357 名前:中野翔の日記
◆Zsc8I5zA3U? 本日のレス 投稿日:2006/10/17(火) 19:06:15.80 SKxjTJta0
ここにとある日記帳がある。 ずいぶんボロボロのようだが、まぁ気にしないでほしい。
これは・・中野翔の生涯がたくさんつまった日記帳である。 過去に彼の宿敵となった男・・それが今では最大の妻である。その心境の変化が随所につまった 日記帳である。
・・では、こっそりとその内容を覗いてみよう。
362 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/17(火) 19:19:40.46 ID:SKxjTJta0
○月○日・・・今日、日記を買ってみた。まぁ、買ったといってももらい物だが・・このままではもったいないので日記をつけてみようと思う。3日ボーズにならんようにはする。そういえば俺らの歳では女体化シンドノームが恐れられているらしいが俺はすでに童貞ではないので恐れることなど何もない。相手は・・まぁ、反りが合わんというか何と言うかやってすぐに別れっちまった。ま、余り語りたくないのでこの話は置いておく。
まぁ、今日あったことだが・・これといって特にない。ただ、今の学校の先公が気に食わん。
俺の妹・・椿であるが青春真っ盛りの中学2年生である。ただ、全く恋をしないのはどうかと思う。俺に似て外見はいいのだからモテているとは・・思う。そういえば俺が中学2年の頃といえば、仲間とつるみながら喧嘩真っ盛りだ。まぁ、俺も随分と名の知れた奴になったものだ。ひと呼んで“殺戮の天使”とは俺の事を指すね。・・そういえばあいつに出会ったのもこの歳だった。通称“血に飢えた狂犬”・・相良 聖。俺が唯一決着をつけれなかった相手だ。高校にあがってからは出会っていないが、もし決着を付けられるなら付けたいものだ・・
あいつ・・女になっていなきゃいいがな・・まぁ、あいつは外見はごついがあれだけ喧嘩が強ければそれなりに持てているだろう。おそらく童貞ではないな。
来るべき決着か・・思っただけで腕が鳴ってきやがったぜ!!
366 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/17(火) 19:48:11.67 ID:SKxjTJta0
○月×日・・あ~あ・・一ヶ月ぶりだ。すぐにサボっちまうな俺は・・それよりもとうとう俺も学校を退学になってしまった。なんでか?ダチをかばうためにいっちょ暴れたんだよ。原因は俺のダチのバイトだ。あいつ学校で内緒でバイトしてたんだよ。もちろん、ちゃんとした理由でだ。あいつの家の家計が苦しいらしい・・たいした奴だよ全く。しかし、学校の先公がそいつに腹立った言い方しやがったもんだからブン殴ってやったのよ!!何が「そんなくだらない理由で」っだ!!俺は怒ったね。・・限りなく。
んで、俺らは仲良くそろって退学になったが退学にされたダチは何とか働いているそうだ。良かった良かった。そんなことで俺の奢りでそいつの記念日パーティをした帰りに俺は・・あの気配を感じていた。
そう・・“相良”の気配だ。間違いなかったね。あの気配は何年経っても忘れちゃいない・・
んで、気配のする方向へ行ってみると、何とこれまた美人の女が発してやがった!!・・まさかあの野郎、女になってしまったのか?何かの間違えかと何度も思ったが、あの気配は間違いなく相良だ。だとしたらえらい変わりようだ!!!!一流モデル真っ青の抜群なスタイルに長く繊細な髪にその容姿・・完璧な美人じゃねぇか!!・・いや、美人という言葉じゃ足りねぇ・・大美人だ。って、俺は何男に欲情してるんだ。あいつはあの相良だ。血に飢えた狂犬と称される奴だ。奴の出るごとにほとんどの奴が血を見ることとなる。
それにしても女になって強いのは相変わらずだが・・戦い方が変わっているな。以前の奴ならごつい体格を活かした攻撃方法を行っていたのだが・・女になってから小技を活かしたものとなっている・・それに相手の力を利用したもんだ。それに自分の必要最低限の体力しか消費していないな。
368 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/17(火) 19:59:23.43 ID:SKxjTJta0
っと、呑気に観戦してたらあいつ油断して腕をやられてしまいやがった・・それにまだほかのも隠れて嫌がるな・・おもしろい。あいつに加勢してやるか!!腕ならしにはちょうどいい!!!・・片っ端から行くか!
