『指導』

602 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:00:45.34 ID:DDisYQ1X0

教師の役割、それは教養を教え込み生徒を正しき道へと進めながら巣立てさせていく・・時には生徒が問題を起こし それを一緒にじっくりと解決するものだ。生徒の気持ちをいち早く察知しながらそれに合わせながらベストな方向へと 進める。これでも体力的、精神面共に難しい仕事なのだと自負しているつもりだ・・だけどもそれを承知でこの仕事を 選んだのはこの仕事が何よりも楽しいからに他ならない。 一般的な教師と違い養護教諭という日陰的な存在な私は時折教卓で生徒に授業を教える教師が羨ましく感じて しまうがたとえ場所が違えど気持ちは変わりないと思っている。

そして今日もまた何事もなく学園は平穏を迎えている。

「・・そろそろか」

お昼休みが近づいてくる3時間目・・決まってこの時間にはとある人物がこの保健室に来ることが通例となっている。 日誌をつけながらじっとその人物の来訪を待っていると勢いよく保健室の扉が開かれた。

604 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:02:10.74 ID:DDisYQ1X0

「礼子先生! 今日も来たぜ」

「はいはい・・」

この飛び切り綺麗な女性については語るまでもないだろう、もはやこの学園の名物であり善悪問わず職員室の 間で様々な話題を運んでくれる・・その名は恐らくここら辺でいろいろ知れ渡っているだろう。一息つきながら私は 静かにその女性の名前を吐く。

「いらっしゃい。元血に飢えた狂犬・・相良 聖さん」

「礼子先生にフルネームで呼ばれるとあんまり良い気分じゃねぇな」

「たまにはいいじゃない・・」

昔ながらの不良独特のしぐさを残しながらもこんなに綺麗に女体化したのだから考えてみればこの変化はすごい のかも知れない。だけども女体化したとはいえまだ不良特有の匂いなどは完全に消えきってはおらず、私とは違って まだ完全には抑え切れていないようだ。まぁ、でも男のときと比べて余り無茶をしなくなったのは聖なりの成長の証 なのかもしれない・・いつものように日誌をつけながら聖の日常話に付き合ってあげることにする。

こう見えても私と話すことによって心が和らいでいるのかもしれない、そういった事を考えると私は立派に教師の 勤めを果たしているのだと思うと救われる気分だ。

605 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:03:38.85 ID:DDisYQ1X0

「それで今日はどうしたの、また彼氏と喧嘩?」

「喧嘩って・・あいつがバカなのは仕様だがそう毎日喧嘩なんてしねぇよ」

「3年間見て思うけど・・愛されているのかよくわからないわね」

と言いつつも私は正直2人の関係を羨ましく思うときがある。昔の私たちのようにどこかギクシャクした 感じもないし、いざと言うときの困難に立ち向かえる強さを持っている。今はまだ互いに半人前なのだが いつかとてつもなく成長して強さをよりいっそうに結びつける・・この2人を見るとそんな気がしてならないのだ。

「それも先生、最近妙な噂聞くんだけどさ・・」

「噂?」

珍しくも恋愛以外の相談に私は耳を傾ける。もしかしたら生徒の間に何かしらのものが流行っているのかもしれない・・ 教師としては少し心配になってしまうもので気になってしまう、私は無言で聖に話を促すことにする。

606 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:04:21.64 ID:DDisYQ1X0

「いやな、最近この学校でかつ上げとか喧嘩に恐喝・・それに薬とかやばい者やっている奴がいるらしいんだ。 最初はそんなに広がっているのかと思ってないから無視してたんだけどな・・それがここ最近になって広がり始めて るらしいんだよ。俺の予想だと相手は組織ぐるみでまず間違いねぇ、現にツンの知り合いが無理矢理援交させられ たってらしいぜ」

「・・それで他には?」

「ああ、俺の学校以外でも同じようにそういったのが横行しているらしいんだ。前にあいつが他の学校にいる 知り合いに聞いてきたらしいんだ」

聖の話をじっと聞くと私は日誌を書く手を休めて因果関係を考える。単なる個人の欲だったら面倒なことにならずに 犯人を捕まえられればそれでいいのだが、背後に暴走族とか暴力団関係がいるとなると少しばかり面倒なことになる。

私が男のときに暴走族の総長をしていたときはそういった話はしょっちゅう出ていたが金稼ぎのやり方はせいぜい 誰かから脅し取って巻き上げるだけ・・その方法だと単純かつスピーディに片がつく。最近はそういった関係のほうは 余りよく見ていないのでどんなことをしているのかはわからないが、最近はやり方も巧妙で私たちが昔から暗黙の ご法度としてきたやり方がちらほらと出ているらしい。

