603 名前:中野翔の日記
◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 20:02:38.50 ID:ibF0RPLX0
▽月$日・・今日は思いがけない出来事が起きてしまった。朝、いつものようにあいつと一緒に大学へ行くために車に乗ろうとしたら、突然あいつが洗面所へ向かい嘔吐をした。俺は突然のことでわからなかったのだが、あいつの体調がまずいと思い。俺は急いで大学に休みの連絡を入れると急いであいつを車に乗せて病院へと行くことにした。もしかしてもしかすると・・俺はあの最悪のNGワードが脳内から離れなかった。
数分後、最寄の産婦人科へ寄ると俺はあいつに付き添いながら順番を待った。そして順番が来ると、医者があいつに簡単な検査をした後、こう一言・・・
「おめでとうございます」
この言葉聞いた俺は一瞬で石化した。やってしまったよ!!!!・・・ついにあいつを妊娠させてしまったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!ちゃんとヤるときはピルを使用した・・と思う。それにしても出来てしまうなんて・・・これから俺はどうすればいいんだ?このまま行くと確実に双方の親と揉めることになるな。一応誰かに相談したほうがいいな。そうなればこいつには極力運動を控えさせなければ・・それが原因で流産なんて本気で洒落になんないからな。
その後も医師から軽い説明は受けたのだが・・俺の耳はそれを受け付けず現実を重く受け止めることしかできなかった。病院を出ると俺はあいつに産むか産まないか意思表示を確かめた。・・何よりも大切なのはこいつに意思だ。医者が説明していたときに俺の横にいたあいつはそわそわしている雰囲気など微塵もなく、俺とは対照的に医者の説明をしっかりと受け止めていた。女の強さ・・かもしれんな。ハハハ・・男ってこういうときにはなんて弱いんだろうな?
俺はあいつの意思を聞いてみた。・・あいつは新たな命が宿っているお腹をさすりながら俺にこう呟いた。
606 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 20:08:12.40 ID:ibF0RPLX0
「俺さ・・今までは妊娠なんて実感はなかったんだけど、今はちゃんと感じるんだよ。・・だから、この子を産もう」
そうか・・こいつはもうその気なんだな。だからあんなにも堂々と医者の説明を聞いていたんだな。・・なら、俺はこいつの意思を尊重したい。親が何だ!!俺がこいつを守りながら子供を育ってやる!!それが・・男ってもんだろ。俺との新たな命を宿したあいつを見ながら・・あいつとどこまでも歩こうと決意した。
現実や親やらこうなったら何でもこいだ!!
俺は、傍にいるあいつそれに・・あいつのお腹の中にいる俺の子供ためなら鬼でもあくまでも何でもなってやる!!反対する野郎は片っ端からぶちのめしてやるぜ!!そう考えながらこの報告を俺はようやく受け止めることができた。必死に守りぬいた子供・・それはそれは可愛いだろうな。それに・・ちと早いが俺も父親になるんだよな。本来なら俺の稼ぎが安定してから子供は欲しかったのだがな・・周りの対処で苦労するのは俺だけで十分だ。
あいつが・・・無事に俺の子を産んでくれるだけで俺はそれでいい・・・
フッ、我ながら甘い考えだ・・でも、それが俺の願望だ。
612 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 20:38:55.49 ID:ibF0RPLX0
▽月Ш日・・あの、報告から翌日、俺は身内である椿にこの現状を相談することにした。本来なら俺たち2人で双方の親に真っ先に報告するべきなのだが、今の俺にはそんな自信が少しないので椿にこのことを話してみることにした。俺はとある場所で椿を呼び寄せるとあいつの妊娠とこれからの俺たちの方向を伝えた。しかし、はっきり言ってこれは賭けだった。もしも椿が反対したら真っ先に親父たちに報告するに決まっているし、もしそうなれば俺たちは茨の道へと突き進むこととなる。俺は椿にすべてを賭けた。
話を終えて数分してからか・・最初は椿もあいつの妊娠には驚きつつも、俺の方向性には賛成してくれた。
「お兄ちゃんなら、聖さんを幸せにできるわ。」