やっぱ俺の勘は冴えていやがった。後ろには念のためか武装した奴らが30人ほどいやがった。俺は瞬時にそいつらをブチ殺すとあいつのほうへと向かっていった。
・・流石に隠し玉を失ったのかリーダー格と思われる奴は片腕をやられた相良にぶちのめされていた。それに相良は女になってから合気道を始めたらしい。・・どうりで隙のない細やかな動きだったぜ。それになんか2人きりでいるとあいつも結構いいじゃん。・・っていかんいかん。あいつはあの狂犬だ・・あの血に飢えた・・
「じゃあな・・本当に今日はありがとな。」
その台詞ととびっきりの笑顔を残してあいつは俺の下を去った・・何だよあの顔から出る笑顔は最悪だぜ、不覚にもときめいてしまった。畜生!!反則じゃねぇかあれは!!・・男ならみなああなる。過去のことはすっぱいてだ。
俺は胸に残ったヤワヤワ感とあいつの笑顔が頭に浮かびながら家へと帰っていった。
590 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/18(水) 19:22:11.19 ID:uin1LSN20
×月△日・・・学校であいつがいたので軽く挨拶をしてみると完全にシカトされた。あの野郎ォ・・かわいくねぇ性格してるな。それにどうやら俺のファンクラブでもできたらしい。・・全く、うざったい存在だ。まぁ、干渉してこなければいいのだが・・まぁ、シカトされたままじゃつまらんので、あいつに話しかけてみた。相変わらずシカトを貫き通してやがるな・・
・・そして俺は俺たちの過去の決着について話した。するとあいつの手がぴたりと止まり、俺の話を聞いていた。俺はもう決着を付ける気にはなれないと話したのだが・・そうするとあいつは突然俺の頬をひっぱたき始めた。俺は突然のことだったので慌ててしまった。・・それにあいつは薄っすらと涙を浮かべていた。しかし、ぴっぱたかれては余計悔しいので俺も現実を見据えろときつい言葉を言ってしまった。・・周りが注目する中、あいつは走って教室から去った。俺はそのまま授業を受けるほかなかった。
しかし、俺の心はなぜかズキズキと痛み始めていた。
そんで、俺が適当に授業を受けていた頃。突然、内藤とドクオと呼ばれる奴が俺のほうへと走ってきた。こいつらはあいつのダチか・・昔から孤独一線のあいつがダチをもつようになるとはな・・んで、話を聞くとどうやらあいつが珍しくやられているらしい・・加勢する気は全くなかったのだが、先ほどのこともあり仕方なしに加勢することにした。さっきのことも含めて、ここ最近、俺は・・いったいどうしたんだって言うんだ!!
ッタク!!あいつのことになるとすぐに頭が熱くなって来やがるぜ!!
