無題 2006 > 09 > 04(月) 前790

 俺? 俺は単なる学生。

 学年? 16~17歳が多い学年。

 最近、テレビのワイドショーなんかで、不思議な病気のことばっかり特集してる。

「何とか症」とか「なんとか症候群」とかの名前で、男性が女性になる病気。

 ワイドショーが[遠まわしに]言うには、どうやら17歳までに童貞を捨てれなかったら、3人に1人位の割合で、女性になってしまうらしい。

 でも、だからって「あの」漫画家だかコメンテーターだかわからない人の発言は凄かった。

 あのコメンテーター「・・・ですから、男性の減少を防ぐために、高校生の女性体験を義務化するのが必要なんです。その為に、国営のソー【検閲】・・・・」

 いや、出来てくれれば楽しいが、多分無理だろう、それって・・・

 そういえば、昨日、うちのクラスの委員長(男)が、急に天候したなぁ。

 せっかくの誕生日だったのに、何か「家庭の事情」って先生は言ってたけど・・・

 さて、明日は幼稚園からの腐れ縁なアイツ(男)の誕生日か、何して驚かせてやろうかな・・・



 そいでもって、翌日・・・いつものHR

担任「えぇ~ (腐れ縁)君は、インフルエンザにかかって、しばらく学校に来れないとのことです。」

担任「なお。感染ると危険ですので、お見舞いなども来ないで欲しいとおのことです。」

 あら・・・今時、(8月)インフルエンザか・・・

 そして放課後

 担任は「行くな」って言うけど、やっぱり気になるしなぁ・・・どうしようかなぁ・・

 ・・・とりあえず電話してみた

俺「もしもし~(俺)ですけどー」

(腐れ縁)母「あ!(俺)君~」

俺「今日学校で、インフルエンザだって聞いたんですが、(腐れ縁)君」

(腐れ縁)母「インフルエンザ・・・ ! えぇ・・(腐れ縁)、熱が高くなっちゃって・・」

俺「(何だろ、今の間は)あ、熱があるんですか・・・」

(腐れ縁)母「え、えぇ・・・ だから、誰にも会えないのよー。(俺)君が心配してるってことは伝えておくから・・・(腐れ縁)の事を心配してくれてありがとうねー」

 何か違和感があったけど、(腐れ縁)のやつ、誕生日に病気になるなんて、ついてないなぁ・・・



 それから3日・・・

(腐れ縁)は学校に来なかったんだ。

 担任の先生に聞いたら「インフルエンザは、かかったら最低一週間は学校に来れない」って言っていたから・・・しょうがないのかなぁ

 もちろん、あれから何回か電話はして見たんだ、でも毎回(腐れ縁)母が出て、「熱が高い」とか「吐き気まである」とか言って

 とても会えるような状況じゃなかったんだ。

 そんな訳で、俺は俺なりに(腐れ縁)のことを心配していた夜・・・

(俺)母「(俺)~ 電話よー」

(俺)「誰からー?」

(俺)母「(腐れ縁の苗字)、女の子みたいよー」

 ・・・誰だろ?

 女の子!

 生まれてこの方(古い表現)女の子にあまり縁の無かった俺は、ちょっとドキドキして電話に出た。

(俺)「はいー もしもしー」

女の子「あ、(俺)か?(腐れ縁)だがー」

 あら、本当に(腐れ縁)と同じ苗字だ、しかもカワイイ声(どきどき)

(俺)「(腐れ縁)さんって言うんですかー。はじめましてー」

 女の子「は、はじめましてじゃねー!俺だよ、(腐れ縁フルネームVer.)だよ」

(俺)「(腐れ縁フルネームVer.)? まるで男の名前ですねぇ・・・親友と同姓同名ですし・・・」

女の子「その[同姓同名]だ! ・・・ って、わからないよなぁ、普通は・・・」

(俺)「???」

 女の子「いいか?もう10円玉が無い、だから一気に言うぞ」

女の子「俺は正真正銘(腐れ縁)なんだ、だが、なぜか女になっちまった」

女の子「そしたら、何か怪しい人たちが家に来て、親と話し込んでたんだ」

女の子「その会話が、あまりにもヤバくて、俺、明日にもどっかへつれてかれそうだったんで」

女の子「家から逃げ出したんだ」

女の子「で、逃げてる最中で、これから・・・・・・・・・」

 ツー、ツー ・・・

 突然、電話が切れた



 電話の翌日・・・

担任「(腐れ縁)君はお家の都合で転校することになりました」

担任「急な話ですが、昨日のうちに引っ越したそうです」

 ・・・・・・・!!!