それにしても個人であれこんなことをやっている奴はこちらでも何らかの対策を打たないといけない、出なければ 被害が拡大して何の罪もない生徒たちが傷ついてしまうからだ。

607 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:04:54.69 ID:DDisYQ1X0

「話はわかった、今度職員会議で取り上げてみるわ。・・それにしても余り危険なことに首を突っ込んじゃだめよ」

「おいおい、俺は中学時代から恐れられた相良だぜ! 女体化したって俺を倒せる奴は・・」

「少しは周りのことも考えなさい。あなたに何かあったら悲しむ人がいるはずよ・・この事は私たちに任せてちょうだい」

そういって私は聖を納得させる。いくら聖が合気道がかなり強いとはいえ大人数で攻められたら男とは違って女性の 体となった聖はいずれ体力がなくなって太刀打ちができなくなる。そのことは私はもとより不良たちの戦い方を 熟知している聖なら百も承知のはずだ。・・それにもう聖も不良たちと喧嘩をするのは退かなければならない、それに もう聖は昔のようにバリバリに喧嘩をしていた頃とはもう違う、れっきとした1人の女性だ。

「それに・・もうあなたは彼氏に愛されている1人の女性よ。そろそろ彼氏に頼ってもいいんじゃない?」

「・・わかったよ。先生に任せる」

「それで宜しい。もうすぐでお昼だから早く帰りなさい」

「ああ、んじゃな!!」

チャイムと同時に元気よく保健室から飛び出していく聖に安堵を覚えつつも一抹の不安を覚えてしまうのであった・・

608 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:07:57.59 ID:DDisYQ1X0

お昼休み、忙しい仕事の合間を縫ってまで旦那が作ってくれたお弁当を広げるとお湯を沸かしてお茶を淹れながら おかずを口に入れる。本来なら他の先生と一緒に職員室でご飯を共にすればいいのだが、保健室を空けてしまうと 盛りのついたカップルが私の留守を狙って保健室でよろしくやってしまう。それが上に知られると私の立場もやばく なってしまうので昼休みもこうやって保健室で食事をすることになっている。

それでも他の先生とは人並みの交友はしているし、それなりに打ち溶け合っている。ただ会話をする機会が少ない のが困りものなのだが・・それにしても旦那には昔から病院の院長と言う忙しい合間を縫いながらもこうやって 食事を作ってもらっている、私も何かしら旦那に頼ってばかりじゃなく手伝えばいいのだが、旦那本人の趣味らしく 私の介入を許さない。でもそのおかげで随分楽をさせてもらっているのは事実なのだが・・

そんなことを考えながらゆっくりとお弁当を味わいながら数分かけて食べ終えると保健室の換気をチェック確認して 懐からタバコを取り出し食後の一服を始める。学校内の喫煙は教師生徒を問わずに原則は禁止なのだが、この時間 は誰も保健室に近づくことは皆無に近いのでそれを利用してこうやって昼食を食べ終えた頃には保健室で食後の 一服をさせてもらっている。とはいってもタバコ特有の匂いが染み付いてしまったら怪しまれることになるので換気は しっかりとしている。タバコを吸いながら私は再び時計のほうに目をやる。

先ほどの聖と同じくこの時間になると決まって保健室に来客が訪れる・・

「もう少しか・・」

時計を見ながら私は静かにカウントダウンを始める・・分単位から秒単位に移行したとき、廊下から足音が聞こえて くる。そしてその足音が大きくなっているのを確認すると数えるのをやめて吸いかけたタバコを消してまた箱から 新たなタバコを取り出す、新しいタバコに火をつけた時・・保健室の扉は再び開かれ、阿呆はやってくる。

609 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:08:44.31 ID:DDisYQ1X0

「よぉ、今日も来たぜ」

「・・早く扉を閉めろ」

「言われなくてもわかってますよ・・」

バツの悪そうな顔をしながらそいつは静かに扉を閉める。この男は先ほどやってきた聖の彼氏・・中野 翔、明晰な 頭脳に加えてその整った顔つきからは想像できないほどに腕は立つようで中学時代は殺戮の天使と呼ばれ 男時代の聖と名前を2分していたようだ。でも私から見ればただの阿呆に過ぎない、聖と同じく昔の私と比べればまだ 可愛いものだ・・