595 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/18(水) 19:44:10.01 ID:uin1LSN20
屋上へ行ってみるとあいつはパワーバカ相手に珍しくやられていた。パワーバカは「おっぱい!!おっぱい!!」という意味不明な言葉を発しながらあいつに襲いかかってきた。ムカついたので俺はそいつの頭を背後から思いっきり蹴ってやった。案の定、パワーバカはわめきながら俺を睨んでいた。そんで俺は顔面にニーを思いっきり入れるとパワーバカはもろくも倒れていった。さらに俺は鳩尾に思いっきりパンチを放ちTKOをやってのけた。パワーバカを倒した俺は怯えるリーダーと思われる男を睨みつけた。すると、あいつが復活したのか思いっきりリーダー格をボコボコにしてた。どんな方法でボコしたのは余り書きたくないので置いておく。ま、さっきのは言いすぎたな。俺は一応あいつに謝っておいたがどうなんだろうな。
するとあいつが俺にこう聞いてきた。
「あ、ああ・・なぁ、どうしてお前は目の敵である俺を助けるんだ?」
正直この回答には困った。冷や汗ダラダラだ・・自分でも聞きたい。なぜ俺は最大のライバルであり決闘相手でもあるこいつを助けにゃならんのだ?正直言って俺は困惑していた。俺が必死になって答えようとしたそのとき、あいつのダチたちが現れやがった。ダチが現れるとあいつは急に離れろといってきやがった。ムカついたので俺はさらに現実を見据えて余り喧嘩すんなときつく言ってしまった・・もちろん聞いていたあいつは無言になり怒りのオーラを発していた。・・まぁ、でもこいつがみすみすやられるなんて想像もできないししたくない。・・そんな俺のわがままかも知れんな。
俺はそのまま教室に帰らずその辺をぶらついた。
56 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/19(木) 16:55:01.36 ID:t2N7oZ8T0
×月□日・・今日の俺は珍しく遅れてきてしまった。理由は、家の妹である椿の家庭教師だ。あいつ遊んでばっかで成績が著しくないらしい。そんで親の命令で俺が家庭教師をすることになった。まぁ、断ることもできたのだが学校のことで迷惑をかけていたのでたまには引き受けることにしたのはいいのだが・・俺の妹なのに勉強がざらだ。基本からなっちゃいない。そんで俺は椿に基本から教えることになったのでかなり時間がかかり寝るのが遅くなったわけだ。まぁ、でもあいつもバカじゃないので俺が一から教えると順々にわかってきたようで何とか普通になってきた。
・・家庭教師は大変だとしみじみに思うのであった。
まぁ、学校ではまぁ、移動もない。たいした授業ではないので思いっきり昼休みまで寝ることができた。やることやったら誰だって文句はいわんだろ。俺はつかの間の休息を味わいながらゆっくり睡眠をとることにした。
・・目が覚めた頃には昼休みだった。あいつは・・どこか行ったのか?俺の隣にはいなかった。そんで俺は適当に昼飯を食べようと思ったのだが、あいつの机の上にノートが置いてあった。どうも、国語のノートらしい。俺は中を見てみると内容に驚愕した。・・・こいつ、全然勉強していないじゃないか!!ほとんどノートにも何も取っていないしまずいだろうな。こいつ・・どうやってこの学校に入ったんだ?まさか裏口・・なわけねぇよな。それにしてもこれはひどすぎる。・・進路のことは考えているのだろうか?俺はあいつのノートを手に取ると放っておけばよかったのだが、どうしても放っておけなかった。お人好しではないと自分では重々自覚しているのだが、なぜか離れられなかった。俺はあいつのノートを元に戻すと飯を食べるのであった。
59 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/19(木) 17:14:39.77 ID:t2N7oZ8T0
お昼休みが終わり、英語の授業が始まると俺はさっきから秘めていた想いを実行することにした。とりあえず、授業自体の内容はたいしたことないので当てられてたら適当に答えを述べた。そんで、俺は席に着くとあいつのノートを取り上げて家庭教師の事を持ちかけた。・・それにしても英語のノートなのに英語が全然書いてないじゃないか。あいつは家庭教師ぐらいでえらく動揺しておりかなり目立ってしまった。まぁ、あいつが落ち着きを取り戻す頃、俺はあいつに成績のことを話した。そしたらドンピシャリ見事に成績は共産主義真っ青に真っ赤に飾られていたらしい。唯一の黒が体育らしい・・お前はどこぞの小学生か?俺が家庭教師をしてやると言ったら案の定かなり抵抗をしてきやがった。ついでに突き出した条件がまずかったか・・しかしここで退いては男が廃るな。余り俺からも言いたくないが、ダ ブ り のことをほのめかしたら流石のあいつもしぶしぶ承諾した。