 何故いきなり引っ越す!?俺に断りも無く!?

 帰りに(腐れ縁)の家を見に行ったら、[もぬけの殻]

 何が起こったんだ!?

 色々考えながら、家に帰ったら、背広を着た大人3人が、俺の家の居間でお茶を飲んでいた。

背広「・・・と、言うわけで、我々は(腐れ縁)さんを探しているのです。」

俺母「は・・はぁ・・・お話はわかりましたが、それがうちの(俺)に何の関係が・・・」

 背広姿3人衆(仮称)と(俺母)が何やら話している中に帰ってきたらしい・・・

俺「ただいまぁー」

背広3人衆(仮称)「・・・・・!」

 な、何だ、この居間から流れてくる異様な空気は・・・

俺母「あ、(俺)帰ってきたのー。お帰りなさいー ・・・ ちょっと居間に来て~」

俺母「(腐れ縁)君のことで、お話があるらしいのよぉー」

(腐れ縁)の話なら俺も聞きたい所ではあるが・・・何かいやな雰囲気がする・・・



 その夜・・・

 俺は自分の部屋で、ぼぉーっとしていた。

 こう・・・頭の中で「何か」が噛み合わない感じがする。

 昼の背広3人衆(仮称)は、(腐れ縁)の親戚と名乗った。

背広改め親戚「実は、ここ何日か、(腐れ縁一家)と連絡が取れなくなっていまして。」

親戚「今日、仕事の関係もあって、ちょっとこっちへ来て見たんですよ。」

親戚「すると、(腐れ縁一家)の家が、完全に空き家になってまして。」

親戚    「そこで、幼馴染の(俺)君に、何か知らないかとお話を伺いに来たんです。」

      • 違和感。

俺 「知ってるも何も、いきなり誕生日からインフルエンザで休んで、今日いきなり転校するって担任から聞かされたばかりで・・・」

親戚 「うーん。そうですか・・・ では(腐れ縁)さんの立ち寄りそうな所とかは、心当たりありませんか?」

 ・・・ 違和感、さらに強くなる。

俺 「うーん・・・最近は俺の家か(腐れ縁)の家でゲームとかしてばっかりだからなぁ」

 ・・・実はここで嘘をついたんだ俺

 ・・・

その後、親戚(?)は、「何かあったら」って連絡先を書いて帰っていった。



 あの時、俺は「何か」違和感があって、本当のことを話さなかった。

 でも、何が違和感だったのか・・・?

 インフルエンザ・・・・

(腐れ縁母)の態度・・・

 昨日の電話・・・

 いきなり転校・・・

 そして、親戚と名乗る背広3人衆・・・

 ・・・そういえば、玄関に入った時は、既に話の最中だったなぁ・・・

 !!!!

「違和感」の正体に気付いた

 ・何で、親戚3人がいっせいに「仕事の都合」なんだ?

 ・しかも、なぜ俺の事知ってる?

 ・(腐れ縁)単体の立ち回り先聞くし

 あと

 ・(俺)には「君」なのに(腐れ縁)には「さん」だった! 普通、(腐れ縁)呼び捨てか、「君」統一だよなぁ・・・

 と、すると?

 何でそこまでして(腐れ縁)の事を探すんだ?