「で、何しにきたんだ? 目的は大方わかるが・・」

「今日もあいつ来たのか?」

「まぁな・・それよりもお前はあいつの彼氏だったらもう少ししっかりしとけ!」

「わかってるよ」

どうもこいつ相手だと素が出てしまって厳しくなってしまう。だけどもそれは一人前の男としてみているわけでその 裏返しなのだ、昔の私のように道を踏み外さないように必死に彼女を護る・・それが本来あるべきの男の姿だと私は 思っている。相談内容も恋愛主体の聖とは違ってこいつの場合は少し違うもので相談もメンタル面の部分が多い。

612 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:15:47.81 ID:DDisYQ1X0

「それよりもお前、あいつが無茶しないようにちゃんと見守っておけ」

「無茶って・・」

「あの事だよ。ほら、例の黒い噂だ」

「ああ、あれか・・でもあいつはそこまで気にしているのか?」

全く、最初の頃よりかは随分ましになったとはいえまだまだ未熟者だ・・タバコを消すと弱腰を叩ききることにする。

「彼女の行動よりも陰ながら一足早く行動するのが彼氏ってもんだぞ! てめぇの彼女ぐらいてめぇでわかれ!!!」

「・・そうだな、じゃなきゃ俺はあいつと付き合っている意味なんてないしな」

「一応職員会議で話してみるから、お前はあいつが無茶な行動しないか影からよく監視しろ。 あれでも少しやる気みたいだったからな・・」

「わかった。大筋は先生に任すよ」

ようやく彼氏のほうを本来の道筋へと戻すと、安堵したのか彼氏のほうは保健室へと立ち去る。いつもなら全く手間の かかるカップルだと思ってしまうが、今回はこういった黒い噂が背景にあるのであの2人のためならず教師として 後始末はつけなければならない。

それに職員会議はいつもよりも長くなりそうだ、今のうちに旦那に連絡しても遅くはないだろう。

613 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:16:49.43 ID:DDisYQ1X0

私の予想通りに例の黒い噂を出すと教職員は驚きを示し職員会議は長期化を見せており、やれ生徒の威厳だとか 校則の強化だとかでかなりの論議が繰り広げられる中で私はじっとこの噂の信憑性や確証などを考えていた。 あれから私なりにこの噂を調べていたがこの噂は本当らしく、ほかの学校とつながって斡旋しあう生徒も存在する らしい、相良の言うように組織には間違いないと思うがどこか引っ掛かる部分を感じてしまう・・

思考を研ぎ澄ませている間に職員会議のほうも様々な議題と課題を残したまま終了し、会議も終わり部屋から 立ち去ろうとすると鈴木先生が話しかけてくれた。

「礼子先生、お疲れ様」

「あ、お疲れ様です。今日は長引いて疲れました・・」

「あの話題だったら仕方ないわ。それにしても先生あの噂どこから・・?」

「前々から生徒の噂を聞いたものですから・・」

すっかり冷めてしまったコーヒーを飲みながら私は鈴木先生に事の顛末を説明する。すでのほかの教員はでっぱ らっているのでこの教室には私たち2人しかいない、鈴木先生はじっと淹れなおしたコーヒーを再び口に含みながら 私の話に耳を傾けていた。

614 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:17:29.80 ID:DDisYQ1X0

「・・なるほど。だけどしかし先生はいいわよね」

「どうしてですか?」

「だって生徒とそんな話できるなんてよほど慕われてる証拠よ」

鈴木先生の言葉にふと何かしらの感銘を感じてしまうのだが、私はそこまで立派なことをしているのかと思うと 少し疑問も感じてしまうがこれもいいのかもしれない。

「ま、今後も会議があると思うけどお互いに頑張りましょ」

「ええ、こっちもできるだけ詳しいことは調べてみるつもりです」

「こちらからも頼むわ。調べたいのは山々だけど最近は学校の問題が多すぎてこちらとしても処理だけで 手一杯の状態なの」

鈴木先生の話だと教員の間にもいろいろな問題が山済みになってとてもじゃないが噂の真相を調べる余裕がない ようだ。いつもなら余裕そうな鈴木先生の顔にもどこか疲れみたいなのが出ているような気がしてならない・・ クラスを受け持つ身で忙しいのに更に学校の問題が重なったとならばとてもじゃないがこの噂の真相を調べる 余裕などないだろう。

この学校に来て始めて私は厄介な問題を抱えるようになった。

615 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:18:21.67 ID:DDisYQ1X0

「これでよし。だんだんと女の体にも慣れてきたようね」

「ええ・・ですけど不安はあります」

「何でも1人で抱え込んじゃだめよ。たまには誰かを頼ることも大切だわ」

あれから一週間近く経ったのだが、あの噂に対してはなんら関連性のない情報がないままで私は日々の業務を こなしている。といっても業務をしなければ話にならないものなのだが・・今日も保健室には女体化に悩む人物が 来訪をしている、同じ女体化した身・・何かしら支えになってあげれば最悪の事態が防げれるので何気ないしぐさでも 重要な仕事なのだ。