まぁ、やり方が汚かったがこうして俺はデート権と家庭教師をあいつに取り付けてやった。取り付けた後、あいつに俺が得することばかりじゃないかと突っ込まれたが一応興味はないとお前なんか否定する。そんで、俺が手を出したら殺してくると言ってあいつはそっぽを向いた。俺は自然と高鳴る心に躍らされて明日の予定を立てることに集中した。って、相手はあの相良か・・いくら女とはいえ元宿敵、こういう関係もありかね。それに・・あいつこの話題つきたてたとき抵抗はしたものの機嫌は悪くなかったな。さて、何教えようかね・・
このときの俺はすでに元の関係を差っぴいてあいつに惚れていたのかも知れないな・・
61 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/19(木) 17:29:06.87 ID:t2N7oZ8T0
×月⊿日・・ついにこの日がやってきた。天気は文句なしのド晴れで雨は降る気配もない。俺は軽くしたくすると、ダチのつてで手に入れた映画のチケットと遊園地のチケットを手にしながら待ち合わせ場所へと向かっていった。きっと大人しく俺を待っていてくれたら一番いいのだがな・・まぁ、でも今日は楽しく行かなきゃな。ダチからもらった映画のチケットを軽く握り締めると俺は待ち合わせ場所の公園へと向かった。
俺の想像も虚しく・・あいつ、100%目立っていやがった。というか嫌でも目立っていた。なぜなら男数人をのしていたからだ。そこには女としての気品さや雰囲気なんてものはあったもんじゃない。女1人に相手は男5人・・男のほうはいいように扱われていた。もはやあいつの独壇場になった頃、俺は一応止めさせた。あいつの腕を止めると俺はやめとけと止めた。・・これ以上やると死者がでるかもしれん。あいつにどこ行くのかと予定を聞かれてしまった。そういえば・・予定はどうだっけ?しまったぁぁぁ!!俺としたことが忘れてしまった。とりあえず最初は映画・・いや、喫茶店か?ああ、頭がこんがらがってくる!!そうだここは素直に話そう。俺は素直に話すとあいつは帰宅体制に入った。流石にそれだけはまずいので俺はあいつを引き止めると嘘だといい何とかごまかした。
・・こうなったら破れかぶれだ。映画から行こう。
俺はあいつに映画のチケットを見せ付けると映画に行くことにした。・・そういや中身は確かなんだっけ?俺は内容など気にせずにチケットを見ながら映画館へと向かった。
62 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/19(木) 17:42:06.38 ID:t2N7oZ8T0
映画の内容はというと・・完全なエロ映画だった。流石に俺は見慣れているので普通に見ているとあいつは突然怒り出した。元男だから俺は多分大丈夫だと思ったのだが・・やはりまずったか。流石にブチ切れ寸前で、あいつは映画の途中で映画館から出て行ってしまった。ま、流石にまずいので俺はあいつを追いかけることにした。するとあいつは不機嫌ながらも俺は何とか落ち着かせた。あの野郎・・俺にあんなチケット渡しやがって!後で何かおごらせてやる!!!俺がチケットをくれたダチに報復を決意するとあいつは過去の俺の恋愛話を聞いてきた。そういえば、俺はまともなデートはしたことないな。ほとんどの女はあらかじめ指定した場所へと来たからな。所詮俺は顔だけ・・っと言うことだろうか。だからこういったデートも初めてといっちゃ初めてだな。そういえばここはあの場所から結構近かったけな?あいつを招待してやるか。まぁ、とりあえず俺たちは喫茶店に入ることにした。
喫茶店に入ると周りの視線を感じるようになった。まぁ、そうだろうな。あいつはかなりの美人だ。目立つなというほうがおかしいかもしれん・・そういえば遊園地のチケットがあったな。今度は大丈夫そうだ。かなりの知名度のある遊園地だ。・・そういえばこいつ喫茶店に来たとたん膨れっ面になったな。かわいいが機嫌が悪いと困る。俺は次は遊園地に行こうと提案した。まぁ、映画のこともあり警戒はしてたものの一応行く気みたいだ。俺は2人分のお茶代を払うと遊園地へと行くことにした。
