『GJ!&ほす』 2008 > 09 > 04(木) ID:uiNKZujsO

安価『GJ!&ほ』


「えーと、『>>1スレ立て乙』っと」

深夜二時を廻った頃。悠平の部屋には、キーボードを打つ音だけがひっそりと響いている。

彼が今見ているのは、2ちゃんねるというサイト。
日本でも有数の大型掲示板群らしい。
「・・・面白いスレ、ないかなぁ」

ぼそりと呟き、悠平はトップページに表示されているスレ一覧を流し見る。

どうやら、彼の望むようなスレは見当たらないようだ。

「・・・あーあ、つまんね」

自分の期待の添えられるスレが、いつも立っているとは限らない。
これは、至極当然のことだ。
当たり前にうまく行かないからこそ、彼の不平は募っていく。
理不尽だとは理解していても、悠平は思わずにいられなかった。
これでは、何のために2ちゃんねるくんだりまで来たというのか―――




ぼやく悠平の目に、ふと気になるスレタイがとまった。

【12.ケイトとフユキ(86)】


別段、スレタイに引っかかるところがあったわけではない。
スレを開いた理由を強いて挙げるならば、「何となく」。

その程度の軽い気持ちだった。

しかし、そこに綴られていたのは見覚えのある日常を描いたSSだった。

生物の授業で先生が面白おかしく自分語りをした話。
とあるテレビ番組の話題で盛り上がった話。

全て、悠平と綾の過ごしてきた日常と一致していた。


「まさか・・・」
予感が、確信に変わる。

「これ書いてるのって・・・まさか」

悠平は、気になって仕方がなかった。このスレに文章を投下してるのが、果たして綾本人なのか。
単なる偶然にしては、自分の日常に酷似しすぎている。

かといって、スレ内で直接聞くわけにもいかない。
本人に面と向かって聞く勇気もない。


などと悶々しているうちに、スレ内の>>1とおぼしき人物から新着のレスがついたようだ。

『今日はもう寝ます><保守の人たち、後は任せた!』


この書き込みを信じるならば―――仮にスレに投下していたのが綾本人だったとしても―――もう、確かめる術はない。


それでも真相を確かめたいならば、指示通り保守するより他なさそうだ。


「『GJ!&ほす』・・・これで、よし。明日までスレ残ってりゃいいけど」

スレを保守しながら明かす夜。今夜は長くなりそうだ。



おわり。続……く…?


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最終更新:2008年09月08日 21:02
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