「さて、今後の点は・・」

“・・春日先生、至急職員室へお願いします”

「ん? じゃあ私はちょっと行ってくるからまた何かあったらいらっしゃい」

「はい」

生徒が立ち去ったのを確認すると保健室の鍵を掛けてそのまま職員室へと向かうことにする。それにしても職員室に 呼ばれるなんて何かあったのだろうか? 旦那から重要な連絡が来たのかもしれないし、もしかしたら何かしらの 職員会議があるのかもしれない。それに例の噂のことで何かしらの進展があったのかもしれない。少しの緊張を胸に 職員室へ入ると・・そこには意外な光景が繰り広げられていた。

621 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:29:41.28 ID:DDisYQ1X0

「俺じゃねぇって何度も言ってるだろ!!!!」

「その場にはお前しかいなかっただろ! お前も一緒にしていたんだろ!!」

「だから俺はたまたま偶然来ただけだ!! てめぇの物差しで勝手に決め付けるんじゃねぇ!!!」

職員室で言い争っているのは聖と生活指導の木村先生でなにやら揉めているようだ。どうやら私はこのために 呼び出されたようで他の先生も黙って私のほうへ視線を送る、この相良が唯一言うことを聞く先生といえば私ぐらい しかいないものだ。本来の業務とは違うものの呼ばれた以上は仕方ないので私は未だにいがみ合っている2人の 間に割って入ることにする。

「木村先生、後は私がやります」

「ですが、先生こいつは・・」

「いいですから任せてください。・・あなたもそれでいいわね?」

「あ、ああ・・」

すぐさま2人を押さえ込むと、聖だけを連れて職員室から生徒指導室へと移動する。木村先生のほうは余り納得の いかない表情だったのだが、あのまま続くと聖が何をしでかすかわからない状況だったし話のほうも埒が明かない ままだったので引き離すしかないだろう。

聖を連れて生徒指導室に場所を移すとゆっくりと聖から事情を聞くことにした。

623 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:34:17.92 ID:DDisYQ1X0

「で、何があったの? 木村先生と揉めていたところただ事じゃなかったみたいだけど・・」

「実はさ、いつものようにムシャクシャしてたからそこらへんにいた不良どもをぶちのめそうと思って屋上に着て みたらなんだかラリったように伸びていてな、周りを調べてみると注射器と薬が転がってたんだよ。 そこを偶然通りがかった木村に見つかり・・」

「薬をやっていた仲間だと思われて不良たちと一緒に職員室へ連行された・・ってところね」

状況を把握すると私はすぐに詳しい事情を聖から聞いてみる、それにしても学校内で薬なんて知れたらかなりの 大問題で入手ルートやそこら辺についても面倒なことになるだろう。

「ったく、木村の野郎! 何でもかんでも勝手に人を疑いやがって・・」

「まぁ、最近は例の噂が教員の間で持ちきりだから余計にピリピリしてるのよ。・・それにしても確証が持てた気がするわ」

見えなかった噂がだんだんと真実に繋がっていく、だけども今の高校生でも容易に薬が手に入る時代になって しまったのだと思うとどこか時代の流れを感じてしまい虚しく感じてしまう。無力感がどことなく私の周りを包んでいた とき、聖が思わぬ言葉を口にする。

624 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:35:24.67 ID:DDisYQ1X0

「そういやラリってた奴がなんか上辺ごとを言っていたな。

“シャウトに金さえ払えば薬が・・”

まさかあのシャウトがあそこまで有名になってるなんて驚いたものだが、昔はあんなに小さかった組織なのに 今じゃ大きくなるなんてな」

「・・シャウト?」

「ああ、俺が中学校の頃にあった小さかった薄汚いチンピラ集団だよ。男の頃はそいつらとも喧嘩したっけな・・ そういえばあいつが昔にシャウトを徹底的に潰したって言っていたな。何でもあいつの仲間に薬みたいなのを 売りつけて報復を買って組織ごと跡形もなく潰されたらしい」

今までの状況を整理すると例の噂は間違いなくシャウトとかいう組織に関連するものに間違いはないだろう。 ただえさえややこしい内容だっているのに一介の高校生のことでこの様な組織が介入しているのとなるともはや 学校では手のつけようのない問題に発展してしまう。ここは早いところ何らかの対応策を打たなければならないだろう。