そういいながら椿は俺を励ましてくれた。まことに妹という存在はありがたいものである。それに俺自身も誰かにこのことを話せて胸のつっかえが取れたような気がする。椿が反対してくれなくて本当に良かった。これで親父たちとも対等に話をすることができる。それにしてもこいつは叔母さんになることが嫌ではないのか・・まぁ、何にせよ椿が賛成してくれて本当に良かったぜ。
それにしてもあいつのほうは・・大丈夫かな?今日は道場でみんなにこの事を話すといっていたが・・
そんなことを俺は考えているとあいつから携帯に連絡があった。“道場で話があるから来い”っとの事であった。どうやら、お呼びらしいな。俺はそのまま椿と別れると道場へと足を運ぶことにした。
613 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 20:40:39.71 ID:ibF0RPLX0
道場に着くと、オールキャストで俺を出迎えてくれた。みんな真剣な表情だ・・それだけ俺らを心配してくれているんだな。そう俺は想いながら話せる場所へと移動して全員に今の状況と俺の進路・・それに俺らの今後を話した。すべてを話し終えると、ドクオが俺にあいつと子供を幸せにする力はあるのかと真っ先に俺に聞いてきた。とりあえず、今はバイトで貯めた金と俺の貯金がるので経済的には余り心配がなかった。出産費用を差し引いても当分は生活できるぐらいの余裕はあった。それにあいつの出産は俺が会社に入って3ヶ月してからなので経済的には問題は0であった。そして、今の現状と俺の経済状態を詳しく説明すると全員は俺らの出産に賛成してくれた。・・なんとも心強いメンバーだぜ。内藤は「結婚式にはぜひ俺に祝辞を読ませてくお~」っとツンからは一足早くお祝いの言葉をもらった。ドクオのほうは「式場は手配しておくぜ」っとのこと。
まぁ、なんにせよ。こいつらに反対がなかったことには心強かった。数々の修羅場を切り抜けた俺たちだが・・“親”という最大かつ強大な難所へとぶち当たろうとしていた。まず・・今まで見たいに一筋縄ではいかんだろうな。・・だけど、もう俺は決心してる。誰に反対されようが・・俺はあいつを絶対に愛の力で守ってみせる!!
せっかくの家族を・・ぶち壊されてたまるかぁ!!
・・・・そう俺は意気込みながら双方の親にこの事実を話すことにした。
621 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 21:23:40.35 ID:ibF0RPLX0
▽月△日・・とうとう、この日がやってきた。・・双方の親にあいつの妊娠とこれからの進路を説明するためだ。これで・・俺らのすべてが決まるといっても過言ではない。まずは双方の親に集まってもらった。幸い親父は海外には出ておらず俺たちの話し合いに出られるようになった。あいつの親にも集まってもらいすべてが整った。そして俺たちは重い口調でゆっくりと話すことにした。
“この子を産ませてくれと・・・”
口で言うのは簡単だが実際は果てしなく苦労の道のりだ。そんなことは俺たちはわかっている。ただ、問題なのは俺たちの歳だ。まだ、未熟満載の俺たちが子供をこうやって育てたりすることが果たして許されるのだろうか・・
そんな不安にながら俺は双方の親に話した。
・・・話を終えて数時間してからか、周りには沈黙を守り通していた。すると、母親勢がまずその沈黙を突き破った。あいつとそしてお腹にいる子供を幸せにできるのだろうかと?俺は無論絶対にすると答えた。何が何でもわが身に代えたってこいつらを幸せにしてみせると・・しかし、今度はあいつの親父がずっしりと重い言葉で俺にこう説いてきた。
「・・君の気持ちはわかる。でも、世の中そんなことができるほど甘くはない。君は・・それに耐えられるのかい?」
その問いに俺はずっしりと重みを感じた。確かに世間はそんなに甘くない。それは親父たちは身をもって知っているはずだ。いくら努力しようたってそれがすべての人間に報われることなどはない。しかし、それでも人は報われない努力を続けている。・・だから俺も、いつ報われるかはわからないがこいつらを守っていく決意と姿勢を貫いた。すると、今度は俺の親父が俺にこう叩きつけた。
「お前は・・本気で立ち向かっていく自信はあるのか?・・お前は世間を知らなさすぎる。世の中はお前の思っているようにはいかないんだ。・・お前は本当に幸せにする自身はあるのか?」
明らかな親父の反対意見・・ずっしりと、そしてグサッと突き刺さるような問いに俺は反論できる言葉が思い浮かばなかった。
