315 名前:
◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/07/21(土) 10:37:49.67 ID:DVdNRQp20
季節の移り変わり・・それは目安程度しか思い浮かばない、バイトも大学卒業まで続けられるぐらいに店長の信頼を 勝ち取りながら本業であるレポートや課題をゆるくこなしいる。しかし、勉強が楽しく感じてしまうと課題やレポートとか はすぐに終わってしまうもので退屈になってしまう・・ バイトとかを増やすという手もあるのだが、車の免許を取った以外で大して使うこともなく差ほどが貯金と生活費に 溶けてはいるのだが、余裕はたくさんある。
「・・お前はなんで俺と一緒にこうやって飯を食べるんだ」
「別にそこは私の自由よ。・・でも強いて言うなら気分ね」
「理由を聞いた俺がバカだったよ」
かけうどんを食べながら俺は食堂の窓に映る季節の移り変わりを見つめていた。来年からは3年生になるのだが この時期になると就職のことが見え隠れするようなってくるもので場合によってはこの時期から備えることが大事だ。 とりあえず会社に就職が決まればそれなりに安泰した生活を手に入れられることが出来るので今までどおりに 安定した生活を手に入れることが出来るだろう。
「就職したら結婚とかするの」
「・・下らんな。女体化がどうのこうのとは言わないが夫婦なんて性的欲求は別としても俺の趣味に合わないね」
将来俺が結婚するとしたらお見合いとかでしか出会いがなさそうだ。夫婦なんて性的欲求さえ満たされればそれだけで いい、俺からしてみれば愛などという最も非現実的な感情を信じるほうがどうかしている。所詮は夫婦なんて人間と いう種の発展と互いの利害が一致して初めて結び付けられているものだ、昔から政略結婚というものが存在するが よく出来ているものだなぁっと感心すらしてしまう。
夫婦以前に他人といるだけで煩わしく感じてしまう俺にそういったものを求めるだけで野暮というものであろう。
316 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/07/21(土) 10:39:12.01 ID:DVdNRQp20
「呆れるぐらい現実主義なのね。・・でもあなたらしいといえばあなたらしいわ」
「うるさい、ただえさえお前と飯を食うだけでも微妙なところだ」
「そうね。いい理由をありがと」
相変わらず掴みづらい奴だ、しかしこうやって必要以上に他人と喋っている自分を見ているとどこか可笑しく感じられて しまう。バイトとかでは他人とは必要以上は絶対に喋らない俺が理嗚とうどんを食べているだけで必要以上のことを 喋っているのだから考えるだけで不思議でしょうがない。
「・・そういえば前に講義の帰りに周りから昼飯のことを言われたわ。 “どうしてあの気持ち悪い奴と一緒にご飯を食べているの?”ってね、あなたよほど嫌われてるのね」
「別に嫌われたっていい・・そのほうが俺としてみれば余計なことをしなくて楽だからな」
「確かにあなたは騙される人間よりも騙す人間のほうがお似合いだわ」
「一応、皮肉のつもりだろうが、礼だけは言っておこう」
相変わらず嫌味のひとつを平然と受け入れる女だ。こいつは絶対に人間に備わっているはずの喜怒哀楽の感情が 欠落しているに違いない、俺も人とはどこかずれているとは自覚しているがこいつも人よりどこかおかしい部分はある。 だけどもこいつが俺と同属だなんて考えるだけで虫唾が走るものが感じられるもので妙な抵抗感も覚えてしまう。
やはり人間は同属嫌悪という言葉が一番よくお似合いだと自分を皮肉りながら可笑しくなってしまう。
317 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/07/21(土) 10:40:36.76 ID:DVdNRQp20
「まぁ、それでも俺が一番大嫌いな人間はお前だよ」
「・・同属嫌悪って奴ね。でも、こうして嫌いな人間と一緒に食事を共にしているあなたのほうが矛盾してるわ」
「それも・・そうだな」
これ以上言ったって無駄だ。正論を吐く奴を言いくるめたってどうしようもない・・ かけうどんを食べながら今度は静寂を保つことにする。そういえば俺は女体化をしているのに未だに男のときの 言葉を使っている奴が昔から妙に気に食わなかった。所詮は治療の余地もない病なのにそう無駄な抵抗をなぜ するのだろうか疑問に思えて仕方ないものだがそんな理由を聞いても返ってくる答えなどたかが知れており、 答えが返っててもやれ意地だとか男のときの名残とかという典型的な答えが返ってくる。 それこそが下らないもので俺から言わせてもらえば男から女になっただけの現実を受け入れられないただのしがない 現実逃避に過ぎない。
女体化という病には偏見も持っていないし感染した奴らなんて俺と関係がなかったらどうでもいい・・ ただ、ああいった無駄な抵抗をしているのにだけには同情を通り越して哀れみしか感じられない。
318 名前: ◆Zsc8I5zA3U? 投稿日: 2007/07/21(土) 10:41:37.49 ID:DVdNRQp20
「・・今度はシカトか。都合の悪いことになったら逃げるのね」
「少し言葉が違うな、逃げてるんじゃなくて下らないことに反論するだけ無駄だということだ」
「結局言葉を変えたって本質が一緒よ。それは」
そういって理嗚はかけうどんを食べながらささやかな突込みを入れてくる、傍から見れば俺たちの会話などはどこか 気持ちの悪く近くにいるだけでも席を替えたいところだろう。事実、俺の周りの席は理嗚が来てからこうして空席になる ことが多く誰も近寄っては来ない。周りの下らないバカ話を聞かなくていいというメリットが存在することは存在するの だが、かえってこいつの話を延々と聞くと鬱々しく感じるから余り俺の心境は変わっていない。
こいつは俺が嫌っているとわかりつつもこうやって昼時になれば俺と一緒に食事を共にするのだから変人といえば 変人だろう。
「ま、もう少しまともな言い訳を考えることね。・・お先失礼するわ」
「できたらもう二度と来るな」
「さぁね・・」
こう言っているんだから無駄だということだろう。相手にしないという方法もあるのだが、どうもこいつの言葉には 本能的な何かを感じてしまうのだから厄介なものだ。
最終更新:2008年09月17日 20:13