『偉人との出会い』

290 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 08:42:50.18 ID:Lf46htom0

眠い・・だけど今日は日曜日、仕事から一切忘れられて何の邪魔もなくゆっくりと寝られる。それにあいつはどこか出かけちまった。まぁ、慣れない主婦業を頑張っているのだからたまには気分転換も必要であろう・・ それに仕事のほうも猫の手が必要なぐらいに忙しい。この前なんて部下のミスでかなり骨の折れる作業を強いられた。ようやくそれが終わってこうして愛する家族と共にゆっくりと休養がとれる。 そんな俺の心地よい俺の安眠ももう間も無く終わりを告げようとした・・

「親父~起きろ!!」

「な、何だよ・・希か、もう少し寝かせてくれ・・」

俺の上にのしかかりを食らわせているまだ愛らしさが残る1人の幼い少女・・俺の自慢の娘である希だ。 もろに母親であるあいつの生き写しだといってもいい。希は布団越しに俺の上にまたがりながらその小さな身体で俺を起こそうとしてた。

「親父~早く起きないとだめだぞ」

「悪いな・・俺はもう少し寝たいんだもうちょっとしたら遊んでやるから・・」

「今がいいの!!」

おいおい・・あいつに似て元気一杯なのはいいのだが俺はもう少し寝たいんだよ・・わかってくれ。起きたら遊んでやるから・・な?

だけど、そんな俺の想いも空しく希はすでに充電していた。充電?言わなくてもわかるだろう。涙だ、涙!!・・くそッ、しょうがない起きるとするか。

「・・わかったから、泣きそうな顔するな」

「うん!!」

全く、まぁ愛されているからいいか。おっと、自己紹介が遅れた。 俺は中野 翔・・昔はかなり名の知れたものだったが・・今は一児のパパだ。俺はゆっくりと身体を起こすとそのまま服に着替えた。

291 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 08:46:12.42 ID:Lf46htom0

「昼は食べたか?」

「うん、ママが作ってくれた」

もう希は俺と違って早起きだ。すでにお昼ご飯は食べさせたようだ。しかし、このまま家にボーっとしていてもつまらないので希を連れて外に出ることにした。元から希もそのつもりであり、 俺はそのまま希と一緒にブラブラと歩きながら散歩を楽しんだ。 やはり子供とあってか好奇心は抜群である。それに俺たちの血をフルに受け継いでいるため、根っからの行動派のようだ。 まぁ・・子供らしくてかわいい一面である。

「はしゃぎすぎて転ぶなよ」

「うん!」

やれやれ・・ま、この時期が一番かわいいものだ。もしかしたら大きくなったら希も父親離れしてしまうかもしれん ・・早いところこの時期にはしっかりと可愛がってあげねば。俺はそのまま希と一緒に歩いていると・・パチンコ屋に目が留まった。

実をいつと俺は少ないお小遣いを少しずつやりくりしながら、余裕がたまった日にはこうして隠れてスロットをやっている。時には大負けすることもあるが、 運がいいときにはバカみたいに勝つこともあるからなかなかやめられないのだ。俺が店に見とれていると、希が俺の腕を引っ張った。

292 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 08:46:40.10 ID:Lf46htom0

「親父、何してるの?」

「あ、ああ・・ちょっとな」

「?」

血のなせる業か希の洞察力は同世代の子供と比べたらかなり深かった。・・それにあいつはここまで洞察力が深くない。 ってことは、俺の血を引き継いでいるのかな。おっと、そんなことを考えている暇はない。パチンコはやりたいが・・子連れのままパチンコをするのは流石に気が引ける。 希の教育の為にもよくはない。それにあいつにばれたらたたじゃ済まないだろう。俺は何かいい案はないかと考えた・・ すると、パチンコ屋から少し離れたところに子供向けのキッズルームがあった。しかも、保育園と似たような施設であったのでこれなら希も問題なく遊べるであろう。 俺はすぐに考えを行動に移した。

