない。
 うわ、素だよコイツ。こんだけ喋ってちっとも気付いてねーよ。こちとら隠すつもりもないのに、っつーか普通気付くだろう?

 ピッと人差し指を立て、演技じみた仕草で男の眼前に突き付ける。
「あのな、気付け。というか常識的に考えろ」
「あ?」
「一人称、俺。男っぽい趣味及び言動。にも関わらずどう見ても女。導き出される答は?」
「あ、え?」

 そこまで言わせておいて、まだ戸惑ったようにこちらを見る男。認定、この男はどっかのアイツもびっくりの真性だ。……思わず深い溜め息が零れた。


「はい時間切れ。答は俺も元男だから。アーユーオーケイ?」
 投げやりにシンキングタイムを切って正解発表をすると、、男はポカンとアホ面を浮かべる。

「……マジ?」
「本気と書いて『嘘偽りない真実であることをここに誓います』だ」
「長いなおい」
「それっくらいにはマジだからな」
「……へぇ…………」


 ――はっきりと宣言した後に感じたのは、物珍しそうな顔でこちらを見る視線。
 ああ、やっぱりダメか、と心の中で静かに落胆する。

 コイツは大丈夫じゃないかと思っただけにそれは尚更大きくて、ズンと胸の奥に鈍い感情の塊が沈んでいった。

「……そこまで驚くような事じゃねーだろ、別に」
「あ、いや、そりゃそうなんだが……」
 返しながら、少しバツが悪そうに視線を背けるその姿を、褪めた目で見つめる自分を自覚している。

 ……いくら最近はそこまで珍しくないとは言え、女体化したと聞けばやはり基本的にはみんな、多かれ少なかれこんな奇異の目を向けてくるものだ。それは或いは揶揄だったり、或いは興味だったり、また或いは哀れみだったり。
 はっきり言って、俺はそれが何より嫌いだった。俺は動物園のパンダじゃない。ましてや病気で先が長くない薄幸の美少女でもない。まあ美少女であるところは自他共に認めるが。

 だからこそ、嬉しかったんだろう。

 ――思い返されるのは、酷く懐かしいやり取り。

『……よう、どうした親友、鳩につままれたみたいな顔して――?』
 女体化して、それを気にしないポーズを取りながらアイツに話しかけたあの時。
『……それはまた、狐が豆鉄砲を撃つよりもさぞ驚くだろうな、阿呆』
 変わらず人をアホ呼ばわりしてくれた、たったそれだけの事が。

 まーもっとも、よく話を聞けばあれも一種のポーズだったらしいが。詳しくは小っ恥ずかしいので忘れた。他人の一目惚れなんぞ知ったこっちゃない。


 ……本当に何となく、来たら体罰と心に決めた大遅刻中のバカを許してやろうかと思い始める。
 あれだ、どうせコイツも見込み違いだったようだし、まあなんだ、結局俺が付き合える奴なんてアイツくらいしかいないんだから、
 ――少しくらいは、優しくしてやろうか、なんて思ったりしない事もない。


 そんな優しい気持ちになり始めていた俺を。

「……いや、なんつーか、アンタが凄い綺麗だったからさ」
 そんな台詞が、ぶっ飛ばした。


「――――ハァ!?」
「あ、いや他意はないんだぞ!? ただなんかアンタは凄く仕草とか雰囲気とか物腰とか、自分で思ってる以上になんつーか女らしいんだって!」
 思わず目を剥いた俺に、そっぽを向いたまま必死に言い訳する顔が少し染まっていてかわい――いや落ち着け俺。お前はあんな口説き文句一つで落とされるようなヤワな奴じゃない筈だ。
 サッと血が上りそうになった頬を、プハーと深呼吸でクールダウン。意味もなく髪を掻き上げて間を保つ。うん、今日も指通りは良好だ。
 よしまだやれるな、いい子だ俺。余裕のない子がお姉さんは大嫌いだ。

 よし、落ち着いた。


「フゥ――――おいおいおい、冗談はいけねぇぞボウズ。いくら元男だからって、あんまおじさんをからかっちゃいけねぇなぁ。彼女さんが泣いちまうぜ?」
 ――そうして体勢を立て直そうと余裕ぶってみせて。
「だから本気なんだよ。そりゃ明は可愛いが、アンタはなんつーか綺麗で――大体、元男とかどうでもいいだろ?」
「……さりげない惚気、どうもありがとう」
 ささやかな抵抗もむなしく、厚い筈の俺の面の皮が赤く染まったのを感じた。


 憮然として、更に語ってくれようとする肩をちょいちょいと叩く。
「あれだ」
「あ?」

 すう、と大きく息を吸い込んだ。
「空気読めこのニブチン野郎が」
「……おお? え、ちょっ――」
「その返答が既にニブチンなんだよマヌケ。ちったあ可愛らしい控え目な乙女の心の一つや二つ察しやがれトンマ。どうせテメェそのお得意の鈍さで彼女と一悶着二悶着起こした事あるだろ、ああ不甲斐ない」
「う……」