627 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 21:49:21.00 ID:ibF0RPLX0
反論する言葉は見つからなかったが、まだ俺は諦めてはいなかった。何とかして親父の意見を翻す言葉を見つけられねば・・・しかし、考えれば考えるほど俺は言葉が見つからなかった。すると、今まで沈黙を突き通していたあいつがこう言った。
「俺・・俺・・正直、妊娠したときは不安だったけど、でも、今はお腹の中に宿っているあいつとの命が俺と繋がっている。だから・・俺はこの子を見てみたい。そりゃ、確かに半端じゃ行かないものだって事はわかってる。・・・だけど、俺こいつとなら絶対できる!!
これが、あいつの本音であった。しかし、依然に双方の親の反対意見は強まるばかりであった。俺は・・そのときふと、あのときの光景を思い出した。最後に男の頃のあいつと出会ったときだ。最後にあいつは俺にすべてを託しながら消えていった・・
“俺を幸せにしなきゃ絶対にブッ殺すぞ・・”
そうあいつは言っていた。だから、俺はあいつの望むようにするんだ。・・あいつの幸せは俺の幸せでもある。それに・・男のときのあいつとの約束を破るわけにはいかない。以前に反対姿勢を貫く双方の親に向かって、土下座をしながら・・こう言い放った。
629 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/02(佐賀県教育委員会) 21:57:58.86 ID:ibF0RPLX0
「俺がこいつと俺の子供を幸せにできなければ・・腹を切る次第です。」
それが俺の覚悟であり、俺の決意でもあった。恥ずかしさや惨めさなど微塵もない。むしろ、何かを成し遂げようとする清清しい気分でも合った。俺のこの姿勢を見たのか双方の親は互いの顔を見ながらようやく子供を産むことを許してくれた。しかし、条件は相変わらず厳しいもので、一切の援助はなしと結婚は大学を卒業してから言うことであった。俺は顔を上げるとその時の親父の目は柔らかかったように見えた。
こうして俺は親の承諾を得ることに成功した。この重さと重圧は永久に忘れることなどできないだろう。・・それが俺の覚悟だからだ。
横にいたあいつも満足げに笑いながら俺の行為を称えてくれた。そして俺らがこの場から出ようとすると、親父から小さい声でとある一言が聞こえた。
“頑張れよ”
っと、俺はふと親父の顔を見たが、親父は相変わらずのポーカーフェイスで母親と一緒に帰っていった。だけど、これが最後の父親としての言葉だろう。家族を持ち、そしてその家族を一生をもて養いこの成長を見届ける・・そんな俺の覚悟を親父なりに見届けてくれたのだと想う。
だから俺は忘れない・・
この日を・・・今後、父親となるべき自分の姿を・・・
774 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 15:53:42.45 ID:PB2xVmK50
〆月£日・・就職が決まった翌日、俺らは式をどうしようかと考えていた。本来なら俺の収入が安定してから行うべきだった結婚式・・世間ではできちゃった結婚などというが、それは働いている年齢に達している人だけなら祝いの言葉であって、俺たちみたいな学生がそうなるといい目では見てくれないだろう。ま、でも、結婚式ではあることには変わりはないのだから晴れやかな気持ちでいかんとな。そんなことをいつまでも気にしていたらあいつに心配をかけてしまう。式場などはドクオの伝で紹介してもらった。手ごろな値段でかなりの設備が整っているこの式場で俺たちは式を挙げることにした。式は早い段階でいいだろう。親父たち・・来てはくれないかね。あんなことを言ってに後悔はしていないがやはり少し顔を会わせづらいな。それに実の親に祝ってもらえない結婚式は辛いな・・ま、その点では友達でカバーするがな・・
少し湿ったままの気持ちで俺はいるとウエディングドレスをまとったあいつが試着室から出てきた。はっきり言ってかなり綺麗であった。一瞬誰かと思うぐらい見とれてしまった・・俺の湿った気持ちを一気に吹き飛ばせるぐらいの美貌と新鮮さで満ち溢れていた。そうだ・・俺はこいつと結婚するんだ。いつまでもじめじめとそんなことを考えていてはいけないなと思った。それに、もうこいつは母親となるんだ。俺が支えてやらなきゃ誰がやるっていうんだ!!