「なぁ希、あそこにすっげぇ面白いものがたくさんあるところがあるんだよ。行ってみるか?」

「うん!!行ってみる!!」

希は満面の笑みを一杯に浮かべながら俺の手を引っ張った。いくら考えたこととはいえ、ちょっと希を騙すようで悪かった。これで勝ったらおもちゃは買ってやろう。 そう思いながら俺は希を施設に預けると先ほどのパチンコ屋の中へと入っていった。俺は代を見定めるながら慎重に選んでいった。

そして俺は台に座ると財布を取り出しお金のチェックをした。

「よし、何とか大丈夫だ。・・行くぜ!!」

俺は並々ならぬ決意を固めると千円札を取り出し、スロットの投入口へと入れた。

293 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 08:50:52.24 ID:Lf46htom0

・・しばらくしてか、投入金額が3千円を越したところで入ってきた。それがきっかけとなり、俺の後ろにはたくさんのドル箱が増えていった。 しかし・・パチンコ屋ともあってか横の人からのタバコはすごいものであり、今日もかなりのヘビーの人が俺の横に座っていた。その人は見た目が 美しい女性だったのだが、見た目とは裏腹にかなりのヘビースモーカーなようで灰皿にはかなりの本数の吸殻だ並んでいた。しかも、チラッと見ると タバコを吸いながら白衣を着ておりその姿でスロットをしているとかなり目立っていた。 しかも、余り入っていないらしくかなり不機嫌なようで周りを強烈な視線で睨みあげていた。俺はそそくさと自分の持ち場に戻った。

(まるで・・礼子先生みたいだな)

俺はかつての恩師の顔を思い浮かべると、そのままフィーバーしまくった。そして・・数時間してからか、問題が起こった。余り入らないのにムカついたのか壊れたれテレビを直すかのごとく、 思いっきりスロットを叩き上げながら怒鳴りあげていた。

「クソッ!!!!!!!日本のスロットはボッタクリか!!!この野郎、ちょっとは入りやがれってんだよ!!!! それにもう札も入らないのか!!!金返せこのッ!!!」

思わぬ光景に周りは唖然としていた。思わず店員が止めに入ろうとするが・・その圧倒的な気迫に黙るしかなかった。俺にはわかった。 この人は本物だ・・長年喧嘩をしていたからわかる。この迫力は間違いなく不良独特のものだ。だけど、俺はそのまま無視してスロットを続けようとしたのだが・・ 周りの視線がどうも感じてしまう。

俺はこのまま打ちたかったのだが、周りの流れに負けて隣の人を落ち着かせることにした。

294 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 08:52:20.51 ID:Lf46htom0

「あの・・」

「なんだ・・」

「それ・・ドル札ですよ?」

俺は女性の財布の中身をパッと見るとドル札が入ってあった。女の人は財布をパッと見るとようやく気がついたようだ。

「あ、本当だ。換金し忘れたのか・・しゃあない、諦めるか。ん、お前・・誰だ?」

女の人は落ち着くと、俺の名前を尋ねてきた。まぁ、ここであったのも何かの縁・・自己紹介するのもいいだろう。スロットで買った余韻なのかもしれない。

パチンコ屋の音はうるさかったので俺たちは場所を変えて話す事にした。

295 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 08:55:13.22 ID:Lf46htom0

「あの・・見たところ、日本人・・ですよね?」

ブラブラと歩く中、俺は女性に尋ねることにした。少なくとも女性は長年海外で生活をしていったものと見た。 それにしてもこの女性・・どこかで見たようなきがするのは気のせいであろうか?

「ああ、向こうでの仕事が落ち着いたから休みもらってきたんだ・・・ところでお前の名前は?」

「ああ、俺は・・中野 翔です」

すると俺の名前を聞いたとたん、女性のほうは関心を示した。

「あ、お前が冷夏の生徒の・・噂の中野か!!彼女も女体化したんだろ」

「えッ!!!・・なんで知ってるんですかッ!!!」

俺はかなり驚いた。まさか初対面の人が俺たちのことをかなり知っているなんてかなり驚きだ。 女性はタバコを咥えながら改めて笑いながら説明してくれた。

それに・・冷夏って誰だ?

