『樹』(6)

348 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:19:35.40 ID:XzBKDeVb0

しばらくして家に着いた俺たちはそのまま中に入ったのだが 中に入った瞬間、胸騒ぎと違和感が同時に襲ってきた。それは 横にいたあいつも同様なようで家に中はえらく静かで誰もいない虚しい音だけが響いていた。

「ど、どうしたの・・來夢は?」

「さぁな・・とりあえず台所へ行くぞ。お前は俺から離れるな・・もしかしたら強盗の類かもしれない」

「わ、わかったわ」

もしかしたら強盗の類かもしれないと思い、俺はあいつを後ろに下がらせると そっと静かに來夢がいるはずの台所へと向かった。台所に入った俺たちが見たのは驚くべき光景であった――ッ!!

349 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:20:37.61 ID:XzBKDeVb0

台所からは人気もなかったのだが、代わりに料理をしているはずの來夢が 倒れていた。俺たちはあわてて來夢のほうへと駆け寄った。俺は來夢の体を 触り外傷がないことを確認すると同時に周囲の人気を探った。どうやら静か だったのは強盗とかそういうのではなく、來夢が何らかの理由で倒れたということだけであった。

でも、俺たちには安心などできず來夢の体をさすった。

「お、おい來夢!!しっかりしろ!!」

「早く、レスキュー隊を呼びましょ!!!あんたは小父様と小母様に連絡して!!」

「・・わかった。來夢を頼んだぞ」

俺は來夢をあいつに任せるとそのまま携帯片手に親父たちに連絡を取った。 その後にあいつが呼んだレスキュー隊が来て來夢は俺とあいつに付き添われ ながら來夢は病院に搬送された。今までにはなんら変わりなく元気でいた來夢が 突然倒れこんでしまうなんてショック以上だ。

いったいどうしちまったんだよ來夢!!

それに先ほどから感じる嫌な胸騒ぎは未だに続いていた。

350 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:22:22.76 ID:XzBKDeVb0

來夢が病院に運ばれた後、母さんのほうが先に到着した。 親父のほうは連絡があったのだが事情があって時間が取れないらしい。 母さんのほうはちょうど仕事が終わってからの出来事だったので かなり動揺していた。

普段は冷静な母さんがここまで感情をあらわにするのは珍しいことで担当の医者に怒鳴り込んでいた。

「おい!!・・來夢は・・來夢はどうなんだ!!返答次第ではただじゃ置かんぞ!!!」

「お、落ち着いてください!!・・娘さんは今、治療中です。結果がでるまで少々お待ちいただかなければ」

「そうだよ母さん!!・・ここの病院は設備がいいはずだろ。だから、少し落ち着こうぜ」

俺は母さんを何とか落ち着かせるが半分は自分自身に言い聞かせてる言葉だ。 俺自身も心底慌てている。ここまで冷静にいられるなんて自分でも不思議だ。 なぜ來夢が倒れたりしたんだよ・・それに、嫌に胸騒ぎがする。 こういう嫌な予感はさっさとなくなってくれればいいのだが・・

あいつのほうも病院についてからは一言も喋っていない。 救急車の中では來夢の手を必死に握っていたからな・・

「おい・・來夢が心配なのはわかるが結果を待とう。・・な?」

「・・うん。それよりもなんで、來夢がこんなことに――ッ」

あいつの嘆きはこの場にいる全員の嘆きでもあった・・

351 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:23:27.38 ID:XzBKDeVb0

來夢の治療が一通りに終わった後、身内の俺と母さんは別室へと呼ばれた。 あいつには病室で眠っている來夢に看てもらうことにした。目覚めたときに 誰もいなかったら來夢も寂しいだろうからな・・

緊張が張り巡らされている中、担当の医者は俺と母さんにその重たい口を開いた。

「娘さんの病は・・ここの病院では治しきれないものです」

「何だと!!」

「そ、そんな・・」

俺たちは驚きと動揺を隠しきれなかった。母さんは担当の医師を掴み掛からんとする 勢いで大声で怒鳴り始めた。

「治しきれないとはどういうことだ――ッ!!!私の子に・・何があるというのだッ!!!!!」

「か、母さん!!落ち着いてくれッ!!・・続きを」

俺は何とか母さんを抑えるとそのまま医師に続きを求めた。

352 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:24:50.77 ID:XzBKDeVb0

「・・娘さんの病気は女体化によるものだと思われます。 正直言って、女体化というのは未知の部分が多すぎて現状だけで 精一杯なのが現在の医療の限界です。ここよりも女体化の専門の 病院に移送が望ましいです。国連の女体化の研究施設なら病院も兼ねて あるのでこの病院よりかはより詳しい結果がわかると思います」