そんな俺に対しあいつは一言・・・
「お前は余計なことを心配せんでもいい。俺も・・頑張ってやるからさ!!」
と、ウエディングドレス姿のままあいつは俺にこう言い放った。まぁ、なんとも元気な母親だ。生まれてくる子供も・・元気いっぱいだろうな。そして俺はあいつのドレス姿に見とれた後、式の日取りなど、細かいところを決めた。結婚指輪は・・無論用意はしてある。俺のこれはダチの伝で俺と一緒に退学を喰らったやつからの贈り物だ。どうも、あれからふらっと宝石職人になったらしい。俺の結婚を聞きつけると、最高作だ!といって俺たちに指輪を送りつけてきた。指輪は綺麗なもので最高傑作であることを容易に促せるほどであった。
かくして結婚式も決まった俺らはそのまま式場を後にした。
776 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 16:16:16.02 ID:PB2xVmK50
◎月?日・・今日は晴れて大学の卒業式だ。あいつは俺の後れて卒論に終われる日々で提出はギリギリ・・・なんてことはならなくてきっちりと俺と同じことに提出した。まぁ、本人なりには頑張っていたらしいが俺がちょちょいと手を加えてやった。まぁ、何にせよあいつが必死で卒論を書いていることはいいことだ。正直、俺もあんまり手を加えていないからな。そして、最後のバイトの日・・俺のみんなが就職を祝ってくれた。気づけばバイトでの俺の後輩たちもかなりの人数になる。みんなをまとめて俺はこの店にかなりの献上をしてきた。正直店長からもどのバイトを切るかでかなりの相談も受けたな。
また、機会があったら店に遊びに来るとするか。
そんで、あいつのほうも必要最低限の運動は控えさせている。あんな道場の訓練は激しいなんてもんじゃないからな。まぁ、俺も家事は手伝おうとしてはいるのだが・・あいつ自ら「お前ェは邪魔だから手伝うな!!」と台所から追い出されてしまった。俺が家事が苦手なのは認めるが・・せめて手伝いだけはさせてくれよな。俺はお前の体が心配なんだからさ。
そんでもってあいつと一緒に病院へ行っている。こないだなんかも医者のお墨付きで俺の子供は元気なそうだ。日に日にまして俺の子供はあいつの腹の中で成長を続けている。いつ、出会えるのだろうな。・・医者からは出産まではまだまだと言われた。それにしても子供の名前・・どうっすかな?まだ考えてないや。ま、生まれたらでいいかのんびりと待とう。家宝は寝て待てというしな・・そういえば明後日は晴れて俺の入社式だ。背広はもう買ってあるしそこらへんの準備は抜かりはない。それに一ヵ月後には結婚式だしな。まぁ、入社して当分はあいつに構ってあげれることができないかもしれないが、そこは仕方ないか。でも、休日は思いっきり構ってやるか。また、前の休みみたいにどこかへドライブするってのもいいしな。それまでに行き先を考えておかなければ・・
ま、せめて気をつけなければいかんのは浮かれた気持ちにならないことである。
80 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 16:42:40.74 ID:PB2xVmK50
☆月Ω日・・うわぁ、前の日記の日にち間違えてしまったよ。◎じゃなくて@だったな。ま、後で修正をしておこう。会社へ入社して早一ヶ月・・月日が経つの早いものだ。そうそう、昨日は結婚式であったwwwwwかなり盛大であったな。いつもの取り巻き集団や俺のダチやらみんなが着てくれていたな。それで友人代表の祝辞は内藤が読み上げてくれた。後で聞いたみたことだがどうも三日三晩徹夜で考えたものらしい。すばらしいもんだったぜ。それに何と式には意外な人物が来てくれていた。・・親父だ。相変わらずのポーカーフェイスだったが式に来てくれるとは・・てっきりこないものだと思っていた俺は無性にうれしくなった。そして盛大なる雰囲気のまま結婚式は無事終焉した。
