こんな日にふと思い立って部屋をあさっていると二枚の写真が出てきた。
それは同じ場所で同じように三人で撮った写真。
ただ違っていたのは全員の背丈と真ん中の人物の性別。
彼らと出会ったのは高校での入学式のことだった。
大抵同じ出身中学の子達で盛り上がっている中、ひとりで来た私はなかなか輪に入れずにいた。
その中で、性別の垣根を越えて話しかけてくれた彼ら。
聞けば彼ら同士もまた、互いにひとりだったために集まったのだという。
それから私たちはまるで幼馴染だったかのように急激に仲良くなっていった。
この時期に撮ったのが一枚目の写真だった。友情記念。裏にはその文字がはっきりと残っている。
のち、私はあいつに惹かれていった。もし好きになったのがあいつではなく彼の方なら別の物語になっていただろう。
彼も私を応援してくれた。私はあいつに告白し、みごとにOKの返事をもらった。
だがその翌月にはあいつは女になってしまう。自然と私たちの心は離れていった。
そしてさらに数か月後、あいつは私に打ち明けた。彼のことが好き、と。
もう私たちの二の舞にはなってほしくないと、私は積極的に二人の間を取り持った。
その甲斐あって、彼らは恋人同士となった。
その後も私たちの友情は続いた。
本当なら私は離れるべきだったのかもしれない。しかしもはや彼らのそばこそ、私の最も安らげる場所となっていた。
そんな私たちだったが、時が経ち卒業の日が訪れる。私たちは別々の道へと足を踏み出した。
卒業記念。それが二枚目の写真だった。
しまった、もうこんな時間。
私は写真を大事にしまうと、バッグを取り家を出た。
あいつと彼の結婚式に向かうために。
最終更新:2008年09月06日 23:23