安価『女湯』

211 : ◆YPPZoWABRI :安価「女湯」 :2008/02/20(水) 00:08:11.61 ID:I75NeiXKO
もしもし管理人さん、…号室の井口ですが、あの…お湯が出ないんですけど……えっ?何時直るんですか?そ…そんな……

なんてこった!給湯器の故障でお風呂も台所もお湯が出ない。
それもやっと女の子の日が終わったっていうその日に故障する事無いじゃない。
夏なら水でもいいよ、暑いし、でも今は冬だよ。外は雪降ってるよ。
1日2日なら我慢するけど、何時直るか分からないなんて、そんなのないよ…
一人暮らしのマンションでボクは途方に暮れた。

翌日、学校でその事を友人の柳沢達に話すと「銭湯に行けばいいだけの事じゃん」ってあっさり片付けられた。
だからそれで悩んでるのに…「お前等はいいよ、変わってないから、だけど俺はどーなんよ?」
「この体で男湯か?お前等…まさか女湯入れってか?」

「俺達は合法的に女湯に入れるお前が羨ましいぞ!」
「声を揃えて言わんでも…ほら、女子共が変な目でこっち見てるぞ」
「それより羨ましがらんでいいから誰か風呂貸してくれ!」
途端に皆の目の色が変わり、俺をのけ者にしてなにやらひそひそ話し始めた。

「よし、貸してもいいが一つ条件がある」

「条件って何?」

小さな声で「裸見せてくれ」
「ヤダ!」

「だったら貸せないなぁ~」
こいつら悪魔か…
俺は女湯と裸を天秤にかけてみた…
「さあ、どうする?」
女湯は恥ずかしい、まだ裸を見られる方がマシか…でも待てよ、こいつ等の前で裸になったら何されるか分かったもんじゃないぞ、どーしたらいいんだ!


212 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 :安価「女湯」 :2008/02/20(水) 00:11:23.27 ID:I75NeiXKO
「どうしたの?」
俺が選択を迫られている時、百合恵が声を掛けてきた。
「いや、マンションの給湯が故障しちゃって風呂に入れなくなってんだ」
「だったらウチおいでよ」
「いいの?」
「別にいいよ」
柳沢達の方を見遣ると落胆の色が隠せないでいた。
ざまぁみろ!

「柳沢達しょんぼりしてどうしたの?」

不思議そうな顔の百合恵に「さあ、どうしたのかな?」ととぼけてみせる。
一応、奴らの名誉の為に俺の裸を見せる代わりに風呂っていうのは黙っておいてあげた。

帰りにでも寄っていけばって言う彼女に、着替えが無いって言うと、新しいのがあるから貸してあげるから着替えは心配するなって。
俺は彼女の厚意に感謝して「ありがとう」を繰り返した。
この時、彼女がニヤッと笑ったような気がした。


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最終更新:2008年09月17日 18:18
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