安価『狐の嫁入り』

突然晴天から無数の水滴が降る。街を歩く二人の少女にも、例外なくそれは降り注ぐ。
「ひゃ…濡れちゃうよぅ…」
「ほら、早くこっち来なさいよ」
一足早く店先へ逃げ込んだ少女が、もう片方を呼ぶ。
「うぅ…濡れちゃった」
「相変わらず鈍臭いわねぇ。ほら、上着貸したげる。」
「あぅ…ありがと、あきらちゃん」
「ホントは逆なんだろうけど」
「ごめんね?」
「いいのよ。それより狐の嫁入りかぁ」
「ふぇ?狐さんがお嫁に行くの?」
「水月、あんた頭いいのに…天気雨のことを狐の嫁入りって言うのよ。あー、私も嫁に行けりゃよかったんだけど…違うか。婿を貰えりゃよかったんだけど」
「…ごめんね?」
「冗談よ」
「でも…」
「いーの。それよりあんた、ブラ透けてるわよ」
「ひゃ、やだやだやだ!」

そんな昼下がり

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最終更新:2008年06月14日 09:45
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