これ以上、一部とはいえ生徒の被害は防ぎたい・・

626 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:36:00.90 ID:DDisYQ1X0

「わかったわ、後は警察に連絡して今後のことを考えないといけないわね。 あなたもこれ以上この噂については首を突っ込んじゃだめよ・・」

「そ、そんなことぐらいわかってる!」

「・・いい、本当にこれ以上この噂については忘れなさい。今のあなたはもう女性の体なんだから無茶したら どうなるかわからないわ」

私は念押して噂の真相究明にやる気を起こしていた聖に忠告を与える、こうなってしまった以上は警察にも連絡を してそれを待つしかないだろう。シャウトとか言う組織についてもきちんと報告を加えておくのも忘れないようにする、 それにしても意外なところで手がかりを掴められたのには少し複雑な気分だ、それに後はこの組織と尤も因縁深い 翔にも話しておかなければならないだろう。

後は適当に聖を帰すと今度は入れ替わりに翔を呼び出す。シャウトという組織の全容を知っているのは今のところ あの男だけだ、手がかりは掴めるだけ掴んだほうが効率がいい。

627 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:37:02.35 ID:DDisYQ1X0

「・・マジかよ」

「ああ、一応相良には釘を刺しておいたが今回ばかりはやる気のようだ」

「まさかあいつらが復活していたなんて・・」

早速、翔を生徒指導室に呼び出すとかなり驚いた顔つきで今までの経緯を黙って聞いていた。やはり翔は過去に シャウトとの関係があるようで名前を聞いただけでも険しい顔つきのまま静止を保っている。 私はそのまま翔を落ち着かせながら重要な手掛かりである組織の全貌について聞いてみることにする・・

「悪いがお前が慌てる気持ちはわかるがシャウトについて教えてくれ」

「・・あれは俺が中学3年の時だ。仲間の1人が様子がおかしくて最初は単なる体の不調かと思ったんだけど、 だんだんとやつれたように痩せてきてしまって言葉もおかしくなってきてな・・意を決した俺は腕を見たら注射痕が 沢山あった。そして俺はそいつからシャウトの事を聞きだして・・」

「報復に潰したというわけか・・」

「まあな。それで後から聞いた話だが、どうやらシャウトってのは後ろに暴力団がついていたらしいんだ」

「なんだと――」

暴力団・・その名前を聞くと過去のことを思い出してしまう。 誰も信用できずに暴走行為と言う成れ果てで自分を発散できなかったあの時、暴走族といっても所詮は暴力団の 下位組織に過ぎず月に一度は決められた上納金を支払うのが掟となっている。暴走族というどうしようもない集団の TOPに立った私は我が力を存分に奮い上げ、大きくさせて・・――そして裏切られて捨てられた。

暴力団の下位組織といえども油断は余りできない、警察だけでは到底不安になってくる。

628 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:37:37.65 ID:DDisYQ1X0

「あの時は見境なしに潰したからあの組織に暴力団がついているってことは後から聞いたんだ。 それでも俺にはなんら影響もなかったし、ただの小金稼ぎだと思っていたな」

「・・助かる。後、しっかりと相良のほうは監視を怠るなよ。今はどうなってるかよくわからないが薬を扱う危険な 組織なのは変わりない、いくら相良でもただではすまない」

「わかってる。それに遅かれ早かれあいつらは俺に復讐するのかもしれないしな」

だんだんと真相が見えてくる反面、蓄積された不安も増大される。翔から聞き出した情報を元に警察には知らせる つもりだがそれだけではなんとも心細いものを感じてしまうしこちらも何かしら手を打たなければならないだろう。 嫌な予感が私の脳内を駆け巡る・・何事もないことを祈るしかないだろう。

629 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:38:40.19 ID:DDisYQ1X0

あれから一週間ばかりの時間が過ぎた。警察のほうにもシャウトについて連絡をして捜査を開始してもらっており、 兼ねてからの懸案事項だった相良のほうも今は大人しくしている。このまま何事もない日々が続いてくれれば こちらとしては嬉しい限りなのだが、いつまでもこんな状況が続いてくれるとは限らない。

警察からもたびたび学校に連絡が来るのだがあまり良い情報はない、捜査のほうもどこか難航しているようで いいものじゃない。だけども警察という抑止力が働いているようで退学とかの騒ぎにはまだ繋がっていない。

(・・こんな状態もそう長くは続かんな)

