無題 2007 > 12 > 09(日) 03:35:52.29 ◆YPPZoWABRI

身長20cmの金髪の少女人形、それが今の私だ。
昨日まではガラスケースの中でずっと主の事を見守る事しか出来なかった私だが、今は動く事もご主人様と会話する事も出来る。
それにしても今朝のご主人様の驚き様といったら…まさかあれほど驚くとは思ってもみなかった。
ご主人様には本当に申し訳ない事をしてしまった。
ご主人様はそんな私に何もせずに待ってる様に言って学校へ行ってしまわれたけど、せめてものお詫びに掃除でもしなきゃね。
さてと、先ずは掃除の為の道具は…あった!さてと始めますか!

耳かき棒の梵天と綿棒を使ってキーボードの隙間の埃を掻き出した後、ウエットティッシュでキーを一生懸命一つずつ拭いた。
頑張ってやった甲斐があってキーボードはかなり綺麗になった。その後、机の上を拭いてモニターに取り掛かったんだけど、サイズの小さな私には下半分しか拭く事が出来なかった。

机の上が終わったところで他もやろうと思ったんだけど、机からは降りられそうもない。
昔はご主人様に投げられても平気だったのに今は机の上から下を見るだけで怖いからだ。

他は諦めてとりあえずご主人様の帰りを待つとしよう。

……

………
あーっ、ダメだ!
じっとしてるのは慣れてたのに、何故か今日はご主人様の帰りが待ち遠しい。
机の上をうろうろしたり、寝転がってみたりしながらご主人様の帰りを待った。
どれ位待っただろう?これ程待ち遠しく思った事は今まで無かった
玄関の扉の開く音がした後、階段を昇ってくる足音が聞こえた。
何度も聞いて絶対に忘れる事のない足音、ご主人様だ!私は嬉しくてたまらなくなった。

部屋の扉が開く
「お帰りなさいませご主人様!」
「た…ただいま」
「ねぇ、そのご主人様って呼び方はどうにかならない?なんかお尻がむずむずするんだけど」
「そうですか?お嫌なら仕方ありませんね」
「では、お坊ちゃん」
「止めてよ」
「お坊ちゃま」
「だから…」
「主殿」
「…」
「では一体何と呼べば宜しいのでしょうか?」
「名前でいいよ」
「名前ですね…」
「それでは和哉様」
「様は余計、和哉さんでいいよ」
「そうはいきません、仮にもあなたは私のご主人様です。ですから和哉様と呼ばさせて下さい」
「はいはい分かったよ。それより君の名前はどうしようか?前の様に呼ぶ訳にもいかないし、何か好きな名前とかある?」
「特に何もございませんが、私に名前が無いと何か不都合でしょうか?」
「君を呼ぶ時に名前があった方が呼びやすいからね」
「それでは和哉様のお好きな様にお呼び下さい」

「うーん、……じゃ呼び辛いし、日本風は合わない…」
「アリスでいいかな?」
「ハイ!和哉様」

あっ、そうだ!」
「はいこれ、今朝君が欲しがってた服」
「あっ、ありがとうございます」
「今、着てみて宜しいでしょうか?」
「あっ、いいよ」
では服を脱ぎ脱ぎ…
「ちょ!タンマ!いきなりここで脱ぐのは…」
「え?いけなかったでしょうか?でも、和哉様は女の人の裸の載っている本をよくお読みになっていらっしゃるじゃないですか?」
「うっ、そ…それとこれは別なの…」
顔を真っ赤にした和哉様、どうしたのかな?私の事嫌いになったのかな?
「か、和哉様?そ、その…私の事がお嫌いですか?」
「き、嫌いじゃないけど、恥ずかしいんだよ!」
「向こう向いてるから着替えたら言って」
嫌われてなくてよかった。じゃ着替えちゃいましょ。あ、あれ?背中のファスナーが閉まらないや…
「あ、あのう…」
「終わった?」
「すみません、背中のファスナーがきつくて上がらないんですけど…」

「はい、これでいいかい?」
「ありがとうございます」
「それとですね…」
「まだ何かあるの?」
「下着が無いんですが…」
そう言いながらスカートをめくり上げる。
「わーっ、ちょっ、タンマ!」「心臓に悪いよ、い、今から買いに行こう」

「ハイ!和哉様!」


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最終更新:2008年09月17日 18:06
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