安価『ややハーレム』

251 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:43:33.37 ID:BzHuVrR/0
最初、それは窓なんだと思った。


真っ白な病室の壁にぽかんと開いた穴。
その向こう側からツヤツヤの黒髪をした女の子がなんとも不思議そうな顔で覗いていた。

くりくりした大きな瞳が印象的で、整った顔立ちになのにどこか幼く見える。
保護欲かあるいは嗜虐欲を駆り立てる小動物のような愛らしい顔。

ちっちゃくて、女の子らしくて、そんなその子を彼女のできたら幸せなんだろうなと、
ぼんやりした頭でのんきに考えていた。

その刹那、僕の思考回路が完全に停止する。

小窓だと思ったものは、鏡だった。




     安価「ややハーレム」


252 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:44:49.58 ID:BzHuVrR/0
桜の花はもうずっと前に散り、クラスのメンバーもだいたい把握した四月の終わり、
『僕』が『私』になってからちょうど三週間が経過した頃、私はすっかり『私』として生活に慣れ始めていた。

とはいえ、入学した高校に通い始めて2日で女の子になった私は、どこに居場所を作っていいかわからなかった。

同じ中学校の男友達とずっと一緒にいるわけにもいかず、
新しい女の子の友達にも私自身どう接していいか解らなかった。

クラスの女の子も扱いに困っているようで、いじめられたり、無視されたりすることはなくても
私とはどこか距離をおいているようだった。

(せめて入学前に女の子になれればなぁ……)


それでも何とか居場所を作ろうと入部したのが女子バスケ部だった。
運動神経が良くないことは女の子になっても変わらなかったのでマネージャーである。

ゼッケンを洗ったりとか、スポーツドリンクを配ったりとか、タオルを配ったりとか。

そういうのは結構好きだった。
やり始める前はマネージャーなんて退屈だし、友達が出来れば良いなっていう理由だけで始めたことだけど、
いざ始めてみるとやりがいがあって面白いから不思議なものだ。


253 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:46:28.33 ID:BzHuVrR/0
友達も出来た。

一人は葉山唯さん。
背が高くてスタイルも良くて美人さんで、一年生なのにもうベンチ入りしてる実力者。
同じ一年生だけど二つくらい年上のお姉さんにみえる。
繊細なところもあって女の子っぽい気遣いがとっても上手だけど、
負けず嫌いで男勝りだからクラスの男子はあんまり気が付いていない。

あと二宮みどりちゃんと鳥居みうさん。
二人とも中学の頃から同じ部活でバスケをやっていてすごい仲が良い。

みどりちゃんはちょっと異国風な顔立ちの子で、鼻筋がすっと高く通っていて、
緩く巻いたロールのせいか西洋人形みたいな可愛さがある、けっこうな天然さん。
いっつもほんわかしていて親しみやすい。

みうさんは小柄な体でいつも一生懸命ながんばり屋さん。
小さくても人一倍走って、声出して、シュートを決める。
図書館なんかで勉強する時はみんなの分も見てくれる。
ちなみにみどりちゃん担当の突っ込み役。


254 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:47:11.99 ID:BzHuVrR/0
仲良くなったきっかけは彼女達がいつも最後まで部室に残っているからだった。
一年生は部活のあと、体育館で掃除をしなければいけないからもともと帰りは遅いけど、
そのなかでも彼女達は部室でだべっていたりして特に帰りが遅い。
マネージャーの仕事を終えて遅めに部室で着替える私とちょうど同じ位になるのだ。

女の子になってまだ三週間、同性になったとはいえ、女の子の生着替えを見るのは気恥ずかしい過ぎるので、
最後に着替えることが出来るのは私にとって気楽だった。


255 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:47:46.38 ID:BzHuVrR/0
その日も、部活が終わり掃除をして、体育館の鍵を顧問の先生の机まで運んで部室に戻ると、
もうほとんどの一年生は帰っていて、いつもの三人の声が聞こえてきた。

「入るよ?」

ノックをしてから確認して扉を開けると、三人はまだ着替えずに何事か話し込んでいた。

「由紀お疲れー。ちょっとこっち来て」
「どうしたの? 唯さんが珍しく真剣な顔してる」
「いいからいいから」

唯さんに手招きされるまま、三人の輪に座り込んだ私に皆の注目が集まる。

「由紀ちゃんって元男だよね」
「……うん。そうだけど」

質問したのはみうさんだ。みうさんはいつも冷静沈着だから表情が読めない。
でも今日の唯さんとみどりちゃんをみる限り、なんだか場に真剣な空気が漂っている。
それと私が元男ということとどういう関係があるんだろうか。


256 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:48:43.69 ID:BzHuVrR/0
「由紀ちゃんに男として意見を聞かしていただきたいと思います!!」

