17 :
◆rSzvjlbQlk :2008/05/06(火) 03:25:35.31 ID:YppqhCEPO
安価『行きずり』
廊下ですれ違った。それだけなのに、僕は恋をした。
昼休みに弁当を食い、授業が始まる前にトイレへ行ったんだ。スッキリして教室に向かう途中、すれ違った女の子。早退するらしく鞄を持ち、背筋はスッと一直線。胸のピンバッチは同学年を表す色が付いていて、僕は必死に記憶を辿る。あの子は誰だ?
立ち止まり、後ろ姿も美しいと見とれていたら、チャイムが鳴って我に返る。
教室に戻ると、急いで教科書を出しノートを広げた。それからまたチャイムが鳴るまで、机の上に何一つ変化は無かった。
「ノート真っ白とかねーよwww」
いや、ねーよwwwなのは自分だ。女の子が気になり過ぎて先生の話だって聞いてなかった。
「なぁなぁ、隣のクラスに女体化したヤツがいるんだってよ!」
いつも昼休みは隣のクラスに行く、えーと、名前忘れた。山田でいいや。山田が僕の近くで話出した。
「そいつ、今日早退したんだけど、生理かな?」
盗み聞きは行儀が悪いが、今のは聞こえただけ。聞こえただけなんだ……それが、なぜか僕の胸を掻き回す。
早退、した、可愛い、女の子、が、女体化、した、男、かも?
グルグル思考回路に電気が走る。早退もはあの子だけじゃないかもしれないけど、そんな何人も早退する人間は居ない。そして山田が言う女体化した男の外見があの子と合致する。
僕はめまいがした。僕は女体化した男にときめいて恋をしたのかと。あんなに可愛い子が、中身は男なのかと。
それから僕は一ヶ月悩みに悩んだ末、あの子と友達になる事が出来た。
行きずりの、恋の行方はまだわからない。
おわり。
ひっさびさに女体化ネタ書いたんだぜ……
最終更新:2008年09月17日 17:41