64 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:2006/10/19(木) 17:55:29.93 ID:t2N7oZ8T0
遊園地にたどり着くと結構まともだった。その点についてはよかった。しかし、中に入るといざ乗ろうと思ったら右も左にも絶叫マシーンばかりであった。そういえばこの遊園地は絶叫ものが売りだったよな。・・昔、別の遊園地に行ったときに絶叫ものに乗って事故になった。何とか無事に救助されたが当時幼かった俺は死との隣り合わせの絶叫を嫌ほど味わった。それ以来・・俺は絶叫ものが大の苦手になった。まさか・・これに乗ろうと言い出すんじゃないだろうな。
足のすくむ俺を見たのかあいつはニヤリとみながら俺にとある勝負をたたきつけた。それは、この遊園地にあるすべての絶叫ものに乗り込んでどれだけ耐えれるというものだ。絶叫ものの苦手な俺には堪らんものであった。しかし、勝負といわれれば退くことができん。それに好き勝手言っているあいつの鼻をあかしてもやりたかった。軽いトランス状態に陥った俺はとんでもないことを言い放った。それは俺が勝った暁にはあいつが俺の彼女になるということだ。さすがのあいつも動揺を見せており、少し驚いていたがあいつが勝てばこれからある家庭教師免除というもんだった。流石に少し動揺はしていたのだが勝負となっちゃ退くことができずにあいつはそれを承知した。
こうして、デートから勝負に転じた遊園地めぐりは互いの体力が尽きるまでのガチンコバトルへと変貌した。しかし、俺が勝ったらあいつがはれて彼女となるのか・・それはそれでいいのかも知れんな。こうなったら負けられまい。
俺は幼い頃のトラウマと戦う決意をした。
11 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/10/22(佐賀県庁) 17:53:38.92 ID:0Ts8LDVA0
結局俺は幼い頃味わったトラウマと戦うことにした。最初のコースターはどっちかというと幼い子供向け・・軽いものだった。周りには親子連れがたくさんいたのだが、俺らのような男女のカップルはいなく、余計浮いていた。突然、体が武者震いしてきた。俺はあいつに気づかれんように振るえを止めてコースターへと乗り込んだ。
・・終わってみると俺はスッとしたような気分であった。なんだ、コースターとはあんなものか。最初の震えは何だったのだろうか?幼い頃のトラウマはスッと消え去り、俺らは次のコースターへと向かった。次のは一気に一般向けのへと昇格した。っといってもこの遊園地はさほどが絶叫系で占められているため、こういったものが多かった。このコースタになるとちらほらとカップルが見かけるようになった。俺もそろりそろりとあいつに近づこうとしてたのだが・・まんまと距離をとられた。そういえばせっかくこの状況なのに話もできないとはなんとも不憫なことか・・まぁ、いちいち期待していたらまずいのかもしれん。ここは冷静に勝負事を片付けていこう。もしかすると、あいつも本気なのかもしれんしな。
そして俺は2機目のコースターへと乗ることにした。
・・・何だあれは!!さっきのと大違いじゃないか!!!まぁ、一般的なジェットコースターなんぞこんなものか。それにまだ後5機以上も乗り回さんといかん。隣にいるあいつは・・なんて余裕な表情だ。俺の顔を見たとたん微笑していやがる!う~む、このままだと負けてしまう可能性があるな。なるべく表情で悟られんようにせんとな。・・それに周りからの視線が一段と強くなってきやがった。もしかして、よほど羨ましがられているのだろうか?いくら俺らが美男美女であっても昔の宿敵同士だ!!言葉ではああいっても、昔の因縁というのはそう簡単には捨て切れん。それにあいつも目がマジだ。俺にはわかる。
俺らは一層、互いに絶対負けん!!オーラを出しながら遊園地のアトラクションの制覇に勤しんだ。
13 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/10/22(佐賀県庁) 18:15:06.08 ID:0Ts8LDVA0
かれこれ数時間経っただろうか・・記憶の限りに説明しておく。とりあえず遊園地のほとんどの絶叫マシンを乗り継いだ俺は体がだるく足もフラフラ状態で体力も消耗していた。あいつも見てみると明らかに俺と同じ状況であった。やはり女の体は消耗が激しいのだろうか?互いの闘志をむき出しにしながら俺たちはこの遊園地の名物であるクォリティコースターへと足を進めた。