高らかに宣言する唯さんがとても楽しそう。
これは経験上良くないことが起こる前兆だ。とくに唯さんが私を弄って遊ぶ時の。

「私を何を言えば……?」
「この三人の中で誰が一番魅力的か? についてっ!!」
「はい?」
「だから、男としては誰を一番抱きたいかってこと」

そういうと唯さん達三人はジャージを脱ぎ始めた。

「え? え?? ちょと、なにやって……」
「由紀ちゃんがわかりやすいように、下着の方が良いかと思って」

おっとりした口調で返したのはみどりさんは、もう上半身を覆うものがブラジャーだけになっている。
着やせするタイプなのか、思ったよりもずっと胸が大きい。
バスト93くらいあるんじゃないだろうか。豊かな胸を純白な可愛い下着が包んでいた。


257 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:49:10.82 ID:BzHuVrR/0
「みどりの胸に釘付け」
「違うって!! みうさん、なんでそんな冷静なの? ってもう全部脱いでるし……」
「下着はちゃんとつけてるから大丈夫」
「そういう問題じゃないよ……」

女の子としては未成熟な体つきだけど、白亜の柔らかそうな肌と細身のウェストラインなんかは滅茶苦茶色っぽい。
淡いピンクの下着も彼女らしくシンプルなデザインで可愛かった。

「やっぱり男の子は胸が大きい方がいいんだ?」
「ぁ……////」

嬉々として問いかける唯さんの下着姿を見た瞬間、私は即座に視線を外した。
そうしないと見とれてしまいそうだった。
もともとスタイルが良いから、そりゃあ破壊力があるだろうと踏んではいたけど、
そんな甘い私の予想を遥かに上回るほど良い体つきだった。

すらっと長くてスレンダーなシルエットに大きくはなくても形の良い胸、
細くてきゅっと締まった腰に、身長の半分くらいあるんじゃないかと思うほど長い脚。
黒の下着もセクシーだし、モデルさんみたい。
しかも顔は少し野性味のある美人さんだし。


258 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:50:04.56 ID:BzHuVrR/0
冷静なみうさんをよそに、唯さんは「揉み心地いいわねー」とか良いながらみどりちゃんの胸をもんだり、
自分の胸を私に触らせたりしている。

「どうどう? 由紀興奮してきた?」
「……しないよっ////」
「ほんとにー? 濡れてきてないの?」
「そ、そんなことっ……!!」
「よいよい、後はお主の体に訊くとする」

ちょっと声を低くして悪代官の物まねをした唯さんが私のジャージ間に手を差し込んで、
しなやかな長い指でショーツの上からクレバスに沿ってなで上げる。

「なんだ。由紀ちゃん何にもないじゃん」
「ぁ、あ、当たり前じゃんっ////」
「つまんない~。絶対興奮してくれると思ったのに。どうやったら興奮するの?
 今ならお姉さんの体を好きなようにさせてあげるよ」

心底魅力的な提案だけど、丁重にお断りします。


260 : ◆0IccrQDlbA :2008/04/02(水) 13:50:33.54 ID:BzHuVrR/0
「……みうさん、助けて」

みどりちゃんは唯さんをみて楽しそうにコロコロ笑っているので
唯一まともに話が通じそうなみうさんに助けを求めた私に、
彼女は諦めたように首を小さく横に振った。

「そんな~」

「しょうがない……じゃあ私がじきじきに女の子の悦びを教えてあげる」
「意味わかんないからっ!! なんで唯さんが――」
「――えっと……じゃあ私も参加しますね」

何故だ! 教えてくれみどり!? いやもうこの際誰でも良い。
一体今の会話のどの流れであなたが参加することになったのか!!?
理由とともに詳しく話を伺いたい。

「……ぅあ////」

私の下半身を絡めとっている唯さんの指にぐりぐり刺激されて、変な声が出た。
ついでにみどりちゃんが「柔らかい~」なんて感激しながらジャージ越しに私の胸を揉んでいる。


264 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/02(水) 14:24:42.47 ID:BzHuVrR/0
「顔真っ赤にしてそんな声出したら、挑発しているみたい」
「ちょっと……//// 唯さん、止めて……ストップ……////」
「やだ、なんか私まで妙な気分になってきた////」
「ちょっとっ!! 唯さん!! みうさんヘルプヘルプ!!」

「……ごめん。面白そうだから止めない」
「みうさ~~ん!!」
「由紀ちゃん上脱がすね」
「みどりちゃん違うからっ!! ここは唯さんに悪乗りするところじゃないからっ!!」

嗜虐心のスイッチが入ってしまった唯さんに襲われ、
意味が解らないままのみどりちゃんにジャージを脱がされ、
助けを求めてもただ傍観者に徹したみうさんに裏切られ、
そしてついに私の貞操は……


「おーい、お前ら下校時刻過ぎてるぞ。早く帰れー」

という顧問の先生の言葉に守られたのでした。


                        安価「ややハーレム」おしまいw


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最終更新:2008年09月10日 02:05
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