12 :尼:2007/09/22(土) 18:33:03.62 ID:v2xQNY1MO
「おい、その神宮寺ってやつは、誰なんだよ!」
「なんども、言ってるだろ!ただの友達だ!
だいいち、男時代の友達とそんな関係になるはずないだろ!」
「じゃあ俺はなんなんだよ!」
「お前は・・・特別なんだよ。」
「そうか・・・変な疑いかけて悪かった。
ただ、他の男に真咲をわたしたくなくてさ。」
「大丈夫だ。俺は祐作以外の男には、興味ないよ。」
「祐作・・・」
「真咲・・・」
俺たちは見つめ合い自分達の世界に入っていった。
「なに、町の、ど真ん中でピンク色の空間つくってんだよ!」
突然割って入られた。
知らない女の人だった。
「あの、誰ですか?」
「神宮寺隼(じんぐうじはや)だ!」
俺達は、俺の旧友、神宮寺隼を、確に待っていた。
だが隼は男のはず・・・
「お前と同じで女体化したんだぜ。」
どうやら、本人のようだ。
13 :尼:2007/09/22(土) 18:33:26.31 ID:v2xQNY1MO
「お前まで女体化したのか・・・」
「仕方ないだろ、なったものは。
ところで、その男はだれだ?」
今まで隣でおとなしくしてた、祐作が口を開く。
「真咲の"彼氏"の吉田祐作です。よろしく隼さん。」
なっ!?ゆっくり説明しようと思ってたのに、
わざわざ彼氏のとこを強調しやがった。
「やっぱりな、さっきも雰囲気が尋常じゃなかったし、
そうじゃないかと思ったんだよ。
真咲をよろしく頼むぞ祐作くん。」
あ、ああ、なんなんだよ!
なんか二人でがっちり握手してるし。
「タメなんだし、くん、さん、はなしな。」
「そうだな。」
なんて言ってるし。
なれなれしすぎだろ。
「ところで真咲とどういう関係なんだ?」
「ああ、神社繋がりだ。
14 :尼:2007/09/22(土) 18:33:50.53 ID:v2xQNY1MO
うちも神社でね。」
「なっ、ということは、隼も巫女!?」
うわっ、なんか目付きが変わってる。腹たつ。
「悪いがうちは、名字にもあるように、神宮寺なんだよ。」
「神宮寺?なんだそれ?」
俺が答えてやる。
「神宮寺ってのはな、
まぁ、簡単に言えば坊さんが管理している神社だ。」
「神社なのに坊さん?宗派ごっちゃじゃん。」
「うん。
昔、日本には神仏習合思想ってのが、あってね、
神社を実質的に運営してた寺があったわけだ。
その考えも改められて、
その後色々あって今は少なくなってるけどな。
そんなわけで、隼は巫女じゃない。
しいていえば、尼さんかな?」
「まぁ、正確に言ったら違うけどな。
それに、まだまだ修行中だしな。
あと、僧と尼とでは色々違うとこも有るし、
15 :尼:2007/09/22(土) 18:34:16.23 ID:v2xQNY1MO
まあ、女体化の世の中だし結構うやむやなんだがな。」
「ふーん、そうなんだ。」
祐作は残念そうな顔をしていた。
許せない、俺がいるのに。
あとで覚えとけよ。
「まあ、いいか、俺には真咲がいるしな。」
ぐ・・・卑怯すぎる、嬉しくなるじゃないか。
「あはは、愛されてるね。真咲。」
隼が茶化した。
仕返だ
「隼にはいないのか?そんな人。」
隼は溜め息をついた。
「結構難しいんだぞ。女体化してからの生活って、
俺は凄いと思うぞ真咲は。
女になって好きな人見つけるなんてさ。」
そういうものなのだろうか。
俺は女になってすぐ祐作を好きになり
祐作も俺を好きだと言ってくれたし。
うん、改めて考えてみると、確に上手くいきすぎてる。
「祐作もなかなか、いい男だしな。
どうだ祐作、俺に乗り換えてみないか?」
な・・・なに言ってんだ。
16 :尼:2007/09/22(土) 18:34:41.03 ID:v2xQNY1MO
祐作は俺の彼氏だぞ!お前なんかに絶対やらん!
「悪いな、俺は巫女以外には興味ない、
さらに、今は真咲以外は論外だ。」
祐作・・・嬉しいぞ。
「俺もだ、俺も祐作以外なんてだめだ。」
「いや、真咲、今こいつ巫女さんがなんたらとか言ってなかったか?
そういえば、さっきも巫女とか言ってたし・・・
こいつ、おかしいぞ!
真咲っ!離れろ!」
な、なんて事いいやがる・・・
「それは、聞き捨てならない。
祐作はたしかに、少し巫女さんが好きだが、
俺の知ってる最高の男だ。
いざと言うとき俺を助けてくれるし。
滅茶苦茶カッコイイんだぞ。」
「・・・そうか。」
「真咲・・・俺も真咲が最高の女だと思う。」
「祐作。」
「・・・お前ら幸せだな。」
そのときの隼の目は
限りなく冷めたものだった。
最終更新:2008年09月07日 21:01