良かったぜ・・あいつのドレス姿。とても妊娠しているものとは思えないぐらいスタイルが良かったな。それに心なしかかなり喜んでいる感じがした。そりゃそうだ俺たちの一生に一度の結婚式だ、うれしくないわけがない。それにあいつの親も俺たちに最大級の拍手と祝辞を送ってくれた。
俺・・やっぱこいつと一緒になってよかったわ。
そんで、結婚式が終わった今日。晴れて夫婦となった俺らは結婚初夜というものを迎えていた。まぁ、俺はあいつにはできる限りは無理をさせたくなかったのだが、あいつがどうしてもと希望してきたのでその想いに応えることにした。はっきり言っていつもしているセックスとはなんら変わりはないのだが、なんだか夫婦という響きが心地よいものであった。
結局、今日は夜も眠れる日々が続いていくこととなるだろう・・・そんなのドーンと来い!!!
784 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 17:05:24.52 ID:PB2xVmK50
△月†日・・ついに、来るべき日が来てしまった。あいつが突然、苦しみ始めたのだ。もしかして・・陣痛か!!こうなっちゃいられないと俺は即座にあいつを車に乗せると即座に産婦人科へと車を走らせていった。産婦人科へ着くと、すぐさま出産のための手術が始まった。どうも予定日より少し早いらしい。元気がいいのやら何とやら・・・それにしてもこのソワソワ感・・多分、全国の成人男性なら誰でも味わうことだろう。俺は・・あいつがいる分娩室を行ったり来たりしながらあいつの出産を待った。
頼む・・無事でいてくれ。
それしか俺の頭の中にはなかった。もう会社のこととか頭に入っていなかった。2人とも無事でいてほしい・・それが俺の切なる願いであった。そして手術のランプがそっと消え俺はゆっくりとその中に入っていった。中に入るとそこにはあいつと・・横に赤ちゃんがいた。俺の子だとすぐに直感した。どうやら女の子のようらしい。俺はすぐにあいつに駆け寄った。あいつは精々になりながらも笑顔で俺の子を見つめていた。よく頑張ったと本当に思う。
ありがとう・・
そう俺はあいつに言った。あいつは俺の言葉を聞いたのかそっと眠ってしまった。どうやらかなり疲れたらしいな。本当に良くやってくれたよこいつは・・・それにしても俺の子か・・これがあいつの腹の中ですくすくと育っていったんだよな。まさに人体の神秘という奴だろう。時間がたって俺はそっと病院の赤ん坊専用のベッドで眠っている俺の子供を抱っこした。すると思いのほか軽かった。本当に人間という奴は複雑にできているな。この時点で手や足、それに顔もちゃんと整形されている。かわいいもんだ・・成長したらどうなるんだろうな?きっとあいつの血を引いているから恐ろしく大美人になるかも知れんな。それに俺の血も入っているなら恐ろしく喧嘩が強く頭も相当切れそうだな。
俺はそんな期待を抱いたまま子供を抱っこしていた・・
789 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 17:25:20.29 ID:PB2xVmK50