「そうですか・・わかりました」

「手続きは早急に済ませましょう」

「ありがとうございます。・・母さん行こう」

俺は医者に一礼すると母さんと一緒に部屋を後にした。 それにしても、原因が女体化によるものだとは思いもよらなかった。

そういえば国連の研究施設ってたしか徹子さんのいたところだったよな。 なら、この病院よりはいい結果は出るのは確実だな。何せ、今なお続く 未知なる病である女体化シンドノームの若き権威である徹子さんに直々に 看てもらえればいい結果は出そうだ。

おっと、今はそれよりも來夢の体のほうが心配だ。

353 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:26:21.72 ID:XzBKDeVb0

そして、翌日・・俺たちは場所を変えて再び国連の 女体化専門の医療研究施設へと舞台を移した。 來夢のほうもあれから数時間してかようやく意識を取り戻した。 そんでもって來夢には大事を取らせてすべての行動を休ませた。 本人は働く気満々なのであったのだが、これ以上無理して倒れたりしたら 困るのであいつに代わってもらうことにした。 來夢には健康診断といってある。とりあえず今日は3人きりだ。

俺たちは、來夢を連れて施設の中に入った。

「お前は・・何でいるんだ?」

「別に・・ただ來夢が心配だからよ。原因がわからないんでしょ?」

「ま、いいか・・」

なぜあいつがここにいるのか?という疑問はすぐに俺の思考から消え去った。 何せ、原因不明の病だ。もしかしたらと思うのだが・・ここはただの貧血あたりに してほしい。それだと心配するに越したことはないのだがな・・

しかし・・あの嫌な予感は未だに健在で、俺の胸を締め付けられるぐらいにまで拡大していった。

頼むぜ。無事に何事もなく終わってくれ・・

354 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:27:55.46 ID:XzBKDeVb0

しばらくして様々な検査が終わった後、來夢を除いた俺たち2人は別室で 徹子さんから來夢の検査結果が伝えられた。

様々な緊張が張り巡らせる中・・徹子さんは真剣な表情でその重たい口を開いた。

「お前の妹の結果だが・・癌だ」

「なッ!!!」

「な、何ですってッ!!!!來夢が・・が、癌」

余りにもの衝撃の結果に俺たちはしばらく呆然としていた。 まさか病院に運ばれたときから嫌な予感はしていたが最悪の形で当たってしまうなんて・・ 俺はこの現実から逃れたい一身だ。あんなに元気だった來夢が癌だなんて・・ 横に座っているあいつも顔が俯いたままだった。その顔から光るものが見えた・・

当然だ。俺も・・この事実は受けれがたいものだからな。 緊張していた空気が一気に息が苦しいぐらい重苦しくなる中で徹子さんは 一呼吸置きながらレントゲンを取り出し俺たちに説明した。

俺はそのまま目を逸らしたい気分であったが・・現実というのは嫌でも本能的に感じてしまうものであった。

355 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:34:43.49 ID:XzBKDeVb0

「・・気持ちはわかるがな。女体化したときにお前の弟は 身体を女体化する際の再構築に耐え切れなかった部分があったようだ。 その部分の細胞が突如としてガン細胞へと変化してしまったんだ。

しかも、このガン細胞は今までのガン細胞と違ってかなり特殊な部類に入るんだ。 性質自体は大して変わらんのんだが、下手に刺激を与えるとどうにもならん。 今までのようなガン細胞と違うのは女体化してから突然変異したもの・・ しかも、この事例はまだ一件も報告されていないという例外中の例外だ。

    • 不幸中の幸いなのがまだ初期症状だったこととこの癌はほかの癌と比べて極めて症状の進行が遅いことだ」

「そうですか・・」

俺はどうすればいいのか全くわからなかった。いや、非常に混乱していて徹子さんの話が余り聞こえてこなかった・・

356 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 16:36:05.83 ID:XzBKDeVb0

「なぁに、こっちだって有り得ない事態に混乱していたところだ。 俺はもとより上の連中や現場の医師なんて結果を聞いたときには 卒倒ものだったよ。ま、いくら新種の癌だからといってもこちらもちゃんと 医者としての仕事は精一杯果たしてもらうよ。 じゃないとこうして医者になった意味がないからな・・

ただ・・今までの癌とは違うから治療には進行を止めるのが精一杯だと思う。 何せ、俺がちゃんとした女体化に関する論文を発表するまで女体化に関する データが少ないのが現状だったからな。 ・・ま、こぼれ話はさておき、肝心の妹にはどう伝えるつもりだ?