296 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 08:56:16.77 ID:Lf46htom0

「ああ、悪い悪い・・俺は木村 徹子、お前のことは冷夏・・いや、お前からすれば礼子先生だな。冷夏とは金武愚にいた頃からの 付き合いなんだよ」

「えッ・・木村 徹子ってあの女体化シンドノームの特効薬を開発して、女体化を専門として扱っているあの・・」

どおりでこの女性に見覚えがあったわけだ。木村 徹子といえば日本にとどまらず世界的に有名な医者だ。 かの難病であった女体化シンドノームの特効薬を開発してかなり大々的にマスコミから注目を浴びてたはずだ。

それに・・礼子先生の昔話でこの人の名前を聞いていた。

「ま、そんなこった。まさか、この国に来て冷夏の生徒に会えるなんて思っても見なかったな」

「ハハハ・・あ、そうだ。あの、ちょっと時間を頂けませんか?娘を出迎えなければならんので・・」

「へー・・冷夏から出来ちゃった結婚したって聞いたけど、無事生まれているようだな。ま、さっき迷惑かけたし付き合ってやるよ」

俺は希について思い出していた。早いところ出迎えてやらんときっと寂しい思いをしているだろう。俺はそのまま徹子さんを連れ出して 希を預けているところへと向かった。俺は希を迎えるとそのまま希は俺に飛びついた。

297 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 09:01:59.11 ID:Lf46htom0

「親父~楽しかったよ」

「そうか、よかったな」

そういいながら希の頭をさすると希は俺のほうを見ながらこういってきた。

「親父~・・おなか減った?」

あれおかしいなっと思いつつ俺は時計を見上げるとすでに夕方の5時を回っていた。それに希はまだ遊び盛りなので 余計にお腹が減ったのかもしれない。それに今日は大勝ちしたので金銭的にも余裕があった。

「ああ、もう夕方か・・飯でも食いに行くか。そちらはどうです?」

「ああじゃ、折角なのでご一緒させてもらうか」

まさかこういう形で時の人である木村 徹子と食事を共に出来るとは思えなかった。それに徹子さんの方も子供がいるため 希のほうも懐いているもようだ。俺たちはそのままファミレスのほうへ歩いていると

    • 俺のよく知っている人物と出会った。

297.5 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金)

「くぉらぁぁぁ!!!撤兵!!!若菜置いておいてどこほっつき歩いていたんだ!!」

「冷夏!!い、いや・・ついな。ほら・・な」

「ったく・・ん?お前は・・中野か」

そう、俺らの前に現れた人物・・かっての恩師礼子先生だった。それに撤兵と呼ばれた女性は・・おそらく徹子さんだろう。徹子さんは礼子先生にこれまでの経緯を話した。

「ってなわけだ。まさか冷夏の生徒に出会えるとは俺自身も驚きだぜ」

「ふうん・・お、それがお前らの子供か」

俺のことは無視かよ・・礼子先生はそのまま希のほうへと一直線で向かった。流石に教師ということだけあって小さい子供にも手馴れていた。礼子先生は希の頭に手を置いた。

「おおッ・・あの時の相良を小さくしたようなものじゃねぇか。お前の遺伝子完璧に負けてるな」

「ま、まあ・・」

「ママたちのこと知ってるの?」

「ああ、俺はお前の父さんたちの先生だったんだぞ。知りたいか?」

「うん!!」

そういえば・・希にはあいつが女体化していたことは黙っていたんだ。希にはまだ心の整理つける歳まであいつが女体化したことは黙っておこうと2人で誓い合ったんだ。このままだと礼子先生はあの時のことを話しかねん。俺はすかさず礼子先生に小声でこう呟いた。

(先生・・希にはあいつが女体化したことは黙ってくれ。まだ、心の整理がついたいないし・・)