……適当に言った事が本当に図星を指したらしく、あっさりと開きかけた口を閉じる男。それに調子づいて、俺は更に畳み掛けようと――したところで。

「……悪い、ホントにいつも俺はこんなでさ、明と付き合う時だって、アイツの心も考えず一人で勝手に自己完結して……」
「……うぇ?」
 ――何やら嫌な記憶を思い出したのか、俯いて暗い気配を振り撒き始めたその姿にかなり焦る。

「あーいや、今のはあれだ、俺一流のごまかしというか――あんま真に受けんな、な?」
「いや、でも事実なのは確かだからな……本当に俺は、どうしてこう……」

 俺の自爆気味のフォローも聞かず、デフレスパイラルに落ちてゆく男のテンション。どうやら知らずに地雷を踏んだらしい。……困った。
 ――仕方ない、こういう時こそ力技だ。


「……ほれ、ぐー出せ」
「……あ?」
「ぐーだぐー。じゃんけんの……ああもうほら!」

 こちらを呆けた顔で見上げるだけの男の腕を掴むと、そのまま拳を合わせる。……昔ならともかく、今では大きさに随分な差が見えるのが僅かながら複雑なものを抱かせるけれど。

「何があったかは知らんが、これだけはお姉さんと約束だ」
 似合わないクソ真面目な目をして、男の瞳を覗き込んだ。
 逸らされない瞳に満足する。

「空気が読めないでもいい。乙女心が判らないでもいい。だがな――」
 軽く拳をぶつけて、ニヤリと笑う。

「――信じてやれ。相手の子を傷付けるような鈍さは油と一緒に固めて捨てろ。……俺らもな、これで中々うぶな乙女してんだよ」
 キザにウィンクを一つ飛ばせば、ようやく返ってくる苦笑。
「……それくらいは判ってるっつーの」
 ごん、ともう一度強く拳をぶつけた。

「しかし、指切りじゃないのか?」
「こっちの方が『らしい』だろ?」
「……確かにな」
 言葉を交わし、軽く笑いあう。

 ――安心した。前言撤回、コイツもこれでなかなかには判ってる子だったらしい。

 そうして、俺はホッと一息ついて――




 ――刹那、肌に突き刺さるような殺気を感じた。

「……ほほう」
「……今度はなんだよ」

 不敵に微笑んだ俺の表情に嫌なものを感じたのか、再び表情を曇らす男。……いくら『アレ』が視界に入っていないとは言え、これで全く感じ取れないとは、やっぱり真性だなと再認識する。


 その背中越しに見えるのは、まるでドス黒いオーラをすら纏っているかのようにこちらを睨む可愛らしい少女の姿。風に揺れるやわらかそうな猫っ毛が愛らしい。

 ……思わずキレそうになった。
 っつーかなんだあれ、目茶苦茶可愛いじゃねーかコラ。
 何、慰め損? まんまと童貞のままさようなら凸こんにちわ凹した俺に喧嘩売ってんのかコイツ。
 まんまとあんな子とギシアンしといて何が不満だ死なすぞテメェ。

 と、

「ちょっと待ってよ、アキちゃーん!」
 その少し後ろからかけて来る、同じ顔の少女。
 その声に反応して、男が振り返り――
「あれ、ひろ――――」
 そのまま、鬼を見て凍り付いた。


 オーケー、今のやり取りから類推しよう。
 少女Aはコイツの恋人。二人のデートについてくる少女HはAと同じ顔。かつこの男は二人共と知り合いらしい。

 結論、僕らの夢を乗せて双子丼かこのカス。


 潰す。ミッション『キューピッドアローTypeデストロイ』、状況を開始する。

「おい」
「う…………あ……?」
 蛇に睨まれた蛙のように後ろを見たまま凍り付いていた首が、ギシギシと音を立ててこちらを向く。その瞬間に一層殺気が強く辺りに迸ばしった気がするが、まあ現実逃避としては悪い選択肢じゃないから、男のとった行動はあながち間違いだとは言い切れない。
 もっとも、向き直った相手が俺でなければ、だが。
 おそらく今の我等が怨敵の視界には、満面の笑みを湛えた悪魔が映っている筈だ。前門の悪魔後門の鬼。進退窮まるとはまさにこの事か。お似合いだ。

「ほれ、約束したご褒美に、お姉さんからプレゼントだ」
「……あ?」
 そして俺は笑顔と共に、ガチリと両手で頭部を固定して。

「………………ん」
「……っ、ちょっ……!」
「んな――――――!?」

 軽く額に唇で触れた。


 そして時は動き出す。
「うん、洗顔もしてあるし、髪も整えてあるな。当たり前っちゃ当たり前だが、なかなかポイント高いぜ?」
 いい、凄くいいよこの空気。
 ビシビシと、ほんの僅かずつひび割れていくような凍てついた空気に思わず邪悪な笑みが浮かんでくる。
 まさに一触即発。誰かが空気をそっと揺らしてやれば、一気に崩壊するニトロに満ちたこの空間。だから俺は、