△月×日・・翌日、俺は改めてあいつの病室へと向かった。そこには子供に母乳を上げていたあいつがいた。それにしても恐ろしく食欲旺盛だな。 そこはきっとあいつの血だな。それにしても・・あいつが子供を抱っこしていると母親が様になってるな。俺はふとそう思いあいつの顔を見上げていると一瞬不安げな表情で子供を見つめていた あいつがいた。しかし、瞬時に元の表情に戻り俺に対応した。・・何だったんだ。あの表情は? 俺はどうもあいつの表情が気になって仕方なかった。
そんで、俺の病室にあの医者が来て退院の日取りなどを伝えてくれた。もうすでに母子ともに健康そのものらしい。早ければ明日にでも退院できるそうだ。良かった良かった。俺は子供を抱っこした。突然、俺に抱っこされた子供は大泣きされた。なんでなんだ・・俺はお前の父親だぞ。するとあいつが俺から子供を取り上げると子供は安心したのかすぐに落ち着きを取り戻しながら眠った。これが父親と母親の落差かよ・・・orz まぁ、そんなことがありながらも俺の子は元気がたっぷりあるのだということを実感した。そういえばお父さんとはもうお風呂に入らない!!っというのは何歳ぐらいだろうか?早くて幼稚園・・いや、せめて小学生ぐらいにはしてもらえないだろうか。せめて娘には反抗期は中学あたりまでには引き伸ばしてほしいものである。
会社には育児休暇はもうとってあるし、ここからは2人で子育てをせねばならんな。子供は赤ん坊の頃からの印象によって後々の親の印象に大きく影響するって本に書いてあったからな。せめて、赤ん坊の頃ぐらいは父親を大きくアピールしなければ!!
結婚式には大泣きするだろうなジジィの俺・・
838 名前:中野翔の日記 ◆Zsc8I5zA3U? []:佐賀暦2006年,2006/11/03(佐賀県と汚職) 21:11:19.03 ID:PB2xVmK50
◎月#日・・よし今度は日にちを間違えてはいないぞ。生まれた子供は希と名づけることにした。理由はもちろんある、未来へ駆け抜けてほしいという意味をこめてつけた。まぁ、俺たちの名前の複合だな。ほら、翔も聖も似たようなもんだろ?だからそれをどうにかして活かせないかなっと考えたわけだ。姓名判断をしてみようと俺は思ったのだが・・あいつがきっぱりと止めやがった。
「そんなもんで俺たちのガキの未来が見えちまったらつまんないだろう。未来ってもんは見えないほうがちょうどいいんだ。」
そういうことらしい。ま、道理かもしれないな。俺たちの未来は俺たちが作るべきものでもあるわけだしな。
希が生まれてから椿の来訪率が比較的に高くなりやがった。もう大学3年生なのだが、なぜか子とアルゴとに俺らの家に寄ってきては希と体面を果たしている。そのついでに椿は希のおもちゃ等を買ってくるので希のおもちゃ部類等には余り金をかけずにすんだ。しかし、お前は大学生だろうが!!っと思いつつも希自身は相当椿に懐いており俺自身の父親としての立場も危ぶまれてきた。希の育児用具などはあいつの母親が買ってきてくれたものだ。親というのはありがたいな。その後もあいつの母親・・俺に言わせればお義母さんだな。あいつに手取り足取り子供しつけ方法や赤ん坊のことについてみっちり教えていた。
こんな光景を見ているとあのときの礼子先生の言葉が思い浮かんでくる。
“お前の行動次第で・・そいつの運命は変わるぞ”
本当にそうなったと俺はしみじみに思う。結婚式でも礼子先生は旦那と一緒に来てくれていたが至福の表情で俺たちを祝ってくれていた。俺の行動次第でこいつの運命も変わっていくんだな。
そう、赤ん坊の希を抱きながら俺はしみじみと感じていた。
最終更新:2008年09月17日 18:43