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『呪いの被り物』

彼女に呼ばれて、倉庫の整理をすることになった。
「あれ、これなんだろ。」
それはなにやら怪しげな羽根などのついた帽子のようなものであった。
「ねえ、かぶってみてよ。」
「はあ……。」
頭に載せてみたが特に変わったことは起きない。
このまましまっておこうか捨ててしまおうかと思ったそのとき、
「あーっ! これ説明書? みたいなものじゃない?」
確かにその古ぼけた紙にはこの帽子の絵が描いてある。
「なんて書いてあるんだ?」
「えーっと……。」
そのときチラッと『呪』の一文字が目に入った。
「不……能……交……。」
どう考えても嫌な予感しかしない。
「これをかぶったものは……、」
「かぶったものは?」
「一生異性とセックスできない。」
「な……!」

ところで俺の女体化もそろそろ差し迫っている。彼女にせがんで行為を行おうとしたが何度やってもすれ違う。
こうして呪いの恐ろしさを実感し迎えたある朝。
「とうとうなっちゃったか……。」
胸に手を当てるとぷにっとした感触が伝わってきた。
その時、家のチャイムが鳴った。彼女だ。
彼女は何も言わず俺の部屋まで上がってきた。
「俺、ちょっと飲み物取って……きゃっ!」
天井をバックに彼女の顔がアップで視界に映る。これってもしかして……。
「ふふ、これでもう男に取られることはないわね。」
してやられた。そういうことか、今彼女とは同性なわけで。
その日初めて俺たちは結ばれたのだった。


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最終更新:2008年09月06日 23:21
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