「…というわけで、ウチの隼人を預かってもらえないかしら?」
「んな面倒なこと…保育所とかねーのかよ?」
「日曜はお休みなのよー。一日だけだからお願い、雅美ちゃん!」
「しょうがねぇな…その代わり、紬従姉さんはお土産買って来いよな」
「助かるわー。お土産なんてお安い御用よ」
こうして、紬従姉さんの子供(1歳)を預かることになってしまった。
一日だけだし母さんもいることだし、いざとなれば丸投げでも平気か。
「へ?母さんも出かけるの?」
「その日はちょっと外せない用事ができちゃって。夜には帰れると思うけど」
俺の目論見は見事に粉砕されたのだった…
「じゃあ、隼人のことよろしく頼むわね。あんまり遅くはならないと思うけど」
「なるべく早く帰ってきてくれると助かるんだがな」
「ふふ、善処しましょ」
たまには夫婦だけでデートしたいときもあるの、か。
子供連れじゃ行きにくいところもあるし、わからないではないが…
それはさておき。
「さて、夜までぐっすり…とはいかないよなぁ」
ほら、早速愛しのママがいないことに気付いて泣き出すぞ…3…2…1…
「びええええええぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!!!!!」
ほらね。
「とりあえず、お昼ご飯にしないと…でもこの子ほったらかしにもできないし」
困ったときのぐぐる先生は本当に頼りになるな!!
とか思いながら育児関係を検索する。
「おー、あるある。…やっぱり、育児しながらの家事はおんぶしながらがベスト、か」
昔ながらの方法が一番良いというのは、それだけ昔の人の知恵は素晴らしかった、ということなのだろう。
一通り要りそうなものは借りてあるから、この中に…あったあった。
首尾良く隼人をおんぶすることに成功した俺はお昼ご飯にありつくことができた。
食事の前におむつの交換をせずに済んだのは僥倖である。
「赤ちゃんとはいえ、おぶったまま家事やるのはしんどいな…世のお母様方は大したものだよ…」
今更ながら、母親の偉大さを再認識する雅美であった。
fin
最終更新:2008年09月17日 17:52