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036 Love~愛情~

   【沈黙の谷 B4F】

イースト:ねぇファイ、さっきなんであんなことを…

ファイ:ん?あんなこと?

イースト:レイスにだよ。

ファイ:ああ、だってあいつ…

イースト:何かあったの?

ファイ:…まぁいいか。お前にくらいは話して。あいつさ、♀のピカチュウに喝を入れてもらったって言ってたろ?

イースト:え?ああ…そういえばダウギさんがそんなこと言ってたね。

ファイ:オレは…多分そのポケモンを知っている。

イースト:えぇっ!?でも…たとえ同じ♀のピカチュウだったとしても、別のポケモンかもしれないんじゃないの?

ファイ:いや、きっとあいつだ。気力を無くしたり、脱げ殻のようになったポケモンを見るとほっとかない…そう、あの時サボテンの目を悲しい目だって言ったパークみたいに。

イースト:それで…そのピカチュウって、誰なの?

   ポケモン広場

シャドー:ウガァァァァーーーッ!!

ヘシュウ:なんだよいきなりうるさいな。

シャドー:ヘシュウ!お前悔しくないのかよ!もう少しでパークを倒せたんだぞ!それなのに…それなのにー!!

ヘシュウ:まだその事言ってんのかよ。もう1週間だろ?いつまでも悔やむより、新しい作戦でも考えろよ。

シャドー:よし!考えろチャムカ!…ってチャムカはどこいったんだ?

ヘシュウ:そういえば…ハガネ山に行くとか言ってたな。

シャドー:どうしてハガネ山に?

ヘシュウ:俺が知るかよ。知り合いでもいるんじゃね?

シャドー:だったらお前が作戦考えろ!

ヘシュウ:はぁ?俺は他にも考えることが多いんだよ!

シャドー:他にってなんだよ!

ヘシュウ:お前はバカだから言ってもわかんねーよ。

シャドー:俺、一応リーダーだよな?

ヘシュウ:ああ、一応な。

シャドー:で、お前はどこに行こうとしてるんだ?

ヘシュウ:どこだっていいだろ?ああ、しばらく留守にするぜ。

シャドー:お、おい!待てーっ!俺様を置いていくなー!

ヘシュウ:着いてくるなよな。

   【ハガネ山 8F】

ヒーナ:で、なんであんたがいんのよ!

チャムカ:相変わらずうるさい小娘ね~。

ヒーナ:ん?…今日はイーストがいないーって騒がないのね。

チャムカ:…この山で騒げないわよ。

パーク:何かあったの?

チャムカ:あんたたち救助があるんでしょ?さっさと依頼人探しなさいよ。

パーク:いや、私たちはあとは頂上まで行って帰るだけだけど…

チャムカ:そう。ま、アタシの邪魔だけはしないでよね。

フェオレ:この山に思い入れでもあるんだ?

チャムカ:あんたたちには関係ないでしょ。

ヒーナ:ええ関係ないわよ。でも…仕方ないからちょっとだけ付き合ってあげる。

チャムカ:勝手にしなさい。

   【ハガネ山 最上階】

チャムカ:そう。この崖よ…

ヒーナ:崖?(そういえばここ、最初にパークたちと会った場所だったわね…)

フェオレ:(最初にパークたちを観察し始めたのは、この山だったなぁ…)

   チャムカは崖の前まで歩いた。

パーク:あまり近づくと落ちるよ?

チャムカ:…そうよ。落ちたのよ。

パーク:え?

チャムカ:アタシの姉、〔チャムホ〕は、ここから落ちて消えたのよ。

ヒーナ:落ちたって…この崖相当よ!?こんなところから落ちたら…死…

チャムカ:ええ、だからアタシはここを降りられなかった。姉の死体なんて…みたくなかったから。だからアタシはここから逃げたの。

ヒーナ:逃げたって…姉を置いて?

チャムカ:でも…いつまでも逃げてるわけにはいかないと思って、捜索隊まで呼んで探したの。でも、どこまで探しても、姉は見つからなかった。

パーク:見つからなかった?まだ生きててどこかにいるってこと?

チャムカ:いいえ、そうじゃないの。…姉が落ちた時の衝撃がどこにもないの。

ヒーナ:実は受け身をとってました。なんてことは…

チャムカ:この崖が相当だって今あんたがいったじゃない。

ヒーナ:そう…よね…

チャムカ:姉がどうなったのかは今となってはわからない。でも、生きてくれているのなら…それでいい…

フェオレ:だから、花を持ってきたんだね。

チャムカ:え…

フェオレ:そのバッグの中、お姉さんのために持ってきた花が入ってるんでしょ?

チャムカ:ええ。たまにきて、ここから落としてるの。どうか…姉に届いて、って…

   チャムカはバッグから花を取り出し、崖に投げた。

チャムカ:さて、それじゃあ帰ろうかね。…あんたらが暗い顔してんじゃないよ。

ヒーナ:別に…あんたの心配してるわけじゃないんだからね…

チャムカ:次あった時はまた敵だから、覚悟してなさいよ。

   チャムカは山を降りて行った。

フェオレ:(あの姉に対する想い…まさか、あのチャーレムが愛情…?)

パーク:私たちも帰りましょうか。

ヒーナ:その前に…さ、オレンの実辺り使っていい?

パーク:え?いいけど…

ヒーナ:ありがと。

   ヒーナはオレンの実を崖に投げた。

   ヒーナは静かに手を合わせ、何も言わずに帰り道に歩いた。

パーク:行こっか。

フェオレ:うん。



                             続く




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最終更新:2014年03月16日 02:32
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