さすが、この遊園地名物だけであってかなりの絶叫マシンだった。ものすごい高さの部分を一気に急降下しながら 数々のループを潜り抜け、そして地下へ到達し、その地下でも様々な絶叫部分が用意されている・・考えただけでおぞましい。説明を聞いているだけで俺は先ほどとは比べ物にならない武者震いを感じた。そういや宣伝でここのコースターのことを大々的にしていた覚えがある。こうなったら破れかぶれだ・・やるしかない。俺らは互いに降伏勧告をしたがもちろん従うはずもなく通路を進んだ。途中退席の通路を通り過ぎるたんびに俺はあの幼い日の記憶が蘇ろうとしていた。
・・数年前、当時小学校低学年の俺はまだ幼い椿と一緒に家族全員で遊園地に行った。そんで俺は親父と一緒に当時の遊園地の名物の絶叫ものに乗ったのだが、電気関係のトラブルか高さ300メートル地点で取り残された。あの頃はマジで死ぬかと思った。幼い俺は必死に親父にしがみつきレスキュー隊に救助された。その頃の影響か、俺は高所恐怖症と絶叫マシーン恐怖症の2つがついた。
それで親父が怒るに怒ってその遊園地を閉店まで追い込んだ。俺は親父が連れ出した専門のカウンセリングがついたのだが・・結局元には戻らんかった。
途中退席の通路・・そこにいければ何と楽になれるだろう。しかし、これは男と男同士の勝負、あろうことか相手はあの相良だ。男は先にイモ引いたほうの負けだ。男として・・負けるわけにはいかん!!そして・・俺らは最後の途中退席の通路を抜けるとついにクォリティコースターへと向かった。ここで、決着がつく。家庭教師免除か・・それとも、晴れてあいつが俺の彼女となるのか?
結果はこのクォリティコースターへと委ねられた。
9 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:57:54.92 ID:mPIqPb4J0
俺らはクォリティコースターへと乗り込んだ。クォリティコースターは発車するとものすごいスピードでコースを駆け巡っていた。そして急に減速をし、ゆっくりとゆっくりと・・坂を上り詰めた。俺は下をみたくはなかったのだが、横を見るとものすごい高さまで上り詰めており、人が豆粒・・いや、米粒ぐらいまでに見えた。ほかのジェットコースターもなんだかかわいく見えた。そして、目標の高さまで上り詰めるとコースターはぴたりと止まり・・一気にスピードをつけてほかの奴らの大絶叫とともに急降下した。そのまま勢いをつけたクォリティコースターは3連にも続くループをそのスピードのまま一気に回り続けていた。俺はもはや声を発することもできずにそのまま座るしかなかった。隣にいたあいつも俺と同じ状況で声すら発していなかった。もはや・・俺の意識は限界まで上り詰めていた。
そんな俺の想いとは虚しくクオリティコースターは一気に地下へと到達し・・その地下でも様々なコースがあった。しかし、俺の意識は地下の光景を見ることなく別の光景を見るのであった。
11 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 18:59:17.28 ID:mPIqPb4J0
“おやじぃ~・・なんで遊園地に連れて行かないのだ?”
“あ、ああ・・ま、また今度な希・・”
“それ何回も聞いたのだ。遊園地へ連れってってほしいのだ!!”
何だこの光景は・・俺はクォリティコースターの地下へと到達していたはずだ。それに・・あの幼い娘は、俺の娘か!!いや、待て。これは幻覚か蜃気楼の一種だろ。それに百歩譲って俺の娘だったら・・実の父親に向けて親父とは言わんはずだ・・多分。それに外見からして・・俺の遺伝子は完膚なきに負けているな。奥さんはよほどの美人だろうな・・
“いいもん、ママか椿おばちゃんに連れて行ってもらうもん。それに・・おやじぃがなんで連れて行ってくれないか聞くもん。”
“ば、バカいうな!!椿はともかく、あいつはなに言うかたまったもんじゃない!!・・代わりに、おもちゃ買ってやるからな”
“・・お前は実の娘に向かって何言っとるのだ!!”
誰だ・・希と呼ばれる俺の娘を抱えてる女性・・肝心の顔が見えん!!サラサラのロングストレートではある。だが、肝心の顔が見えん。なんでだ・・それにこの声、どこかで聞いた覚えがあるな。誰なんだ?