そんな一進一退の状態がしばらく続く中であの嫌な予感が当たってしまったかのような異様な事態が発生する。

「相良が休み・・まさかッ――」

あの聖が突然として学校を休んだ、しかも名簿をよくよく見てみると彼氏である翔さえも姿を現さない。この異常事態 ともいえる場面に嫌な予感を覚えられずに入られなく、私は業務を切り上げ急遽学校を後にすると、車を駆使して 2人を探すことにする。この2人が同時に休むなどまずもってただ事ではないのが容易に想像でき何よりも長年の 勘が私にそう伝えている。それを示唆するかのように案の定、2人の家に向かうのだが家のほうにもいないみたいで 考えるだけでもかなりやばい状態だ。

車で必死に2人を探しながらも私の頭の中はだんだんと最悪な事態が浮かび上がってくる、それが堪らなく辛かった・・

632 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:47:27.19 ID:DDisYQ1X0

(あいつら・・一体どこにいるんだ!)

何の手がかりも確認せずに飛び出してしまった私も悪いのだがそれだけにあの2人には人一倍思いが強い 証拠なのだろう。だけどもこうやって闇雲に探していても2人の手掛かりを掴めるはずがなく不安だけが胸いっぱいに 広がってくる、どうしようもない気持ちと悔しさを抱えたまま車を駐車場に止めると自然と街中を歩き始めた。

何気なく街を歩いているといろいろな人の声が聞こえてくる、こうして途方もなく歩くのはもう何年ぶりになるのか・・ だけども目的を忘れてはいないようですべての神経を耳に集中させながら必死でこの場にいる人の声を聞き分け ながら必死で2人の居場所の手掛かりを探っていた。

そうやって人の声をたどってフラフラと街を歩いていた私だが突如として人の声が消えてしまい、なぜだろうと 思いながら周りをよくみてみるとそこには人の姿などなく薄暗い場所で余り誰も寄り付きそうではない場所だった。 どうやら人の声をたどっているうちに自然とこういった場所へと来てしまったのだろう、こういった場所は不良たちが よく好む場所で私も昔はこういった場所で喧嘩や族のミーティングなどをしていたものだ。ふと昔を思い出してしまう と体が反応してしまい、知らぬ間に懐にあったタバコを取り出すと口に咥えて火をつける。

633 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:48:38.42 ID:DDisYQ1X0

「教師になってからもうこんなところへ足を運ぶなんて思っちゃいなかったが・・懐かしいのやらよくわからんな」

少し皮肉りながらタバコを吸いながら気持ちを落ち着けると私はまじまじと周りを見つめると聖たちを探そうとしていた のだが・・ふとどこからか男たちの荒い声が聞こえる。こういったところでは喧嘩と言うのは日常的なものなのだが、 どうもその声は聞き覚えのあるもので私の脳をたびたび刺激する。このまま放っておいたらまずいと判断した私は そのまま声のする方向に向かうと一軒の店へとたどり着く、声のほうもだんだんと大きくなり中からは鈍い音が何度も 聞こえてくる。 それにこういったところにある店などちゃんと機能しているほうがどうかしているので考えを捨てるとドアノブにそっと 手をかける。

「・・入ってみるか」

タバコを捨てて意識を集中させて中に入ると・・そこには驚くべき光景が広がっていた。

634 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:49:24.05 ID:DDisYQ1X0

「中野――ッ!!」

「せ、先生・・」

店の中に入るとそこにはボロボロになっている翔に横で縛られている聖・・それに翔の周りには少数だが武装している 人物がおり1人1人がかなりの腕の立つ人物だと予想される。それに武装している集団の中でも人一倍どす黒い オーラを放っている人物に目がついたのだが今はそれどころではなくこの状況を打破するのが先決だ。

私はゆっくりとボロボロになっている翔のほうへと歩み寄り肩をかけると離れ所へと連れて行く、ここまでボロボロに なった理由は聞くほうが野暮と言うものだ。

「・・よくやったな。後は任せろ」

「た、頼む――」

そのまま気絶する翔を確認すると今度は聖のほうへゆっくりと歩み寄る、その途中で周りにいた男たちが私を囲むと 持っている武器を構えながら定番の言葉を放つ。まぁ、彼らにしてみればいきなり甚振っていたお楽しみを奪われた のだからイラつくのも無理はないだろう。

「お前誰だ!! 女だからって・・」

「・・てめぇ等はちょっと黙ってろ!!!」

「う、うっ・・」

言葉とは対照的に動けなくなってしまったその他大勢は放っておいてゆっくりと聖の元へと向かう。 囚われていた聖からは安堵や喜びといった表情が見受けられたのだが・・私はそれも構わず険しいままで聖のほう へと向かって立ち止まる。

636 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 16:50:17.03 ID:DDisYQ1X0

