『山中響の憂鬱』最終話

10月5日
月曜日

月曜日は憂鬱だとVIPPER達が言っていた

でも多分今日の俺には関係無い



俺は目覚めた、洗面所に向かう、ただ真っ直ぐ前だけを向いて

俺の視点は下にはいかない

「よぅ、よろしくな、新しい俺」

鏡の中には自分とは思えない程の美少女が居た

男だった頃の面影は殆ど無い、肌は白く、ビー玉のような瞳、形のいい鼻と口

俺はいつもより遥かに冷静だった、担任と親父に電話をし準備期間に突入

まぁ、必要なかったんだがな、親父が全て揃えてくれてたから衣類は必要ない

心の整理?昨日既に覚悟していたんだ、なんのショックも無い

昼頃だったか岡島が押しかけてきた、そして第一声が

「可愛いじゃねぇか」

はっ倒すぞコイツ、そうか、コイツの気持ちをやっと理解できた。

その後親父が帰ってきていきなり抱きしめられた、酒臭いのだけはどうにかしてほしいものだ

それからの俺はと言うと

結局準備期間は3日程だった、ガッコーに復帰しても皆受け入れてくれた

後悔してないのかと言われるとそうでもない、後悔はしている、目茶苦茶後悔してる

女になってから生活が面倒になった、制服も学ランは楽だったなと毎日思う

でもこれが俺の決めた道、俺が生きると決めた人生なんだ、真っ直ぐ、ただ前を向いて生きていくさ



―――――――――――そうする事が
               俺に残った最後の漢なんだ―――――――――


  fin




タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2008年09月10日 02:20
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。