ここで俺の意識は別の場所へと覚醒した。
16 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:08:58.86 ID:mPIqPb4J0
俺が目覚めると、とある部屋の一室だった。どうやら、俺は気絶したらしい。ふと見てみると先にあいつが目覚めていた。係員にこっぴどく怒られる中、俺はなぜかあのときの光景のことをポツリと思い浮かべていた。・・あれは一体なんだったのだろうか?それに・・あれだって俺だとは限らない。もしかすると気絶して平行世界という奴を見てしまったのかもな。まぁ、余り深く気にしないでおこう。
係員から開放された後、あいつが無理矢理勝負付けをするので食べ物で何とか釣ってやめさせた。ここからはあの場所に近いのだが、この体力を回復させてから来たほうがいいのかもしれん。俺のおごりともあってか、あいつはバクバクといろいろなものを食べていた。・・女のくせによく食べる奴だなと思ったな。多分、運動ばっかしてるから太らん体質なのだろうな。
ま、十分に体力が回復した頃、俺たちは遊園地を後にした。・・もう絶対絶叫ものには乗りたくないぜ。
21 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:24:21.86 ID:mPIqPb4J0
しばらく歩いているとあいつは裏で俺が襲い掛かるとか・・まぁ、なんともたくましい想像力を働かしていた。俺は軽く否定すると、そのままあの場所へと歩を進めていった。ここまで来るともう少しだ・・遊園地からかなり歩くがこいつは元男だから大丈夫だろ。
そのまま気楽にのんびり歩いていると・・名の通った俺たちだからなせる業か、ちらほらと団体さんがお見えになった。まぁ、どこで嗅ぎ付けてきたのかはわからないが、どうしようかね。俺たち2人がいれば負ける気はしないが・・数が多いな。仕方ない・・ここからは散るしかないか。
・・俺たちは互いに見合うと、そのまま二手に分かれて一気に逃げ出した。
やはり、俺たちが揃うとこんなことになるのか・・ちょっとはまともなデートをしてみたかったぜ。だんだんと怒りに燃えてきた俺はそのまま立ち止まり・・武装している追っ手を殴り飛ばした。
当然追っては反撃してくるが、俺は構いもせずに怒りに燃えながら逃げながら追っ手を殲滅しながらあいつと落ち合う場所へと走り出した。
26 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:49:49.08 ID:mPIqPb4J0
流石に女のあいつは足が速く、あっという間に追っ手を巻いていた。だが、俺はちょくちょく追っ手を殲滅しながら着たため当然、着けられていた。そしてうまいことあいつと合流したのだが・・あいつを追っていた追っ手も含め、俺らはついに囲まれてしまった。まぁ、半分は潰していたので多少は楽になったろ。
とりあえず、俺らはこの追っ手たちを叩きのめすことにした。まぁ、ものの数分もかからなかったが、相手のほうも俺たちが共闘してたことにたいそう驚いていたようだ。最後の台詞を言わせてやると、俺は最後の1人を叩きのめした。あいつを見てみるが・・どうやら無傷に済んだようだな。ま、当然か。
無事追っ手たちを片付けると俺らはあの場所へと足を進めた。
27 名前: ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/10/23(佐賀県民) 19:51:29.25 ID:mPIqPb4J0
・・俺のとっておきの場所、それはとある廃ビルであった。この場所から見える景色はとても絶景だ。一目見た俺は親父に頼み込んでこのビルを買い取ってもらった。まぁ、俗にいう別荘だ。買ってもらった俺は家具やらいろいろなのをこの場所に持ち込んでいた。あいつは・・やはりこの窓から見える景色に夢中になっていた。そりゃそうだ、なんてたってこれが気に入って親父に頼み込んだんだけどな。
・・俺は久々みるこの景色を楽しんでいると、しばらくしてか・・あいつが突然、振り向き・・何と俺に抱きついてきた!!どうしたって言うんだ!!遊園地の影響がまだ残っていたのか!?もしかして、こいつあのときのことを根に持っているのか?
女性特有の柔らかい体の感覚を肌で感じながら・・俺はそっとあいつを離した。
帰り際は行きの雰囲気とは打って変わって、あいつは金魚のように口をパクパクさせながら俺と帰り道を歩いていった。そういえばあっという間だったな。・・なんだかな。時がたつのは早いというかなんというか・・
あいつと別れた俺は・・時間の経過を恨めしながら家路へと向かっていった・・
最終更新:2008年09月17日 18:36