俺だって無責任なのはわかっているが、こればかりは俺ではどうにもならん問題だ」

それを聞いて俺は再び口を噤んだ。 そうだった・・俺らを待っている來夢にはどう伝えればいいんだろうな。 今、真実を伝えてしまっては混乱するばかりかショックも大きいだろうし そのまま黙っておいてもいつかはばれてしまう事が明白だ。

それに來夢はそういった部分は昔からすこぶる勘がいい。 いずれにしても隠しきれないのは事実だ。徹子さんはそんな俺たちに 気を遣ってくれて話の途中でも時折精神を落ち着かせてくれたが 俺たちは余りにもの衝撃の事実に目をそらしたい一身だ・・

徹子さんは再び真剣な顔つきになりながら説明を続けた。

366 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/08(木) 19:04:39.43 ID:XzBKDeVb0

「俺だってすぐに手術をしたいのは山々だが、いかせんこの癌は新種の癌だ。 データが足りなさすぎる・・

早いところデータを揃えて手術を始めたいのだがな。幸いこの癌は 症状の進行が極めて遅い。データを揃える時間はたっぷりある。 それまでに俺たちも何とか病原体の性質をより詳しく調べてみるさ・・ お前たちも身内がこんなことになってかなり辛いとは思うが大事なのは 患者の状態だ。俺たちがいくらやる気を出しても患者がだめだったら元も子もないからな・・ 俺だって医者の端くれ・・頑張らせてもらうよ。 だから、お前らも前向きになってくれ。お前たちが前向きになってくれれば 妹だって治るはずだ。今の俺にはこんなことしか言えない。

本当にこんなことしか言えないなんて済まないな・・」

「いえ、お気遣いありがとうございます。・・行くぞ」

「ええ・・」

俺たちは静かに徹子さんの元へと去った。俺らの周りには不安や絶望といった言葉では表せないようなものに包まれていた・・

270 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/10(土) 21:53:20.96 ID:k9vm5MO70

「・・――來夢には何て言うの?」

「わからん・・ただ、手術までには何とかするつもりだ」

新たなる混乱・・それは女体化が原因で起こった死の病。 これをどう來夢に伝えればいいのか全然わからなかった。最近の來夢は 自身の女体化を乗り越えて再び以前のような安定した精神状態を保っている。 ようやく軌道に乗りかかったところなのに今度は女体化による病気騒動・・ しかも病気は死亡率が最も高い病気である癌だ。

こんな事聞かされれば・・まともな精神状態になるはずがない。だけど・・隠し続けるのも限界がある。

俺はしばらく考えた末に決断を下した。

「來夢には今から真実を伝えるよ。あいつ、昔から俺たちが何か隠していてもすぐに見破っていただろ・・」

「あんた・・何言ってるのよッ!!!今そんなこと來夢に伝えたら・・どうなるかあんたわかってるんでしょうねッ!!!!」

あいつはものすごい剣幕で大声で俺を怒鳴りあげた。しかし、その気迫とは裏腹にあいつの瞳からは 涙が溢れ零れだしていた。だけど、俺は拳を震わせながら弱々しい声でポツリと言い放った。

「そんなこといいわけ・・ないだろ。俺だってショックだよ・・ こんなにも女体化という病気を嫌ほど憎たらしく思ったことはない。 だけどな・・辛いんだよ。何よりも真実を知りながら目前にゆっくりと死に迫っている 來夢にそんなことを隠しながら言うなんて・・

それだけで俺には無理だ」

271 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/10(土) 21:54:12.39 ID:k9vm5MO70

「・・・わかったわ。あんたがそのつもりなら私はこれ以上何も言わないわ・・だけど1つ約束して。 “私たちは3人、何処へいても一緒よ”

これだけは忘れないで・・」

「わかってるさ・・」

俺は弱々しくも力を振り絞り立ち上がりながら真実を病室で待たされている 來夢に伝えに行った。正直、これが正しい選択なのかは俺にはわからない。 だけど決断した以上、真実を來夢に伝えなければならない。

――死という破滅がゆっくりと足音を立てて迫ってきている残酷な真実を・・俺は伝えなければならない。

女体化シンドノームという病気を俺はここまで恨めしく憎々しいと思ったことは今までになかっただろう。

272 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/10(土) 21:55:37.07 ID:k9vm5MO70

「そう・・なんだ・・・」

「ああ・・」

部屋に嫌ほど重苦しい空気が流れる。このままできることなら 出って行きたいぐらいだ。あいつのほうもそれに耐えられないのか黙って 俯いたまま顔を上げない。俺は病室で俺たちを待ってくれた來夢に癌の 事実を伝えた。やはり当人は信じられないという顔つきで癌の事実を 飲み込んでおり、俺はそんな來夢の姿が痛々しくてならなかった・・

