弄内独雄14才、明日が俺の誕生日なんだが、どういう訳か今年はみんな前日に俺にプレゼントを渡してくる。
「お、これ誕生日祝い!」
「俺の誕生日は明日だぞ、間違ってねぇか?」
「分かってるよ、だから明日まで開けんじゃねぇぞ!」
「そう言われると見たくなるじゃん」
「駄目だ、見たら絶交だかんな!わかったか?」
「分かったよ、ありがとうな」
「よう弄内!一日早いけどコレ!明日まで開けるなよ」
「お前もか?」
何故か今年は皆、一日前に俺にプレゼントを渡してきた。
ちょっと変だとは思ったが、実際の誕生日は明日なんで開けたい気持ちを抑え眠りに就いた。
翌朝、普段とは少し違う感覚で目覚めた。
洗面所へ行こうとする俺に母親がにっこり笑いながら「これ誕生日のプレゼントよ」って包みを渡してきた。
一体何だろ?
ガサガサ…
「……!!」
何故にセーラー服?
「母ちゃんコレっ!!」
「いいでしょ?早く着てみて!」
「着てみてって、俺は女装癖なんて無い!ってあれ?声が変?」
「鏡、見てみたら?」
俺が鏡を覗くと愛くるしい女の子が映っていた。
俺が手を振ると女の子も手を振る。俺が微笑むと女の子も微笑む。
「分かったでしょ?」
「はい…」
「分かったら着替えてきなさい」
俺は初めてのセーラー服に悪戦苦闘しながら着替えた。
その時、友人達から貰ったプレゼントが目に入った。
誕生日になってから開けろってのを思い出して先ず一つ目を開ける。
靴下じゃん。
んっ?手紙が入ってる。なになに?「女体化したら穿いてね(はあと」だと、ふざけやがって!
二つ目、これも靴下。三つ目も靴下。
おい、なんで靴下ばかりなんだ?
他の包みも開けたが全てが長い靴下だった。この靴下、何故か同じ物は一つも無かった。
プレゼントの中には一様に手紙が入っていて女体化したら穿けとと言う。癪に障ったが暖かそうなんでとりあえずその中で気に入ったヤツを穿いた。
着替えて母親の元に行くと「まぁ、良く似合ってるわよ!」なんか嬉しそう。
「それより母ちゃん、何で俺が女体化するって分かったの?」
「だってアンタ童貞でしょ?親だもん分かるわよ。もう学校には連絡してあるから早くゴハン食べてさっさと行く!」
「わかりますた。」
俺はゴハンを食べてとぼとぼと学校へ向かった。
学校に近付くにつれていい加減重い足取りがより一層重くなる。でも考えた。
人より少しでも先に入るか、後に入るか?止めて家に戻るか?
答えは簡単に出た。先に入った方がダメージは少ない。
俺は走って学校に向かい自分の教室に飛び込んだ。
と、そこには既に友人達が勢揃いしているではないか!
ど、どうして?
奴らは俺の姿を怪訝そうな目でみている。やがて俺が席につくとその中の一人が「やったー!」なんて喜んでやがる。
「どういう事だ?」
「お前が女体化することは既に判ってた。」
「だから俺達は賭けをしたんだ。」
「みんながニーソを買ってお前に渡す。で、そのニーソの中でお前が選んだのをプレゼントした奴が勝者となるんだ。」
「それでその勝者が俺って訳だ。」
「みんなで俺を出汁に使いやがって、チクショウ!」
「それで賭けとか勝者って事は何か賞金とか商品とかあるのか?」
「よくぞ聞いてくれました。喜んで下さい。貴女は私と付き合うのです。」
「へっ?」
「この賭けの商品は弄内君、君なんだよ。」
「そんな、あんまりだーーーー!」
最終更新:2008年09月17日 18:08