「・・・」

「礼子先生、助かっ――ッ!!」

乾いた音が部屋中に響き渡る・・いきなりのことで赤く腫れ上がった頬を押さえながら戸惑っている聖をよそに私は 深呼吸すると聖に怒鳴りあげる。

「何しやが――・・」

「バカ野郎ォ!!! 人がどれだけ心配したと思ってるんだ!!!」

「――ッ!!」

がっくりとうなだれる聖、普段の彼女からは想像できないほどのショックが手にとるように伝わってくる。 聖を守るためにここまでボロボロになった翔の想いを踏みにじらないため・・そして教師としてのけじめをつけなければ いけない。辛い選択だが聖にはそれなりの責任を取らせなければならない、それが教師としての私の務めだ。

「・・いいか、もうお前は今までのように一人じゃないんだ、それを忘れるな!!!」

「先生・・」

さっきとは違い感嘆したような表情をしながら聖は何も言わずに素直に私の言葉を肯定するかのように黙ってしまった。 きっと彼女なりに受け止めているのだろう、後は自分自身に任せるほかない。そう判断した私は黙って聖を解放して 気絶している翔を抱えながらその場を離れようとするのだが、どこからか拍手の音が聞こえてくる。

拍手のする方向へ振り返ってみるとあのどす黒いあの男で、あの時は周りのことで大変だったので余りよくわからな かったのだが、よくよく見てみるとどこか見覚えのある顔でよくよく見てみるとその人物は私のよく知っている人物で あった。

637 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 17:02:02.99 ID:DDisYQ1X0

「いやいや立派な指導ご苦労。だけどこれ以上嗅ぎまわる奴らがいたら商売上がったり下がったりだからね、 このまま君たちを黙って返すわけにはいかないな」

「・・相変わらずだな、ショボン」

「誰だっけ・・? 生憎だがあなたみたいに女体化した女性の知り合いはあまりいないなぁ」

どうやら昔の私のことを忘れているようだが、私はこの人物をよく覚えている。ショボン・・弱弱しい貧相そうな顔に 見えるが外見にも似合わずに暴力団の幹部を務めている、かつて私が暴走族の総長を勤めていた頃には毎月の ようにこいつに金を払ってバックアップを固めていた。だけどもこいつは余りいけ好かない存在だ、人を人とも 思っちゃいないその態度はまさに悪そのものだ、それにその態度が癇に障っていい気分がしないものだ。

「“金武愚”これでわからねぇか?」

「金武愚だと・・もしや君は?」

「その顔だとようやくわかったようだな。そうだ! 俺は初代、金武愚総長の冷夏だ!!」

昔の因縁と言うのはどこまでも忌々しくも深いものでショボンのほうもさっきまで余裕のあった表情が消えており 場の雲行きのほうもだんだんと怪しくなっている。だけどもショボンはすぐに薄ら笑いをしながら表情を崩すと今まで のことを清算しきったように私に話しかけてくる。

638 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 17:03:26.11 ID:DDisYQ1X0

「まさか君が教師になっていたなんてね、でもあの時の300万は有効に使わせてもらったよ。 あの時はちょうど大きい抗争で金の入用がほしかったところだからね」

「・・御託はいい、なんでシャウトとかというガキの集団をお前が使っているんだ」

「最近のガキは頭が良くなりすぎていてね、やることもだんだんと巧妙化している。・・これを金儲けに利用しない手は ない、ただそれだけだよ」

「――ッ!! てめぇにはそれしか頭にないのか・・」

「所詮はいくら頭がよかろうがガキはガキだよ。それだけ利用価値がある・・援助交際に親父狩りにはたまた薬なんて 結構結構、それだけこちらとしては儲けが増える。それにああ言ったガキどもは妙な虚勢が働いてこのことを周りに 言いふらすことは絶対にない・・もしばれたって逮捕されるのはこいつらガキだけ、少年法は甘いから数年は年少に 入るだけでこっちは自分の保身が保たれる。

こっちは絶対に損はしないおいしいビジネスさ」

だんだんと体の底から溢れる怒りがたまってくるのは容易にわかる。こいつは自分だけの儲けのためだけにシャウトと かいう組織をガキの間で作り上げ何も知らない生徒たちの間でありとあらゆる犯罪を幇助させている、かといって もしその存在がばれてしまっても絶対に自分は損をしないシステムを作り上げている・・こいつの儲けのために 今まで被害にあった生徒のことを考えると浮かばれない気持ちだ。

こっちだってただでは帰れない、私はそっと聖に目配せをさせるとショボンを睨み付ける。

639 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 17:05:07.24 ID:DDisYQ1X0