 ・・・

「いたずらか何か」と捉えていた昨日の電話が、急に現実味を帯びてきた・・・



 それから一週間・・・・

 実は、何の進展もなかったんだ・・・

 あれから、(腐れ縁)からの電話もなけりゃ、近所や両親までも、(腐れ縁)のことをあえて話題に出さない様にしているし・・

 で、俺はというと

 学園祭が近くなって来たんで、そっちの準備やら何やらで忙しくなって・・・

 何か「歯がゆい」日々を送っていた。

 ・・・そんなある日

 いよいよ学園祭まであと3日!ってことで、その日はかなり遅くまで学校にいた。

 そして、真っ暗な道を歩いて・・・

『本当なら、きっと(腐れ縁)と二人で騒ぎながら帰っていたんだろうなぁ』

『中学の部活で遅くなった時も、二人で騒ぎながら帰ったもんなぁ・・・』

 家に着き、自分の部屋で鞄の中身を出していると、何か手紙が入っていた・・・いつの間に・・・

 ・・・・あ・・・・

(腐れ縁)の字だ・・・

「(俺)へ

いきなりこんな手紙があって驚いたと思う、いや、それ以前に俺が消えた事で十分おどろいたか。

 少し前に、(腐れ縁)と名乗る女から電話があったと思う。察しのいい(俺)のことだから、もうわかってると思うが。

 あれは俺、正真正銘 俺だ。

 先月位に、ちょっと話した事があったよな?[女になっちまう病気]ってやつ。

 どうやら、その病気らしい・・・

 誕生日の朝、起きたら女になってた。まるで漫画か2ちゃんだよ。

 でも、大変なのはその後からだったんだ。」

 ここで一枚目が終わっていた、

 二枚目を読む・・・

「まぁ、親は驚いていた、当然だよな・・・なんてったって、目の前にワイドショー並みのサプライズがおきてるんだから。

そして、救急車を呼んだんだ ・・・ まぁ、パニックになってたんだろうな。

で、救急隊員が駆けつけて、親と何やら話したかと思うと、帰っていったんだ。

で、その後すぐに、背広着た3人組がやってきて・・・」

 俺の脳裏に、「背広3人衆(仮称)」がうかんだ ・・・ あ ・・・

「居間でそいつらと何やら話しこんでいたんだ。

俺もきになるから、外で立ち聞きしてると

 『まれな奇病』

 『世間体が』

 『ぜひ研究を』

 『生活の保障は・・・』

 『早速今晩にでも・・・』

って、まぁ、ゲキレツに嫌な予感がする言葉が聞こえてきて。

そのまま、部屋に帰って、荷造りして、窓から抜け出したんだ・・・」

 あぁ・・・夜遊びするときの、いつもの脱出ルートだな って、何となく思った

「まぁ、(俺)も知ってるいつものルートなんで、誰にも見つからずに抜け出せたんだが、この先に困った。

 見た目が女になってる俺が、いつものゲーセンにふらふら行ってもなぁ・・・

 なんて、悩んでいたら、意外な奴に会ったんだよ。

委員長(男)だぜ!

まぁ・・・そいつも女になっていたんだが」

『あぁ、やっぱり』何となく理解できた。

「で、(委員長)に連れられて、同じ症状になってる奴らの隠れ家みたいなところへ案内してもらったんだ。

まぁ、大方の予想通り、そこには、可愛い女の子がいっぱいさ ・・・ って俺もだよな。

集まってる皆が、同じ症状な人達なんて、なんか出来すぎな気がして、委員長に聞いてみたんだ。

そしたら、『何となくわかる』としかその時は言ってくれなかった。

でも、今はわかる様になっちまった。」

『わかる』なにがだろ・・・ 次の便箋を読む

「何がわかるかと言うと、誕生日に女になる奴がわかるってことなんだ。

それで、委員長は俺を追っていたらしい・・・

まぁ、そんなこんなで、同じ症状の仲間と集まって暮らしてるから、俺の事は心配しないでくれ。

姿形も変わってしまったが、何とか元気にやっているから。

あと、この手紙の事は誰にも言うな。言ったらきっと、お前が危険だから。

じゃぁ、もう二度と会えないと思うが、元気で。」

 ここで、三枚目が終わっていた・・・

『二度と会えない』・・・

 あ、もう一枚ある。

「お前に書いたこの手紙を見返していて

不思議だな、俺の字は変わってないんだな。

姿も、声も、家族も、生活も、みんな変わっちまったのに・・・」

(腐れ縁)それは違うよ!もうひとつ、変わってないものがあるよ!

 そして、学園祭の日

 俺は「焼きそば屋」をやることになってたんだ。まぁ、学園祭の焼きそばだから、味などは期待しないでくれ。

 それでも、鉄板の暑さでヘロヘロしながら、怪しい焼きそばを量産していた。

 そこへ

客「焼きそば、ひとつ下さい。」

 あ、お客さんだ・・・ って、あら

 美人・・・とまではいかないが、何となく愛嬌のある可愛い女の子じゃないですか!

俺「まいどありー、今、出来たての美味しいのをつくりますねー」

 傍らにあった在庫を隠しながら、俺は新たな焼きそばを作り始めた。

女の子「・・・から。」

俺  「おまたせー ・・・ え?」

女の子「お前は大丈夫だと『わかった』から、学生を楽しんでくれ。」

!!!!!

 ハッと思うと、その女の子はいなくなっていた・・・・




(微妙ですが完 応援してくださった皆様、ありがとうございましたー)


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年09月06日 23:29
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。