「じゃ、後はごゆっくりィ~♪」
 クケケと笑いながら、その場を颯爽と立ち去った。

 ……っまさとしィィィ――――ッ!、と、背後から聞こえた凄まじい罵声がのどかな公園を素敵に彩ったのは、その数秒後の事である。





 木漏れ日が差し込むちっぽけな散歩道を清々しい気分で歩く俺。今ならクソガキがボールぶつけてこようが、笑顔で差し出してやる優しさを持てそうな気がするよお母さん。
 ……とは言ったものの、はて困った。

「……さて、どうしよう?」
「何がだ」
「いや、この状態で噴水前に戻る度胸は流石にないし、かと言ってあそこにお前が来ても困るし……」
「……ならば場所変更のメールでも送ってみたらどうだ?」
「おお、それグッドアイディア。『果たし状、並木道中程にて待つ』送信、と」
 直後、隣から低く響くバイブレーションの音。
「……届いたな」
「だなあ」
「…………ボケが長いぞ、阿呆」
「お前のツッコミが遅いのが悪い」

 傍らを見上げれば、見慣れた顔が一つ。……だが何やら今日はいつにもまして酷い仏頂面である。
 まー原因は予測がつかないでもないが。

「ちなみにどっから見てた?」
「……ふん、なんの事だ?」
 そう言うと不機嫌そうに鼻をならし、半眼でこちらを見下ろすバカ。……お前何も知らないでその態度だったら、それはあまりに不条理じゃないかとは思う。
 だがまあ今回ばかりは俺が悪いのでそこまで追究してやるつもりはない。
 とは言え――
 ニヤリと笑う。
「ふーん、それならいいんだけど。あ、そうそう、さっき結構いい男見つけてさー」

 ――だからと言って、素直に謝るようなつもりは毛頭ないが。



「それが意外と面白い奴ではあったんだけどな、なんか少し恋人の事とかで悩みがあるみたいだったから、仕方なく励ましの真似事みたいな事をしてやったんだけどさー」
「…………」
 男の話を始めた途端、露骨に不快そうな顔をして返事すらせずさっさと歩き出すバカ。その視界の外で笑いを噛み殺しながら小走りで後ろについて、穏やかな昼下がりの小道を歩く。

「いざ恋人が来てみれば、目茶苦茶可愛いでやんの。しかも双子丼だぞ? いや、俺は思ったね 。こいつは天誅が必要だと」
 返ってくるのは緑風に応える柔らかな葉擦れの音と、歩調の違う二つの足音ばかり。よし、周囲に人影なし。……全く返事がないのが、本気で怒っているらしくてちょっとアレだが。
 邪魔にならないよう、乱れていた髪を右手でかるく梳いて払いのける。

「だからな、俺は奴の彼女の目の前でこうしてやった訳よ――――」


 タタッ、とリズムの乱れた足音は、そのままバカの前まで回り込んで。

「よいしょ、と――」
「な…………!?」
 胸倉を掴み、そのまま引き寄せ

 ――勢いのまま、強引に奪ってやった。


 僅かに顔を離し、けれど胸倉は放さず、そのまま5センチ程度の距離で挑発的に笑う。
「……と、こういう事がありましたー、と」
 視界の先には、こんな事じゃ誤魔化されんとでもいいたげに、必死に不機嫌面を保つバカの姿。


「……ここまではしていなかったろう」
「まー知らないお前がなんでそう言い切れるのかは知らないが……ま、これくらいは彼氏サービスって奴だ。俺は双子でもないし、あそこまで可愛くもないがお前だってヘタレだし。グレードの低い奴ら同士仲良くしようぜい?」

 言い捨てて、手を離すとそのままバカを捨て置き小走りに進む。

 追ってこない気配を振り返り、向けるのは自分でも驚く程素直な笑顔。

「おら、置いてくぞバカ! どうせお前くらいしか俺に付き合えるやつはいないんだから!」


 ――そんな台詞が、髪を遊ばせた薫風に混じって、吹い――――

「……俺はあの双子よりも、お前の方が――」
「はい公共の場所で恥ずかしい台詞ストォォップ!」
 ――もとい、全力で駆け戻り、素面のバカを思い切りドツキ倒した暖かい午後。


「……しかし、あんな地雷を放置しておいて、あの三人は大丈夫なのか……?」
「あー、多分大丈夫だぞ?」
「……根拠は」
「何となく」
「………………」




「うん、このままじゃ埒があかないからもう一度だけ聞いてあげる、あの綺麗な女の子は何処の誰で、僕を差し置いて何処からあんな子を引っ掛けてきたのかな昌俊は」
「だ、だからそういえば本当に名前も聞いてないんだっつーの! ただ暇潰しに雑談してただけで――」
「ふーん。判った、昌俊の頭の中ではその程度の付き合いの子があっさりキスしてくるんだ。でもね昌俊、ここは日本で、アメリカのルールとかは意外に通用しないんだよ? ハグとかキスとか」
「いやっ、だから本当に――――!」

「……アキちゃーん、ボクもうお弁当も届けたから、一人で帰ってるねー?」


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最終更新:2008年09月06日 22:21
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