安価『パフェ』

友人が、変わった。
女体化して見た目だけでなく、中身も変わった。
仲が良かったこともあり、俺たちは付き合うことになった。
一時は阿部さんとかウホッとか言われることはあったが、それは昔のこと。

今日は二人で映画を観に行くことにした。いわゆるデートである。

今は映画館からの帰り道であった。
「映画面白かったねー!」
「そうだな…」
とは言ってみたものの観に行ったのは、魔導師の女の子が誤って召喚した触手と戦う、というホラー映画だった。
ホラーはあまり好きではなかったが…。
「今からどうする?買い物とか、何か食べに行ったりとか」
「じゃあ丁度向こうに喫茶店があるし、何か食べようよ!」
友人が指差した先には良くあるような喫茶店がある。
俺たちはその喫茶店に入った。

「このパフェ美味しいよ!よ!」
「食べ切れるのか…?それ?」
「じゃあ二人で食べようよ!」
そう言って友人は、スプーンですくったパフェを俺の口まで持ってきた。
「はい、あーんしてー」
お約束の、アレか。

俺は口を開けてスプーンが口に入るのを待つ。
ぱくっ

あれ…?
友人が俺の口のすぐ近くに持ってきたのに、彼女が食べてしまった、
「あげないよっ」
そういってウィンクされた。
俺はあえて不機嫌そうにしてみた。
「あ、ごめんごめん。怒らないでよー。はい、あーんして」
またスプーンを俺の口まで持ってきた。

今度は食べることができた。
友人の言った通り、美味しい

「ゥゥゥンマーイ!俺はパフェに目覚めたァァーーッ!」
何かのスタンドが入っているのかと思うほど旨かった。
「じゃあ残り全部食べてくれない?正直きついです…」
「じゃあ俺が食べるよ!」
そういって猛スピードでパフェを丼もののように掻込んでいく。
「旨かった!地球に生まれて良かったー!」
織田裕二ばりのテンションで両手をあげる

「顔にクリーム付いてるよ」
そう言って友人は俺の顔に付いたクリームを舐め取った。
「あ、ありがとう…」
正気に戻った。
店の店主が、どんな風に俺たちを見ていたかは知らない。

コーヒー 380円
ジャンボパフェ 2500円
友人との楽しい一時 プライスレス

買える物はマスターカードで。

おわり


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最終更新:2008年09月06日 23:53
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