「ショボン!! 警察が来る前にお前を一発叩く!!!」

「・・全く、女体化して少し利口になったと思ったんだけどね」

そういってショボンは静かに周りにいた集団に命令を下す。だけどもこっちだって面子がかかっているし何よりも この男には一発入れたいという気持ちが強く沸いてきているのが主な理由だ。武装している集団が数人、腕は 鈍っていないとは思う・・徐々に間合いを詰めて臨戦態勢に入ったとき、突如として周りにいた人物がばたばたと 倒れ始めてた。

周りの様子をよくよく見つめてみると開放された聖が片っ端に周りの人物を倒しまくっており私にこう一言・・

「先生に何の因縁があるかわからねぇが、てめぇらには邪魔はさせねぇ!!」

「おい!! 誰も助けろとは・・」

「昔からの因縁だろ? 先生がこいつと昔何があったのかはわからないけど俺だってそういったのはあるからな。 だから誰にも邪魔はさせねぇ」

圧倒的な数の差にもかかわらず、聖は片っ端から武装している人物をなぎ倒しながら私のために道を作っている、 まさか生徒にここまでされるなんて思っても見ないことなのだが今はそんなことを考えている暇など毛頭もない。

雑魚相手を聖に任せると私はゆっくりとショボンのほうへと向かう、周りの手下がやられたことによりショボンの顔から はだんだんと余裕がなくなっており、顔も血の気が引いている。 所詮はこいつは今まで自分の手を汚さずにやってきていた小物だったために器の小ささが露骨に出ている、 昔こんな男の下にいた過去が重なって余計に怒りがにじみ出てしまう・・

641 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 17:05:44.18 ID:DDisYQ1X0

「・・十数年経っちまったが、あのときの落とし前はきっちりとつけてもらうぜ。この場に撤兵がいないのが心残りだがな」

「ま、待て! じじじ、自首はする!! だから・・」

「うるせぇ!!!! てめぇみたいな大人がいるからいつまで経っても俺みたいな奴が存在し続けるんだよ!!!!!!!!」

「や、やめてくれぇぇぇぇぇ!!!!!」

私は今までのありったけを拳でショボンにぶつける。ショボンの壮絶な断末魔と同時にパトカーのサイレンの音が鳴り 響いた・・

642 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 17:08:43.05 ID:DDisYQ1X0

後の処理を警察に任せて聖と一緒にその場で気絶していた翔を抱えるとその場から立ち去る、これでショボンが 引き連れていたシャウトとか言う組織も実態が明るみに出て噂のほうも壊滅するだろう。後は保護者を交えての 対談になって事後処理を含めた仕事も増えて苦労するだろうけど不思議と苦は感じない。

駐車場にとめてあった車で2人の家まで送っている途中、聖がポツリとこう漏らす・・

「・・なぁ、礼子先生ってなんで教師になったんだ?」

「別に大したことじゃないわよ。たまたま選んだ道が教師だったわけ・・それに私やあなたみたいに女体化した 身の上の生徒の支えになることぐらいね」

「俺をひっぱたいた時の先生はマジになってたな。俺あんなに怒られたの始めてだ・・」

頬をさすりながらも聖はどこか感傷深くなって今までのことを思い返しているようだ。そんな聖を見ると自分は人に こんな表情をさせることもできるのかと思うとどこか神妙で奇妙な感じがする、そういえば高校で行われた野外 活動のときにとある女からこんなことを言われた覚えがある。

“・・自分から逃げてるんだろ?”

まさに昔の私まんまに的を得ていて当時は言われたときにはかなりムカついたのだが、今になって思えば全く そのとおりでそんな私がこうやって人を深く考えさせるのができるまでになっているのだと考えると笑えてしまう。 その女が今どこでどうなっているのかは全くわからないのだが今の私を見るとどのような表情になるのか どこか気になってもしてしまう。

赤信号で車を止めるとタバコを探すのだが生憎中身は空だし、それに慣れないことをして中途半端にお腹が減ってきた・・

643 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/09/24(月) 17:09:11.87 ID:DDisYQ1X0

「・・さて、お腹も減ったしどこかご飯でも食べましょ。今日は慣れないことしたから疲れたわ」

「いいのか? 俺たち金は余り・・」

「私のおごり。そうと決まったら後ろにいる彼氏でもたたき起こしなさい」

「マジかよ、やったぜ!!」

おごりと聞いて嬉しそうにしながら後ろでまだ気絶している翔をたたき起こす聖を見ると私は本当にこの職業に ついてよかったと思うのであった・・









―fin―


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最終更新:2008年09月17日 19:21
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