「ふぅん・・」

俺は礼子先生にそう言うと、礼子先生は俺のにんまりとしてみながら希にこう言った。

「お前の父ちゃんと母ちゃんはな、とんでもない生徒だったんだぞ。じゃ、積もる話はご飯食べながら話そうか」

「うん!」

そういって俺は3人の女性に引きつられながらファミレスの中へと入っていった。中に入ると礼子先生は約束どおりあいつが女体化したことを伏せながら希に俺やあいつの過去を話していた。

俺は先生の心遣いに感謝しながら食事を楽しんだ。

298 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 09:06:14.84 ID:Lf46htom0

途中、徹子さんの携帯に電話がかかってきたのだが、徹子さんはさっきのパチンコ屋の光景とは全く違い、流暢な英語で会話をしていた。 流石に海外生活が長いとすごいものである。それにやはり先ほどの光景があったので俺も思わず見とれてしまった。 それに希も興味心身で徹子さんのほうを見つめていた。

「やっぱ、主任クラスは大変だわ。こういった仕事の電話もバカみたいにかかってくるしな・・いつ休暇取れるかわからない状況だぜ。 本当にこの休暇とるのも苦労して苦労して・・ん?どうしたお嬢ちゃん」

「すごい・・私も早くできるようになりたい」

「ハハハ・・こんなの経験だよ経験。お前もそのうち大きくなって努力すれば出来るようになるさ」

「本当ッ!!・・頑張る」

希はそういいながら張り切っていた。ま、俺の血も入っているんだから希は出来るだろう。 そんなことを思いながら、俺たちはファミレスのひと時を過ごした・・そして会計を済まそうとしたとき、俺は割り勘で払ってくれるのかなっと思っていたのだが・・ 2人からは“ お 前 が 払 え ”というオーラが全開に出ていた。俺も負けじと対抗してようと思ったのだが・・2人のオーラが強烈すぎて結局、泣く泣く従うしかなかった。

俺は希を引きつれ2人と別れることにした。まぁしかし・・かの有名な木村 徹子の素の部分が見られて新鮮な部分であった。 礼子先生も相変わらずのようだが元気でやってくれてよかった。

299 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 09:10:14.59 ID:Lf46htom0

「じゃ、俺はここで・・」

「おうッ!!・・噂の奥さんを見られなかったのが残念だがお前でも見れてよかったぜ」

「ちゃんと・・家族を守れよ」

「わかってるって・・」

そういって俺は希の手を引いて帰ることにした。帰り道・・俺はあの2人に出会えてまぁよかったと思う。 あんな大人になれたら・・いいだろうな。そんなことを考えていると、俺らの前に妻であるあいつが現れた。どうやら偶然帰りだったらしい。 希はあいつに飛び込むとかなり甘えていた。

やはりなんだかんだ言っても母親なんだろうあいつは甘えてくる希を撫でながら笑顔で応対していた。

「・・今帰りか?」

「ああ・・それにしてもあの人たち誰だ?1人は礼子先生だったような気がしたが・・」

「・・ああ、礼子先生の昔ながらの友達らしい。それにしてもあの2人には参ったぜ・・ 折角大勝ちしたのに奢らされて、全く散々だった・・ハッ!!」

しまった!!俺はつい口が滑って言ってはいけないことを口にしてしまった。前々からあいつは俺がギャンブルで稼ぐというものが嫌いらしい。 前にもばれたときは散々買わされた気がした。

あいつは希を抱っこするとにんまりと希にこう告げた。

301 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2006/12/22(金) 09:18:02.76 ID:Lf46htom0

「え・・い、いや、その・・」

「買ってくれるよな・・」

あいつから出る微笑みのプレッシャー・・俺は自分のやってしまったことを激しく後悔した。

「クッ・・わ、わかったよ。何でも買ってやるよ」

「よっしゃぁぁぁ!!喜べ希」

「やったぁぁ!!」

はしゃぐ2人に・・凹む俺。ま、たまにはこんなのもいいだろうと思いながら俺は2人に飛びっきりのものをプレゼントしようと これから再び寒くなるであろう財布を握り締めた・・

fin


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最終更新:2008年09月17日 18:50
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