「…これはどういうことだ、弟よ」
たまの休日、朝起きると俺はベッドに手錠で拘束されていた。
「やだー、おにーちゃん、私妹だったら♪」
目の前には喜色満面と言った様子の弟…女体化したので今は妹か…が、つっ立っていた。
「…二回目。答えろ、どういうつもりだ?」
「だいすきなおにーちゃんを手錠で拘束してるんだけど…」
俺の放った怒気にわずかに身じろぐ妹。だが、勿論そんなのには騙されはしない。
「そんなのは見りゃわかる。それでどうするつもりか聞いてんだ」
「ほら、そんなに怒らないで、ね?ちゃんと答えるから…」
答えれば怒らないとでも思っているんだろうか。ここは敢えて黙っておこう。
「…………」
「…こ、答えるからいつもの優しいおにーちゃんにも戻って?ね?」
ここまでやっといて何を言ってんだか…。どもる妹に一瞬許しそうになるが、
気を取り直して辛辣な言葉を吐く。こんなことをされて黙っていたのでは威厳に関わる。
「強気に出るのか弱気になるのかはっきりしろ。こっちが対応に困る」
「…あ、そうだった、今は私が拘束してるんだっけ☆危ない危ない☆」
…逆効果だったらしい。
つーか☆を飛ばすな。
「で、これはなんなんだ?」
「普段から女っ気がないおにーちゃんに、私がえっちな悪戯でもしようかと思って~☆」
だから☆を飛ばすなと…。
というか女っ気があっても困るんだけどな、何せ今は
俺 も 女 だ 。
んなことがあって堪るか。
「でね、してあげようと思ったら、もうここがこんなになっちゃって…」
ゆっくりとスカートをたくし上げる妹。
そこには露になった秘部が、淫らに濡れて淫靡な光を放っていた。
「だから、ね、おにーちゃん……して?」
そして妹は、俺を跨いでそのぴったりと閉じた無毛の恥部を押し付けてきた。
「うぷっ…ちょ、やめ…」
「ふわっ!息が当たってきもちい…ね、ほら、舐めてぇ…?ちゃんと出来たら解放してあげるから…」
鍵を取り出し俺の目先に突き出した妹は、とろんと表情を蕩けさせ、更に秘部を押し付け俺の鼻と口を塞ぐ。
「んぐぅ…っ!」
「早く、早く舐めてよぉ!」
耐えきれなくなったかもがく妹。だからこっちは息が出来ないと言うに。
もがくこと数十秒。ようやく気付いたか腰を上げる。
「…そっか、まずはキスだよね」
何を勘違いしてるんだ、妹よ。俺のターンはまだ…じゃない。
そうこうしている間に真っ直ぐ切り揃えられた黒絹の前髪を湛えた顔が近づいてくる。
急に何だが、俺は黒髪ロングの前髪ぱっつんが大好物です。
それを意識してかどうかは知らないが、ヤツはいつも黒髪ロングの前髪ぱっつんだ。
…そしてそれに吸い寄せられるように俺も頭を近づけて…
ゴイン!
目から火花が出るほどの頭突きをお見舞いしてやった。
運良く(?)一撃で意識を飛ばした妹。
そして俺は足で鍵を掠め取り、巧いこと拘束を逃れた。割れながら器用なことだ。
さて、どうしてくれようか。同じことをしても良いが、この分だとむしろ悦びそうなので辞めておく。
…そうだ、こうしよう。
そして俺の部屋にはうつ伏せに拘束された妹が一人、自分で買ったものながら柔らかすぎる枕に顔を埋めていた。
仕方ないので俺はリビングのソファででも寝ることにする。
…無事に俺の貞操も守られたし、リベンジにも成功したのでこれでいいとするか…。
最終更新:2008年06月11日 23:32