「・・ごめん。しばらく1人にしてくれないかな」

「わかった・・」

無言で俺らは來夢立ち去った・・

「手術・・大丈夫なのかな?」

「さぁな・・」

帰り際・・俺はあいつと2人で夜道を歩いていた。來夢のほうは 検査を兼ねて入院することになるらしい・・ 本当に何もできない自分が不甲斐ない。哀しみに暮れる中、現実という 冷たい刃は哀しみとなって俺たちの体を容赦なくえぐいた。

そういえばあの時、徹子さんからこんなことも言われた・・

274 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/10(土) 21:57:30.37 ID:k9vm5MO70

「それで肝心の手術なんだが・・お前さんの妹、生まれつき体が弱いんだろ? 癌の場所は非常に摘出の難しいところにあるんだ。お前さんの妹の体を 考慮しながら考えると3時間が限度ってところだ。 とてもじゃないが時間が足りなさすぎる・・

それに仮に手術がうまくいっても、術後からくる衝撃に耐えれるかわからないな」

來夢の体は生まれつき弱かった。今は日常生活になんら支障はないが、昔は 激しい運動は4時間が限度という状況であった。年齢を重ねるうちにある程度は 回復していったが、今でも來夢の体はその名残があるのか本人は長時間の 定期的な運動は極力控えている。 女体化した現在でもそれは変わりないようで、現在も長期的な運動は控えてある。

俺は・・何もできないのかよ。なんで來夢がこんなことになるんだよ・・

「――クソッ!!!なんで・・なんで來夢がこんなことになったんだよッ!!!!!!!!!

なんで・・こんなことになったんだよ・・」

「・・私だってわからないわよ。今でも信じられない・・ぐらい」

「クソッ!!!・・クッソォォォォォォォォ!!!!!!!!」

深みのある漆黒の空にこぼれる様な星が点々と輝く中・・あいつが悔しそうに唇をかみ締めながら見守る中、俺の虚しい叫びが鳴り響いた。

275 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/10(土) 21:59:33.29 ID:k9vm5MO70

「・・少しは落ち着いた?」

「あ、ああ・・何とか・・」

気がつけば俺はあいつに抱きしめられていた。なんでなのかはわからない・・ 俺が絶望に嘆きながら叫んでいると突然、俺の体に独特の柔らかい感触が 伝わってきた。それを感知した俺はなんだか・・体がぐっと軽くなったような気がした。 赤ん坊が母親に抱かれているのはこんな感じなのか?

それは言葉では表しきれないほど柔らかく心地よいものだった。それと同時に 今まで俺の心に巣食っていた不安や絶望・・死の恐怖などがすっきりと 俺の心から洗い流されていく。まるで生まれ変わるかのように・・

しばらくのまま俺はあいつに抱かれたまま呆然と空を見ていた。

276 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/10(土) 22:01:09.56 ID:k9vm5MO70

「弱気なのはあんたらしくないわ・・」

「・・何言ってるんだよ!!!こんな状況で・・こんな状況で弱気にならないほうがおかしいだろ」

俺がすべてを吐き捨てようとした瞬間・・頬に痛みが走った。俺は そのまま頬を押さえながらあいつは再び涙声で俺に向けて怒鳴りあげた。 その言葉には自分の不甲斐なさに対する怒りと絶望による悲しみが入り混じっていた・・

「あんたバカよ!!!!・・全部1人で抱え込んで――ッ!!!ほんと・・バカよ」

「お前・・」

「私だって――ッ!!・・私だって來夢がこんなことになって悲しいわよ。だから・・1人で考え込まないでよ」

あいつは顔を少し俯きながら視線をそらした。 その瞳からは涙がポツリポツリと溢れているのが確認できた。 あいつの涙を見たときに俺はようやく自分を冷静に見れることができた。

そうだった・・大事なことを忘れていた。

俺たちはいつも3人で一緒にいた。俺は今回のことを誰にも相談せずに 1人で考えようとしていた。俺たちがしっかりしなければ來夢も治るものも治らないだろう。

277 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/02/10(土) 22:01:36.57 ID:k9vm5MO70

「ごめん・・俺もう少しで大事なこと忘れるとこだった。そうだったな・・俺たちは3人いつも一緒にいたよな。 今までも、そしてこれからも・・・」

「・・ええ、來夢もそれを望んでいると思うわ。私たちがこんな気持ちじゃ來夢も不安になると思うわ。 だから、私はずっとあんたたちと一緒に前向きに進んでいくわ。

    • さて、しんみりした話もおしまい。行こうか?」

「ああ、一緒に行こう。また3人で・・」

俺はあいつの手をとるとそのまま暗い夜道へと歩いた。


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最終更新:2008年09月17日 19:33
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